022 奥多摩駅から石尾根 [Oct 27, 2013]


この図表はカシミール3Dにより作成しています。

今年の秋は週末に雨が多くて、なかなか山に行けない。10月の終わりにようやく台風が去って、秋晴れとなった。久しぶりに奥多摩に行くことにした。前から考えていた石尾根である。

当初の計画では、前日に鴨沢から七ツ石小屋に泊まり、次の朝に早出して石尾根を奥多摩駅までずっと下って来ようと思っていた。ところが、雨にたたられて日帰りしかできなくなってしまったので、奥多摩駅から石尾根を登れるだけ登って引き返してくるという、ある意味安易な計画を立てた。できれば六ツ石山まで、無理なら三ノ木戸(さぬきど)山くらいまでという、フレックススケジュールである。

例によって始発で都心に向かい、中央線・青梅線と乗り継ぐ。立川を過ぎると、半分以上はリュックを持った登山・ハイキング客である。この朝は少し肌寒くて、ちょっと迷った末にスラックスは夏物、手袋は冬物、上着のかわりにレインウェアを羽織った。日が差してくるとそんなに寒くないし、周りをみるとCW-Xの上にハーフパンツという人も結構いる。

奥多摩駅に8時半着。同じ電車にたくさんの人が乗っていたが、みんな鴨沢方面や日原方面のバスに急いで行く。川苔山も鷹ノ巣山も、きっと大賑わいだろう。こちらは駅から徒歩だから、日焼け止めを塗ったりGPSを準備したり、ゆっくり支度できる。駅前にほとんど人がいなくなった8時50分に出発。橋を渡ってむかし道方面に向かう。

むかし道の曲がり角まで来ると、「工事中」の立て看板が置かれている。むかし道を羽黒三田神社まで行って登るのが早いらしいのだが、安全策で舗装道路の林道を登って行く。見るからに、結構な回り道である。ただ、スピードは落ちないし安全だ。「→石尾根縦走路」の道案内に沿ってなだらかな坂道を登る。天気は快晴で風もない。山日和である。

ただし、時間が読めない。歩き始めて40分経っても、まだ舗装道路が続いている。途中に登山道入り口があったのかなと迷った頃、再び道案内が出てきた。間違ってはいないようだ。そこからしばらく進むと、ようやく登山道入り口。ここまで1時間かかった。「熊注意」の貼り紙があり、クマ鈴を付けたのと、道がぬかるんでいるかもしれないのでスパッツを装着。

登山道に入ると、急に道が狭くなった。最初は雑草が茂っていてあまり人が通っていないのかと思ったが、そこを抜けるといつもの整備された道である。奥多摩の登山道のほとんどは整備されていて歩きやすい。あとはこちらの体力の兼ね合いだけである。10分ほどで、小さなお社が見えてくる。1/25000図に載っている神社マークだ。正しい道を来ている。

30分くらい歩くと、石尾根縦走路と三ノ木戸の集落に下る道との分岐。ここらあたりまでは比較的楽な登りだったが、ここから傾斜がきつくなった。後から来た3、4組に抜かれる。ただ、ここらあたりまではまだ余裕があったのだ。


登山道を入ってしばらくすると、小さなお社がある。1/25000図の標高680mくらいに記載されている神社マークだ。

登山道入り口から約1時間、11時前には両側が切れて尾根道に出た。石尾根の末端部分である。尾根道の左(南)側が杉の植林、右(北)が広葉樹の自然林ときれいに分かれている。もともとは全部自然林だったのを、育ちのいい南側だけ杉にしたのかなあと思う。気持ちのいい道はわずかで、すぐに急な登り坂になる。

奥多摩駅から三ノ木戸(さぬきど)山までの登りのコースタイムは、2時間15分と書いてある。登山道入り口からは1時間半といったところだろう。だから1時間くらいで目処が立つと思っていたらとんでもない。1時間歩いても木々の間の急坂がずっと続く。展望は全く開けない。その上、前日までの雨で登山道がえぐれていて歩きにくい。

おそらく、ここを雨水が流れたんだろうなと思い、あまりに歩きにくいので登山道の脇を歩く。それほどラフになっておらず、かえって歩きやすい。よく見ると軽く砂利を敷いてあるので、こちらを通ってもいいのだろう。ただ、ところどころ滑りやすくて気を使う。

11時半。登山道に入って1時間半歩いたがまだ先は見えない。かなり息が上がって苦しい。適当な休み場所がないので、仕方なく倒木の上に腰かけて小休止。振り返ってみるとかなりの急傾斜なので、息が上がるのも仕方ないのだけれど、それにしてもペースが上がらない。

それに、背中の荷物がなぜか重いのである。今回は日帰りなので32リットルのリュックで、計ったら水を入れて6.8kgだった。先月燧ヶ岳に登った時は45リットル、水なしで8kg、当日は9kgを超えていたはずなので今回の方が2kg以上軽い。にもかかわらず、荷物が重たく感じるのである。

あんまり苦しいので、次に休めるところが出てきたらお昼休みにすることにした。相当にきつくても、長く休むと持ち直すこともある。計画では三ノ木戸山まで行くつもりだったけれど、仕方がない。道標が出てきたあたりで、ちょっと広くなっていて休めそうな場所が見つかったので、ここでお昼にする。12時少し前。約3時間の登りであった。

真新しい金属の杭が差してあって軽く整地もしてあり、北側の景色も少しだけ開けているので、休むにはいい場所である。お湯を沸かしてコーヒーを飲み、続けてインスタントラーメンを煮る。肌寒いのでラーメンがよさそうだと思ったのだが、疲れているせいかそれほどおいしくない。長い登りで右足もじわじわ痛い。

近くの木にテープが巻いてあり、そこに「十二天山」と書いてあった。家に帰ってからGPSの記録を調べてみると、三ノ木戸山の北東に出っ張ったピークであった。ヤマレコをみるとここでお昼にするパーティーもあるようなので、それほど見当違いのことはしていないようだ。この日は私の貸切だったが。

木々の間からは向こう側の山が見える。一番高く見えたのは尾根続きの鷹ノ巣山だろうか。この山より低くて、遠くに見えた山がいくつかあった。ずっと調子が悪く、地図と見比べる余裕がなかったのは残念。1時10分前になったので出発。3時間で来た道を2時間半で下りれれば、ホリデー快速に間に合う。


昼食休憩した十二天山から撮った風景。尾根が続いているように見えたので、鷹ノ巣山かな。

いつもの体調であれば、昼休みをとった後は持ち直すはずである。加えて、あとは下るだけだから、疲れはあるにせよ呼吸は楽なはずである。ところが、ちゃんと動けたのは初めの10分だけで、そこから先は、下りだというのに息がはずんで動き続けられない。

こんなにつらいのは1年半前に登った大山以来だと思いながら必死に下る。こういう時は空気の薄さが微妙に響いている可能性があるから、休み休みでも早く下るのが得策である。息が苦しいだけではなく、吐き気がして頭が痛い。なぜか、汗もまったくかかない。

考えてみれば、登りでもほとんど汗をかいていないのだった。その時に気付かなかったのは不覚である。基本的に、私の場合は冬でも大汗をかくのが普通で、その方が体調はいいのである。それに、奥多摩駅前が標高300m、今日の最高到達点は1100m、3時間で標高差800mを登ったことになる。私のペースとしては、決して遅くはない。

何がいけなかったのか、歩きながら反省する。まず、朝起きたのが4時前で睡眠が十分でなかったこと。この歳で朝一番というのは、よほど体調がよくなければ無理だ。次に、登りで体調がよくなかったのに休めるところまでと歩き続けてしまったこと。体力の使い方は登り1/3、下り1/3、後の1/3はいざという時のためにとっておくというではないか。

登りでは11時前に通った左右開けた尾根を、1時半に通過。1時間かけて登ったところを40分で下りたことになる。ただ、体調は引き続きよくない。このまま麓まで着けるだろうか。相変わらず吐き気がする。ペースはなかなか上がらない。曲がりくねって下る坂道をひたすら進む。2時過ぎに、三ノ木戸方面との分岐の到着。

置いてあった丸太に腰かけて、ようやく一息つく。この頃から、何組かのグループに抜かれる。おそらく同じホリデー快速をめざしているのだろうから、ちょっと安心する。お社を抜け、生い茂った雑草を抜け、登山道入り口に着いたのは2時25分。2時間で登ったところを1時間半で下りた。あとは1時間で登った林道を50分で下ればいい。

標高600mくらいまで下りてきた頃、ようやく汗をかくようになり体調も持ち直してきたようだ。前を行くグループに続いて下りて行ったら、登りでは通らなかった羽黒三田神社の道だった。下りだから時間短縮になったけれど、登りだと傾斜がきついのでかえって大変だったかもしれない。それと、神社の境内で滑ってこの日唯一の転倒をしてしまった。

奥多摩駅到着は3時10分。ホリデー快速には余裕をもって座ることができ、温泉には寄らずそのままお茶の水まで乗って行った。その晩から、転倒して突き指した右手の中指から小指までが、ひどく痛んだ。その割に足は痛まなかったので、コースがきつかったのではなく体調が良くなかったのだろう。これは近々、再挑戦をしなければならない。


体調がすぐれず、今回はきつかったです。このあたりは息が切れて仕方なかった。

この日の経過
JR奥多摩駅 8:50
9:50 石尾根登山口 9:55
10:20 三の木戸分岐 10:25
11:55 十二天山(昼食) 12:50
14:05 三の木戸分岐 14:10
14:25 石尾根登山口 14:25
15:10 JR奥多摩駅

[Nov 18, 2013]