001 せいうち日記・退職手続編

テーマ1「ついに退職。まずやった方がいいこと」

よく聞くところでは、定年で亭主が戻ってくると不機嫌になるのは奥さんだそうだが、わが家の場合は「これで毎日、会社行くのヤダと言うのを聞かなくてすむ」とかえって上機嫌である。結婚以来30数年、毎日、会社辞めたいと言っていたそうなのだが、いくらなんでもそんなに毎日は言っていない。ともかく、単身赴任から戻ってきたのはうれしいみたいだ。

ということで、今回は年金生活のスタートラインともいうべき退職に関する諸々の手続きについて書いておきたい。WEB上ではさまざまなことが書かれているけれども、参考になることもあれば、ならないこともある。一般的な傾向として、銀行や保険会社が書けば彼らの有利なように、弁護士や司法書士が書けば彼らの仕事が増えるように書いているので、退職者の身になっていない。

だから、もっと退職者の立場にたって書かれたものがあってもいいだろう。もちろん、専門知識が十分ではないので実はもっとうまいやり方があったということもあり得るのだが、大事なのは自分自身で納得してストレスの少ない方法を選ぶことだろうと思っている。

さて、私の場合は、退職して早めに手続きした方がいいと思われたものは以下であった。

① 住宅ローンの返済と抵当権抹消
② 健康保険の任意継続
③ 雇用保険に関する手続き
④ 厚生年金から国民年金への移行手続き

他にも、住民税の普通徴収とかあるけれど、1週間から1ヵ月以内にしなければならないのは上の4つである。

①は別に銀行は急いでないかもしれないが、こちらとしては返すのが遅れるほど利息が多くなる。②は20日以内に手続きしないと、保険料の高い国民健康保険に加入するしかなくなってしまう。③、④は遅れても大した影響はなさそうだが、決められた期限があるので早く手続きした方がよさそうである。

まず、住宅ローンの返済はその日に行ってその場で返すことが原則としてできないので(やってできない訳ではなさそうだが)、退職前に銀行に行って手続きした。7月末は土・日なので退職金が入るのが29日、ただし万一金額が見込みと違った場合に他から持ってこなければならないので、返済日は1日の月曜日とした。

それであわてたのが奥さんである。29日の午後になって、そんな通帳を週末家に置いておく訳にはいかないと言い出したのである。そう言われてみるとそのとおりであり、よく考えるとわが家には貸金庫というものがあった。最初は入ってきた退職金をいくらか下ろそうと考えていたのだが、そんな余計なことはしないですぐに貸金庫に入れてしまえと言うので、そのようにした。

実はこの話には前段があって、27日の最後の出張の日、帰り道で私はカードと運転免許証入りの財布を落としたのである。最後に財布を使ったのがおみやげにギョウザを買った時で、それ以降見当たらない。ということは、JR宇都宮駅周辺でなくしたのである。

奥さんによると、私は退職前後の数日間、異常に落ち着きがなかったそうで、そんな時に大金の入った通帳を身辺に置いておかれたくなかったそうである。だから、退職金が通帳に入ってからは、余計なことをせずにすぐ貸金庫に入れるようすごい勢いで主張したのであった。

全然話は変わるが、銀行の貸金庫に通帳を預けたその晩、DVDで「Mother」を見ていたら、松雪泰子が有り金すべて置き引きにあったのがJR宇都宮駅であった。偶然とはいえ、タイムリーにそういうDVDを見るものである。その後、ローンが落ちて残高が通常どおりになるまでの間、通帳とカードは銀行の貸金庫に大事にしまわれていたのでありました。(宇都宮市の名誉のために書くと、1週間後に警察からカード会社経由で連絡があり、現金ごと見つかった)

 

テーマ2「退職後の健康保険は任意継続がおすすめ」

住宅ローンを返済すると、抵当権の抹消に必要な書類が渡される。40年ほど前、私が銀行員だった頃から、住宅ローンには連帯保証人を付けず、銀行の子会社である保証会社が保証人になるという手続きが主流であった。この場合、書類は銀行の支店ではなく保証会社で集中管理しているので、書類が届くまで若干のラグがある。今回の場合は約1週間かかると言われた。

そこで、ローンの手続きはいったん置いて、健康保険の手続きに入る。よく知られているように、退職者の健康保険手続きには3つの選択肢がある。

① 親族の健康保険の被扶養者となる。
② 市役所に行って、国民健康保険に加入する。
③ これまで加入した健康保険組合に任意継続被保険者として継続加入する。

このうち最も経費負担が少ないのは①だが、わが家の場合は子供が同居していないし、年収とかいろいろ聞かれるのも面倒だ。いずれは②ということになるが、昨年・今年の年収で計算すると保険料が高くなりすぎる。③の場合、事業主・加入者折半だった保険料を全額出す必要があるのはデメリットだが、算定基準が全加入者の平均月収となるので保険料は単純に倍にはならない。

ということで、これまでの健康保険組合に継続加入することにした。実はこの方法、最初の会社を辞めた際にも3ヵ月ではあったが使った方法で、保険給付等々はこれまで同様に保障されるし、健保組合独自の補助(契約保養所など)も使えるのである。昔と違って独自の補助はほとんどなくなってしまったけれども、個人的にはまず筆頭におすすめしたい選択肢なのである。

手続きには、直接健康保険組合に出向かなければならない。保険証がないのはいざという時困るので、さっそく2日に訪問した(1日は組合の創立記念日で休みだった)。御徒町で下りて通りをいくつか越えると、健保組合のビルがあった。昔からある組合なので、資産運用の見地から自社ビルを持っている。昨今、高齢化で収支状況は厳しいのは、世の中の趨勢で仕方ない。

あらかじめ連絡してあったので手続きはスムーズである。まず、任意継続被保険者への注意事項について改めて説明がある。もっとも重要なのは、期間は最長2年で、正当な理由なく中途脱退できないということである。ちなみに、国民健康保険に入るからというのは、正当な理由にはならない(じゃあどうするかということは、WEBをみるといろいろ書いてある。いずれにせよ、まだ先の問題である)。

私の場合は、昨年・今年の年収で国民健康保険の保険料を計算すると任意継続の保険料よりも高くなってしまうので、少なくとも再来年の3月までは国民健康保険に入ると経済的に圧迫される。そして再来年の3月になると、最長2年まであと4ヵ月しかない。

説明を受けた後は、保険料の支払いについての確認である。6ヵ月・1年分を前納すると保険料が何千円か割引になるが、先のことはどうなるか分からないので毎月支払いにしてもらう。8月分をその場で払って、9月分以降は月初に請求書が郵送される。締切は10日で、期限までに振り込まないと翌日に脱退となる。

毎月4万円近い保険料は非常に痛いけれども、あらかじめ健保組合に問い合わせて確認してあったので、収支計画には見込んである。2年間で約100万円、これは、退職後に必要になる税金・保険料等のほぼ半分にあたる。なお、会社都合による退職等の場合には、国民健康保険の場合でも減免措置があるが、私の場合は難しいようだ。

今月の保険料を支払うと、その場で保険証を渡してもらえた。保険証はいままでどおりカードで色もデザインも一緒だけれど、記号・番号が違う。保険証は郵送になると思っていたので、ちょっとうれしかった。これで安心して病院に行ける。

 

テーマ3「四半世紀ぶりにハローワークへ」

ローンの返済、健康保険の次に急がなければならない手続きは、雇用保険(失業保険)である。

実は26年前、最初の転職の際3ヵ月間フリーだったので、ハローワークには行ったことがある。ただ、今回と同様に「自己都合退職」であったため、給付制限期間に引っかかって失業保険は受給できていないし、再就職手当もいただいていない。

当時の「受給資格者のしおり」をみると、30歳以上・勤続10年以上(その時の条件)で所定給付日数が210日もある。今回の見込み日数は150日だから、随分と保障が薄くなったものである。ちなみに、当時、いまの私の状況(55歳以上・勤続10年以上)であれば、300日出ることになっていた。四半世紀で半分になっていることになる。文句を言える筋合いではないが。

さて、思い立ったが吉日で、かつての勤務先から離職票等の書類が届いた次の日、さっそく手続きに向かう。千葉ニュータウンは地域により所轄のハローワークが異なり、わが印西市は成田である。2つ前の駅・小室だったら、26年前と同じ船橋にいかなければならなかった(場所は市役所のある湊町から船橋駅前に変わったようだ)。

1時間に2本しかない成田線の電車で、成田駅に向かう。ハローワークは、駅前の真新しいビルの3階にある。受付で「退職しまして、今日が初めてです」というと、離職票があるかどうか確認され、記入する用紙を渡される。必要事項を記載すると、整理番号が渡される。昔は順番が来るまで待たされた記憶があるが、なんだか銀行みたいである。

最初の窓口では、住所・氏名・記載事項を確認して「ハローワークカード」を渡される。次の窓口では、説明会と初回認定日が指示される。原則として、ハローワークの都合が最優先である。待っている間、大きなディスプレイで早く再就職しないと大変です、という内容のVTRが流されている。かなり高圧的な内容なので、あまり見ない方がいいかもしれない。

担当者の方は、昔に比べるとソフトな対応である。あるいは、こちらが歳を取ったのでそう感じるのかもしれない。今回の訪問で求職申込となるので、今日から待機期間・給付制限期間がスタートする。逆に言えば、ハローワークに行くのが遅れれば、失業保険が出る(給付制限が満了する)のがそれだけ遅れるということになる。

ここで一つ注意しなければならないのは、最初にハローワークに行った日で、「認定日型」、つまり今後ハローワークに行かなければならない日取りが決まってくるということである。私の場合は「週型2の木曜日」で、今後ハローワークに行かなければならない日は基本的に木曜日となる。週型2にあたる週がどこかということは、受給資格者のしおりに書いてある。

だから、なるべく都合が入らない曜日にハローワークに行った方がいいということになる。逆に言うと、ハローワークが混む日に最初の訪問をすると(月曜日とか月初めは混みそうだ)、以後もずっと混んだ日に手続きすることになることになりそうである。

さて、実は今回の退職、理由としては「配偶者と別居生活を続けることが困難となったことによる離職」と主張できるので、ゴネれば特定理由離職者にできたのかもしれない。特定理由離職者と認められれば給付制限期間がなくなるし、他にもいろいろ有利な点がある(国民健康保険料の減免とか)。

しかしながら、会社だってなかなか認めないだろうし、仮に認められたとしても給付日数そのものが増える訳ではない(給付制限がなくなるので早くもらえるというだけ)。ハローワークでああだこうだ言うのも気が進まなかったので、「自己都合です」「それですと、3ヵ月の給付制限があります」と10秒で済ませることにしたのでした。

 

テーマ4「抵当権抹消は自分で手続きして節約」

さて、健康保険、失業保険と急ぐ手続きが終わって、残すは年金の切替え手続きである。年金についてはこの20年で、行方不明の年金やら何やら社会保険庁の不手際が明るみに出て、手続きがオープンかつ厳密になった。

実は最初の転職の際、市役所の年金窓口に手続きに行ったのだけれど、奥さんの年金を3号から1号にする手続きはちゃんとしてあるのに、私の年金にはなぜか何の手続きもしなかった。その結果、奥さんの年金には空白期間がないにもかかわらず、私の年金は最初の勤め先と次の勤め先の間の数ヵ月間、空きがあるのである。

だからちょっと心配していたのだけれど、今回は私の年金と奥さんの年金、両方とも年金手帳を見て手続きしてくれた。ただ、その場で来年までの年金保険料を支払うつもりでいたところ、「納付書が届きますので、銀行かコンビニで払ってください」と言われてしまった。8ヵ月2人分で約25万円。大して利息もつかないが口座に置いておくほか方法がない。

そうこうしている間に、月初に返済したローンの書類が戻ってきたと銀行から連絡があったので取りに行く。この仕事はその昔、銀行に入って2年目にやった仕事なので懐かしい。もっとも、当時は新規貸付ばっかりで完済はほとんどなかったが。

手続き書類は昔といくつか変わっている。16年前に借りたローンは、昔と同じく抵当権設定契約証書に「登記済」の判が押してある登記済証だが、3年前に住公から借り換えた方は「登記識別情報」というマスクがかかったデータになっている。そして、昔はいちいち銀行の資格証明を渡していて、有効期限が3ヵ月、終わったら返してくださいなどとやっていたのだが、いまでは法人番号を書くと省略できる。

さっそく家に帰り、法務局のホームページやWEBを見ながら登記申請書を作成する。そんなに難しいものではないが、書類の綴じ方とか登記識別情報の扱いが分からないので、法務局に相談に行くことにする。

昔はそんなものはなかったが、いまでは法務局では登記相談を行っている。金曜日の午後に電話したら、月曜日に1枠だけ空いているというので、その時間を予約した。なんだかとんとん拍子に進んで気持ちがいい。月曜日に、指定された時間に法務局に行く。登記相談は4番窓口だ。

前の順番の人は申請書から書いているので時間がかかったが、私は申請書はすでに作成しているので5分で終わってしまった。委任状に間違えないように自分の名前を書き、何ヵ所かに認印を押して、「2000円の印紙を1番窓口で買ってここに貼り、3番窓口に出してください」と言われたのでそのとおりにする。

3番の受付窓口もすんなり終わり、受付用紙を渡される。そこには、登記完了予定日と必要な書類が書いてある。訂正等がなければそのまま、訂正等がある場合は法務局から連絡がある。

抵当権抹消登記の方は特に問い合わせがあるようなこともなく、完了予定日の朝に民事法務協会の「登記情報提供サービス」で照会すると、きちんと登記が完了して土地・建物ともまっさらになっていた。その日の午後に登記所に出向き、登記完了証と抵当権設定契約証書を返却してもらって一件落着。思ったよりもスムーズに手続きが終わってしまった。

必要だった経費は印紙代の4,000円と登記情報提供サービスの1,348円、それに登記所までのガソリン代のみ。司法書士さんにお願いしたらいくらかかるか住公借換えの際の書類を調べてみると、抵当権抹消1件あたり10,400円+出張費・印紙代というところだった。おそらく今回の場合だと2件で3~4万円はかかっただろうから、かなりの節約になったものと思われる。

 

テーマ5「ハローワークは昔と違う」

8月第3週の水曜日はハローワークで雇用保険説明会。2時半開始で予定時間は2時間。10分前に集まってくださいと書いてあったのは、開始前に10分間、年金事務所から国民年金の説明があるためであった。本題のハローワークとは関係ないので、遅れて入ってくる人も少なからずいる。

会場は劇場型のホールでキャパシティは200人ほど。この日集まっていたのは大体60~70人だったので、席には余裕がある。まるで映画を見るような環境で、実際に半分くらいの時間は厚生労働省監修のDVDだった。四半世紀前に受けた説明会では、長机に3人掛けだったから、今昔の感しきりである。

説明内容も、昔はもっとぶっきらぼうで高圧的だったように記憶しているが、現在では分かりやすくて親切である。世間一般で何かにつけて「お客様目線」なのはあまり感心しないのだけれど、ハローワークの場合は、ただでさえ気分がささくれている人が相手なのだから、無用なトラブルを防ぐためにはこのくらいの方がいいだろう。

今思えば、かつての職安担当者は、なんであんなに偉そうにしていたのかと思う。彼らの給料の源泉は雇用保険料であり税金なのだから、本来それほどいばれる立場ではなかったはずだ。その意味では、現在の方が望ましいことはいうまでもない。「公僕」なんて言葉があった時の方が威張っていて、そういう言葉を使わなくなったら普通になった。面白いものである。

それでも、雇用保険の不正受給の説明では、それまできれいな女性が説明していたのに突然いかつい男が登場して、「不正受給は必ず発覚します。3倍返し!」とこわい顔で脅かすのである。なるほど、こうした警告を引き続きしているということは、度重なる注意喚起にもかかわらず不正受給は減っていないようである。

説明会後半では、名前が呼ばれて「受給資格者証」が配付され、いよいよ失業認定申告書の書き方について説明がある。

失業認定申告書については、提出する申告書原本も渡されて、結構細かく説明がある。長年のサラリーマン生活で役所向けの書類を山ほど作らされてきたので、こういう仕事はお手のものである。「第一回の認定日は、今日の日付と説明会参加と書けば求職活動実績になりますから」など細かく説明するところをみると、不備な申告書はかなり多いようである。

不備な書類を出してしまうと、窓口の担当者も仕事が増えて嫌だろうし、出す方だって余計な手間がかかってストレスになる。基本的にこの申告書には、失業状態にあって収入がないことを書けばいいのだから、あとは必要十分な記載をすればいいはずである。などと考えながら説明を聞いていたら、あっという間に2時間が経った。

それでも、帰り道ではひどく疲れているのに気が付いた。考えてみると、時間を拘束されるのも人の話を黙って聞いているのも、半月ぶりくらいのことである。ここ20年以上、半月も続けて休んだことはないのだから、疲れるのも仕方がないことかもしれない。次のハローワークは9月の初回認定日。次回は、それほど時間はかからないはずである。

 

テーマ6「第一回失業認定日」

ハローワーク第1回の認定日は9月初旬。この日に行っても失業保険は給付されないが、7日間の待機期間満了を確認するために行かなければならないのである。指定された時間は9時から9時半。サラリーマンの習性で、15分くらい前に着いてしまった。

説明会で指示されたとおり、「給付係」のコーナーに行って、雇用保険受給資格者証と失業認定申告書を、置いてあるクリアファイルに挟んで受付箱に入れる。ここまでの手続きは26年前にもやっているはずなのだが、おそらく船橋と成田ではやり方が違うのだろう。全く記憶にない。

待ち時間の間に、ハローワークの中を一回りする。事務所のスペースのうち大部分を占めているのは求人検索のためのパソコンで、30台以上設置されている。この時も、検索した求人を窓口に申し込んで、その場で求人先から連絡があり呼び出されている人がいた。コンピュータの活用により、このあたりは昔よりかなりスピードアップしているようだ。

事務所内に何ヵ所か、求人や職業訓練に関する資料が置いてある。ここ成田には成田空港があるので、空港関連求人の特設コーナーもある。再就職を急かす内容のビデオも相変わらず流れているが、初めて見る時よりも勘にさわらないのは、説明会で免疫ができたからだろう。本当に、何事も経験である。定年後も同じ会社に勤めていたらこういう経験はできないと思うのは、負け惜しみだろうか。

朝早いのでそれほど待たずに名前が呼ばれる。予想したとおり、給付制限3ヵ月の説明があり、次の認定日は11月下旬と指示される。そして、「今日これから職業相談があります。これは求職活動の実績となります」と番号札を渡された。おお、何と効率的。これで1回の実績となると、あとは次の認定日まで少なくとも1回の実績があればいいことになる。

失業保険の手続きの中で、最も心配していたのが求職活動実績についてであった。失業保険を受けるためには求職活動を月2回以上行う必要があるが、「受給資格者のしおり」によると、求人情報の閲覧や知人への紹介依頼、民間紹介機関への登録といったことは求職活動に該当せず、実際に求人先に応募したり、ハローワークのセミナー、個別相談等を受けないと実績にはならない。

定年世代の失業保険受給者が、みんながみんな求職活動に精を出しているのだろうかと疑問に思っていたのだが、こうやって認定日に1回の相談を受けるシステムにしておけば、あとの1回はセミナーを受ければクリアできるし、何枚も履歴書を書く手間が省けるというものである。おそらく、ハローワークの人も、2回をクリアできない人の扱いに苦慮しているのだろう。

なんてことを考えていると、番号が呼ばれて職業相談である。「お願いします」とハローワークカードと受給資格者証を渡すと、その裏面に日付と職業相談済のスタンプを押してくれる。職員の人がスタンプを押している間に、質問票に回答する。昔は「ハローワークで探しますか、それとも民間で探しますか」などと聞かれたものだが、やり方がかなりスマートになった。

再就職手当の受給について改めて説明がある。「最初の1ヵ月はハローワークの紹介でないと再就職手当は出ません」と言われて、あれっと思ったが黙っていた。帰ってから調べてみると、昔は再就職手当は給付制限2ヵ月目まで出なかったのだが、現在の制度では1ヵ月でいいのである。昔からこの制度だったら、26年前も再就職手当がもらえたのだが。

(そのあたりはハローワークもぬかりがなくて、昔の受給資格者証の再就職のところに、不該当(制限中)と赤く書いてある。ちゃんとチェックしてくれていたのである。というよりも、6月末の退職だったのに、最初にハローワークに行ったのが8月という時点で勉強が足りなかった。)

その後、定年退職世代の想定Q&Aに入っているらしく、「職業訓練に関心はありますか」と尋ねられる。ありませんなどと答える訳にはいかない(再就職の意欲を疑われる)から、「関心はありますが、どんな講習があるんでしょう」と答える。すると奥のキャビネからパンフレットを2冊持ってきた。

「新しい職を探すに当たり、必要な場合には再就職のための職業訓練を受けることができます。受講料は無料、ただし教材費が自己負担となります。この訓練を受講すると、基本手当の他に受講手当が最大40日分と、旅費が最大で月△△円出ます。これは千葉県の募集ですが、東京都の募集にも応募できます」と説明された。

正直なところ、こういった講習はこれから長く働く若い人向けのものだと思っていたのだけれど、帰ってから内容をよくみると中高年向けの内容もきちんと用意されている。幸い、これから3ヵ月間は給付制限のため認定日がない。考える時間は十分にある。

———————————————————————————————–

という訳で、6回にわたりお届けしてきた退職手続編、しばらくは新たな展開がなさそうなのでこのあたりで中締めとします。あと何ヵ月か先には動きがあるはずなので、続編をお届けしたいと思っています。ではまた。

 

[Sep 15, 2016]