013 パッキャオvsバレラ [Nov 18, 2006]

WBCインターナショナル・スーパーフェザー級タイトルマッチ展望(2007/10/6、ラスベガスMGMグランド)
O マニー・パッキャオ(フィリピン、44勝35KO3敗2引分け) -285(1.3倍)
マルコ・アントニオ・バレラ(メキシコ、63勝42KO5敗1NC) +225(3.25倍)

この間までWBCの同級世界王者だったバレラが、格下のインターナショナル王座に挑戦する試合。本場アメリカでは、もはや世界戦統括団体にはほとんど意味がなく、ファンが見たい試合がビッグマッチとなるという見本のような試合である。

しかしバレラも、もう33歳。デビュー以来19年が経過し、かつて「童顔の暗殺者(ベイビー・フェイス・アサシン)」と呼ばれた面影はすでになく、単に恐い顔のおっさんである。わたし的には、2000-2001年、モラレス第一戦やナジーム・ハメド戦がバレラのピークであり、それ以来実力的には長期低落傾向にあるとみている。

かたやパッキャオ、いま28歳とキャリア最盛期といっていい年齢になった。フライ級で世界チャンピオンになった選手はスーパーフェザーまでは無理と長いこと言い続けてきたが、ここ3年間はこのクラスで強敵ばかりを相手にしてほとんどの試合をKO決着で片付けており、体格的な問題を云々するのは難しくなってきた。

こうした背景からみると、およそ2.5対1という賭け率は、むしろバレラの過大評価ともいえる。この評価の要素として、今年3月のファン・マヌエル・マルケス戦でのほとんど互角の戦いがあったのだが、あれは8R終了間際のカウンターが決まったのがラッキーだったので、あれがなければほとんど一方的な試合だった。

もちろん、「バレラはまだこんなにできたんだ」とは思ったけれども、いまや当たるところ敵なしの勢いのあるパッキャオでは、前回(11RKO負け)と同じ結果になる可能性が大きい。パッキャオが飛び込んでくるスピードに合わせてカウンターを打つのは6年前のバレラでも難しかったのだから、今ならもっと難しいとみている。パッキャオのKOにブラックチップ。

 

WBCインターナショナル・スーパーフェザー級タイトルマッチ(10/6、ラスベガス)
マニー・パッキャオ O 判定(3-0) X マルコ・アントニオ・バレラ

パッキャオKO勝ちを予想したが、始まってみるとバレラがパッキャオの左を交わし続け、ペースは完全にバレラだった。11Rにレフェリーがブレイクをかけた後の打撃があってバレラ減点、それを含めて私の採点は116-111でパッキャオ。

パッキャオの左が当たらなかったのが、バレラのテクニックによるものか、パッキャオの衰えによるものか、あるいはその両方なのかは不明だが、少なくともパッキャオにバレラ第一戦やモラレス戦のような必殺の気合が感じられなかったことは確か。あるいは十分すぎるビッグマネーを稼いで、地元での祝賀会の方に関心が移ってしまったのかもしれない。

パッキャオの長所は思い切りの良さと、少々打たれてもひるまないハートの強さであるのだが、今回はその長所が目立たず、逆に短所であるパンチに種類がないことが際立っていた。局面を打開するには、打たれるのを承知で突っ込むか、さもなければ細かいパンチで相手のディフェンスを崩す必要があるが、今回のパッキャオはそれができなかった。

もしこれが年齢(28歳だが、もう50戦している)や上昇志向が失われたことによるものだとすると、今後、マルケス兄やエドウィン・バレロ、ホルヘ・リナレスといった面々とやっても勝てないのではないかという気がする。