020 金毘羅尾根から麻生山 [Jun 08,2013]


この図表はカシミール3Dにより作成しています。

雲取山、丹沢山、大菩薩嶺と泊りがけの山が続いたので、ここらでちょっと軽めのを入れようとワンデイハイクを計画した。奥さんに一緒に行こうと言うと、「つるつる温泉なら行く」という返事。つるつる温泉なら日の出山だが、どの登山口から登っても混む山である。そこで、日の出山の手前の麻生山まで、武蔵五日市から金毘羅尾根を登ることにした。

金毘羅尾根は、日本最大のトレイルランのレース「日本山岳耐久レース」のコースとして有名である。武蔵五日市をスタート・ゴールとして奥多摩地区71.5kmの山道を走るレースであるが、そのコースの最後が御岳神社から金毘羅尾根を五日市に下るルートである。ちなみに、今回もトレーニング中の何人かとすれ違った。みんなすごくいい体をしていた。

五日市の駅に着いたのは8時前。リュックを背負った人が何十人も下りたのだけれど、みんなバスの乗り場に並んでいる。もっと奥の浅間嶺や三頭山に向かうのだろう。金毘羅尾根方面への徒歩の人は十人いないくらい。むしろ多いのは通学途中の女子高生である。土曜日なのに学校があるのは、私立ということである。

さて、WEBによると東町交差点を右ということだが、その道だと立体交差して秋川渓谷の方に戻ってしまうようだ。2万5千分の1地図をみると学校を目指していけば間違いなさそうなので、通学路の表示に沿って歩いていく。小学校、中学校と抜けていくと、金毘羅尾根方向の道標があった。

それはいいのだが、いきなり「この付近でクマの目撃情報がありました」と書いてある。こんなに人家が多いところでと思うが、念のためクマ除け鈴を装着する。最初の目標は金毘羅山468m。標高差で300mほどの登りである。クマが出たというだけのことはあって、すぐに林間の登山道となる。しかし道幅は広く、自動車でも通れそうである。

ちょっときつい急坂が2ヵ所ほどあったが、次第になだらかな登りとなり、1時間ほどで金毘羅公園に着く。いま登ってきた五日市の街並みが望める。つつじを植えてある公園の上には、琴平神社の社殿とご神体であろう大岩が鎮座している。ここから道幅が狭くなり、いよいよ登山道となる。とはいっても下の写真のようにきちんと整備されていて安心だ。

ときどき向こうからトレイルランやマウンテンバイクの人が来るが、全体にひと気はない。ただ、近くで伐採作業をしているので、チェーンソーの音が近くから遠くから聞こえてくる。だからしーんとした静けさはないのだけれど、静かなのはかえってクマが心配だ。かすかに木を切った後の香りが漂うのも心地いい。

気持ちいい道とはいえ、金毘羅尾根は長いのである。コースタイムで武蔵五日市駅から3時間、金毘羅山から2時間で麻生山なのだけれど、1時間歩いて見通しのきくあたりで行く手を窺うと、麻生山と思えるピークはかなり先である。いったん、伐採した真新しい切り株のあるところで休憩。ヴィダーインゼリーで栄養補給する。

地図上では、標高580mくらいで平らな尾根が続くように見えるのだけれど、実際には微妙なアップダウンがあるので、話はそう簡単ではない。いくつかの小ピークを越えて、大規模な伐採地を抜けて、ようやく幸神方面分岐(「キビシイヨ」と落書きしてあった)に着いたのが11時10分。武蔵五日市からほぼ3時間歩いたが、まだ麻生山まで山道が1km残っている。

梅雨の晴れ間で、標高がそれほど高くないので登りは汗みどろである。ときどき、尾根を東から西に吹き抜けていく冷たい風が気持ちいいけれど、なかなか目的地に着かないのが難点である。麻生山への分岐に着いたのは11時40分。直登は急坂だということなので、先に進んで白岩の滝分岐から頂上を目指す。急坂も厳しいが、迂回して距離を歩くのもまた厳しい。

最後の登りはまた奥さんに置いて行かれた。登りはいつも遅れてしまうのである。794mの頂上に着いたのはちょうど12時。街のお昼の放送が遠くから聞こえた。


金毘羅山から麻生山まで、なだらかな尾根道が続きます。


金毘羅尾根から北方向。行く手に高く見える深緑がおそらく日の出山。手前のうす緑のピークがおそらく麻生山。

分岐点のあたりには何人か人がいたのだが、麻生山の頂上には誰もいない。金毘羅尾根の稜線からちょっと外れただけなのに、金毘羅尾根を下る人達はこの頂上を素通りしてしまうようである。横倒しになっている木に腰かけて休憩。つるつる温泉でお昼ごはんを食べることにしていたので、ここは水分補給のみである。

それにしても、コースタイム3時間を4時間近くかかってしまった。多少休憩はとっているものの、ちょっとスローペースである。しかも、最後の登りではちょっとバテてしまった。汗のかき方も違うので、やっぱりこの時期の蒸し暑さが響いているようだ。昨年は7月以降に高水三山、天祖山と奥多摩を選んだのだが、今年はもう少し涼しいところがよさそうだ。

10分ほど休んで、ここからは下りである。つるつる温泉までは、白岩の滝を経由して車道を歩くコースと、林道を歩くコースがある。いずれにしてもしばらくは登山道を下るのだが、この区域は現在伐採作業中で、正規のルートは立ち入り禁止となり迂回路を通らなければならない。かなり傾斜が急だし、足下が細かい土砂と木屑で歩きにくい。

下の写真が下りたところから歩いてきた方向を見たところで、こういう状態である。もうしばらく下ったところに工事標識があって、そこには「花粉対策事業」と書いてあった。何十年も前に材木にしようと思って造林した杉が、いまでは花粉症の元凶となっているのは気の毒である。しかし私も花粉症なので、杉にはかわいそうだが対策事業に異存はない。

さて、林道と登山道の分岐点にやってきた。案内標識に「クマ目撃情報」が貼ってある。日付をみると2012年6月。これをみて奥さんがビビった。滝があるということは水があるということなので動物がいるはずだし、去年の今頃だと主張する。確かに登山道の先は暗くうっそうとしているし、最近あまり人が歩いていなさそうだ。安全策をとって、麻生山林道を行くことにする。

林道は道幅も広いし、勾配も比較的なだらかだし、左右の崖地はコンクリで補修してあるので安心だが、もともと林業のための作業道なので、山腹を行ったり来たりして距離は相当長い。1時間下ったけれど、まだまだ先は見えない。下りになると奥さんが遅れる番である。私の方も、そろそろ足が疲れてきた。林道後半は整備されているとはいえ結構な急坂である。

下り始めて1時間半。ようやく車道が見えてきた。ちょうど、日の出山から下りてくる道と合流する。つるつる温泉まではここから5分ほどの登りとなるが、このわずかな登りがきつかった。半日の疲れが一気にきて、足が上がらない。やっとつるつる温泉まで着いたのは1時45分。

つるつる温泉のお風呂で、足の裏やふくらはぎをマッサージした後、生ビールでひと息つく。軽くワンデイハイクのつもりで来たのに、6月の蒸し暑さと、低山とはいえ長い距離を歩いて、結構ハードな一日となってしまった。よく考えれば、昨年7月の高水三山と標高も歩いた時間も同じくらい。あの時は下りで転倒したのだった。今回は疲れただけだから改善している。

帰りの電車でも、足がじんじんして辛かったが、翌朝起きた時には、筋肉痛が全くなかったのにびっくりした。このところよく歩いているので体力が付いてきたのか、それとも標高差が5、600mほどなので実はそれほどハードではなかったのか、悩むところである。


麻生山頂上には到着したのは12時ちょうど。お昼時なのに誰もいませんでした。


麻生山の先から白岩の滝方面に下る。森林は伐採作業中でした。ここから林道に下って工事の表示をみると、「花粉症対策事業」ということで。

この日の経過
JR武蔵五日市 8:00
8:30 登山口 8:35
9:15 金毘羅山公園 9:25
10:10 573mピーク付近 10:20
12:00 麻生山0 12:10
12:35 林道登山道分岐 12:40
13:45 つるつる温泉(昼食)

[Jun 19, 2013]