012 内山、フセインをストップ [Sep 8, 2007]

OPBFスーパーフェザー級王座決定戦(2007/9/8、後楽園ホール)
内山 高志 O KO8R X ナデル・フセイン

土曜日は予定が盛りだくさんで、後楽園ホールに着いた午後8時過ぎはまさに両選手入場の場面だった。

何しろナデル・フセインといえば、世界的ビッグネームである。約50戦して負けたのは、マニー・パッキャオ、オスカー・ラリオス、スコット・ハリソンといった世界の一流チャンピオンと昨年の榎洋之の4敗だけ。問題は、本来のウェイトであるスーパーバンタムから昨年の榎戦ではフェザー、今回はスーパーフェザーとクラスを上げたことである。

一方の内山はこれまで7戦全勝5KO。そしてプロ戦績以上に注目されるのは、アマ113戦91勝、全日本ライト級3連覇、世界選手権ベスト16、タイキングスカップ銅メダルという近年アマチュア・ボクシング界における最高のエリート選手であったということである。その意味では粟生(日本フェザー級チャンピオン)よりも一枚上といってもいい。

その両者によるOPBF王座決定戦。巨人戦があるのでG+の実況もない(録画中継)。これは見に行くしかないということで後楽園ホールに向かった。内山のきれいなボクシングがフセイン兄(弟はフライ級の世界ランカー、フセイン・フセイン)にどのくらい通用するかと思っていたのだが、案に相違して、一方的な試合になった。

1Rからフセインがガードを固めて前進、内山がジャブから上下を打ち分けるという展開。しかしフセインは全く手が出ない。「おいおい、お前は大ちゃんか?」と思わずつぶやいてしまうくらい、ガードを固めるだけで何もできず、時たま振るう左フックは内山に軽々と交わされてしまう。

3Rくらいからは内山のワンツーが的確にヒットして、フセインはロープを背にガードを固めるだけ。内山のストレートでフセインがのけぞる場面が目立つ一方、フセインはどうしたと思うくらいコンビネーションが出ない。ボディへのフックが時折当たるだけで、上へのパンチは交わされるかガードされている。

そして7Rから、内山はいよいよパンチをまとめ始める。フセインは打ち合いに活路を見出そうとするが、ほとんど全くクリーンヒットがないまま8Rに入る。ニュートラルコーナーで内山のワンツーが入り、フセインが応戦に入ろうとした時再度右がヒット(あるいは左の返しが入っていたのかもしれない)、フセインがたまらずダウンすると、コーナーからカウント途中でタオルが入った。フセインは「なんで止めるんだ」というポーズをとっていたが、あれは無理だろう。7Rまでの私の採点は70-63のフルマークで内山。

あのタオルのタイミングからして、フセイン陣営に当初から何らかの不安があったことは間違いないところで、おそらく体格的にスーパーフェザーは無理なのではないだろうか。一方の内山はこれで世界ランキング入りが確実だし、世界の一線級をKOしたのだから堂々と世界に打って出ることができる。体格・体調に問題があったにせよフセインを完封したということは、私が考えていたより強いということである。

しかし残念なことに、スーパーフェザーのチャンピオンはWBAがエドウィン・バレロ、WBCがファン・マヌエル・マルケスである。バレロは危険だし、マルケスのファイトマネーは出せないだろう。そして待っているとそのうちにホルヘ・リナレスがクラスを上げてくる。となると、狙い目としては一つ上のライト級か。アマチュアが長かったため内山はすでに27歳。そんなにゆっくりはしていられないかもしれない。