003 御岳山から日の出山[Jun 23, 2012]

標高300m級の養老渓谷に続いて、小学生でも楽勝といわれる大山でもバテてしまい、予想以上に体力が落ちていることが明らかになった。もうこれ以上失敗は許されないという訳で、代表的初心者レベルコースともいうべき御岳~日の出山ルートを歩いてみることにした。

このコースを最初に歩いたのは、四十年以上前の中学生のときである。その後も何度か行っており、子供を連れて歩いたこともある。もしここでバテてしまったら、今後の方向性を全面的に見直さなくてはならない。だから今回の最大のテーマは、「絶対にバテない」ことである。

今回の遠征にあたり、装備も見直した。26リットルとやや小振りのリュックサックを新調、所持品の軽量化を図った。食料は非常食(カロリーメイト)と行動食(ナッツ類)、凍らせたゼリー飲料だけにして、ちゃんとした昼ごはんは下山してから食べることにした。だから大きな持ち物は着替えと緊急用の雨具、水、コーヒーの入った水筒くらいで、おそらく6~7kgくらいだったと思う。

中央線で立川まで、そこから青梅線に乗り換えて奥多摩方面へ進む。昔と違って、きれいな電車である。御嶽(みたけ)で電車を下りて、バスでケーブル駅へ、さらにケーブルカーで御岳山に着いたのは9時過ぎであった。

梅雨で前日まで雨だったとはいえ、ここは人気のハイキングコースだったはずなのに、バスもケーブルカーも座れたし、歩き始めてもあまり人がいないのが気になった。御岳山は山岳信仰の盛んな土地で、山の上には多くの宿坊・旅館があるのだけれど、この分だとあまりお客さんは来ていないのかもしれない。

ケーブル駅から宿坊街を抜けて日の出山に向かう。昔と違ってそこら中に道案内があるが、読図の練習も兼ねて2万5千分の1地図と見比べながら進む。前の週に台風の大雨があったため、ぬかるんでいる所も多い。とはいえ、森の中の道はマイナスイオンがあふれている感じで、非常に気持ちがいい。アップダウンもほとんどなく、息も切れない。

唯一気になるのは、前後左右にほとんど人の姿がないことであった。大山に続いて、クマ除け鈴の登場である。何しろ奥多摩では、クマの目撃情報が絶えないのである。

山頂が近付いて上り階段となるが、とにかくバテないことが目標だからゆっくりゆっくり進む。少し汗をかいたかなという頃、進行方向に東雲山荘が見えた。この山荘は昔から日の出山直下にあって、ここまでくればもうすぐである。行程約1時間、コースタイム通りに山頂到着。今回は、全然疲れていない。なんだかうれしい。


フィトンチッドあふれるハイキングコース。この日は梅雨の合間の曇り空で、マイナスイオン満杯という感じでした。


東屋の建つ日の出山の山頂。四十年前と同じ景色でした。

疲れてはいなかったけれど、頂上ではコーヒーを飲んで30分ゆっくり休む。日の出山頂は標高902m。三角点のある山頂からは360度見渡すことができるが、曇り空のため展望は開けない。すぐ西側には、上ってきた御岳方面を見ることができる。さすがにここまで来ると、3、4組の先客がある。それでも昔と比べると全然空いている。

11時に再び歩き始める。以前はここから養沢鍾乳洞方面へ下りて行ったのだが、今回は「つるつる温泉」に向かう。ますますひと気がなくなり、道標には「クマ注意」の張り紙。下りでも4~5組とすれ違うくらいだったから、土曜日の奥多摩としては例外的に空いていたのか、あるいはクマのためだろうか。

このあたりの道はきれいに整備されていて、危険箇所もない。しかも得意の下りで、ともかく快調である。それでもバテないのが最大目標なので、ゆっくり進む。雨のせいで道に張り出している木の根っこや、岩の路面になっているところは結構すべる。台風のせいなのか、沢音がかなり大きく聞こえる。

日の出山直下は、昔はそれほど道標がなく、2万5千分の1地図でも結構道が込み入っているので、以前は間違えて違う方向に行ってしまうこともあった。いまでは分岐点に必ず道案内とクマ注意の張り紙、そして「つるつる温泉こちら→」の案内がある。道案内に沿って1時間ほど進むと、谷沿いで景色の開けた地点に出た。そこからもうひと下りすると、舗装道路になる。

「つるつる温泉」はそこからさらに10分ほど下り、やや登り返したところにある。もともと日の出町の町営施設だったようだが、現在はどうなのだろうか。pH9.9というアルカリ泉で、成分表をみると炭酸水素イオン、メタケイ酸イオン、ナトリウムイオンが多い。つるつるというよりぬるぬるで、アルカリ泉の多くがそうであるように美人の湯を謳っている。

ここでじっくりと温泉につかって足を揉みほぐす。いい気持ちである。温泉の後はビールを飲んでとろろ定食の昼ごはん。山の上で食べるのもおいしいのだが、荷物が重くなるのと虫が飛んでくるのが気になるので、こうやって落ち着いて食べるのもおいしい。なんといっても冷えたジョッキでビールが飲めるのは最高である。

こうして、今回の登山(?)は成功のうちに終わることとなった。こういう具合にうまく行くと、また次の山が楽しみである。バテるよりもバテない方がずっと楽だし。


「クマ注意」の張り紙。周囲に人がいないのでクマ除け鈴は必携です。


日の出つるつる温泉。pH9.9というアルカリ泉で、つるつるというよりぬるぬるします。ここでビール&とろろ定食で昼ごはん。

この日の経過
ケーブルカー御岳 9:40
10:30 日の出山 11:00
12:30 つるつる温泉

[Jun 25, 2012]