023 高水三山(御嶽回り) [Nov 23, 2013]


この図表はカシミール3Dにより作成しています。

石尾根に行った時に痛めた右手の突き指が意外と長引き、一か月経っても痛みが残っていた。右手をかばって左手でばかり荷物を持っていたら、今度は左肩が上がらなくなってきた。とはいえ、一年のうちでも一番いい時期に、山に行かないというのももったいない話である。そこで、それほどハードではない山に行くことにした。

時間的にも標高的にも、手頃なのは高水三山である。昨年夏に一度行ったけれど、惣岳山の直登で撤退して巻き道を行ったのだった。今回はここをクリアすることを目標に、JR御嶽から入って昨年とは逆回りすることにした。

この日は祭日で、小春日和の穏やかな日。かつ紅葉も見頃とあって青梅線は通勤時よりひどいラッシュだった。混むのが分かっていて増発しないJRも動きが鈍いが、人手不足の折柄プログラムの組み換えにも列車の手配にも手間暇がかかるのだろう。かといって車を使えば、行きはよいよい帰りは大渋滞必至である。

始発で来たのに、御嶽まで来るとすでに8時半近い。電車からはかなり大勢の人達が下りたが、ほとんどはケーブルカーへのバスに向かった。高水三山方面に向かうのは私の他に数人。ほとんど単独行である。今日は登山道もかなり混むことを覚悟していたのだが、お寺さんの脇から登り始めた頃にはほとんど人の姿が見えないのはありがたい。

前回の石尾根で体調が悪くなったことを踏まえ、前日は禁酒、睡眠時間は7時間確保、加えて朝の電車では読書はせずにずっと目を休めていた。リュックも水を入れて5.6kg、さらに軽量化した。その成果で登り始めの体調は悪くない。汗も盛大にかくので前回とは大違いである。昨年は下ってきたお寺の敷地内で転倒したのだが、どこで転んだのかと思うくらい楽勝で登れる。

1/25000地図の等高線の狭さからみても結構な急坂だと思うのだが、天祖山取りつきの急坂やら小雲取山、雲取山頂上直下の急坂を経験してきているので、それほどの負荷ではない。背中も軽いせいか、あまり休憩をとらなくても息が落ち着くのはありがたいことである。

鉄塔のあたりでいったん登りは終わり、沢井方面分岐までは下り坂。分岐をすぎると勾配はさほどではないが登り坂が続く。ところどころ紅葉している景色を見たり写真を撮ったりしてのんびり歩いても、1時間50分ほどで第一のピーク・惣岳山に着いた。

ここには式内社の青謂(あおい)神社がある。丸太のベンチで一休みしてこの日はじめてリュックを下して小休止。ところが、せっかくいい空気の中なのにきついタバコで周囲をいやな臭いにしているオヤジがいたので、7、8分の休憩で先に進む。ここからは、昨年途中であきらめた急勾配が待ち構えている。

この道は「関東ふれあいの道」のコースでもあるのだが、頂上の広場を下るとすぐに倒木が行く手を遮る。枝の間を通り抜けてしばらくは普通のハイキング道だが、すぐ後に右手が崖の狭い道となる。ここにはロープが付けられているが、使わなくても何とか進める。問題はロープが終わった後の、ほぼ垂直に見える急斜面である。

急すぎて、とても前向きでは下りれないので、後ろ向きに三点確保しながら慎重に下りる。足場はちゃんとあるが、足か大きいので全部は乗せられない。鎖がない分、丹沢表尾根の行者ヶ岳より怖いかもしれない。ようやく下まで降りてほっとひと息。ここから岩茸石山まではほぼ水平な尾根道である。


前回断念した惣岳山直下の急斜面。ロープ場を下から撮っています。


後ろ向きで下りてきた急斜面を撮影。去年は途中まで登ってあきらめて巻き道を行ったのでした。

岩茸石山までの道は、すれ違う人がたいへん多かった。まだ11時前なのに、逆回りコースで高水山、岩茸石山をクリアしたということは、7時頃には軍畑を出たのだろうか。ちょっと驚いたのは、朝の青梅線で見かけた人とすれ違ったときである。2時間半ほどで2山クリアして次に向かっているということである。大したものである。

40分ほどの道はほとんどが平らで、最後の300mほどだけが急な登りである。道もせまくて急なので、結構な渋滞になる。道を譲って待った時間がちょうどいい休みになって、余裕含みで11時10分に山頂に到着。昨年は霧の中を登ってきたので、前方には何も見えなかった。今年はみごとな好天に恵まれ、しかも風もない。

このあたりは奥多摩のとっかかりで、尾根続きに黒山、さらに棒ノ折山が間近に見える。棒ノ折山の向こうは埼玉県であり、この尾根は別名・都県境尾根とも呼ばれる。左手には川苔山が大きくそびえている。いつぞや下ってきた赤杭(あかぐな)尾根も見える。こうやって山と地図を見比べることも、前回の奥多摩石尾根では体調が悪くてできなかった。

展望が開けた山頂には、すでに何組かがお弁当を広げている。後続組もどんどん上がってくるので、混まないうちにとレジャーシートを広げる。このタイミングは絶妙で、この後20分くらいで空きスペースがなくなってしまった。この日のお昼は、くるみパンとコーヒー、ポテトサラダ、味噌汁である。今回は時間と重量節約のため、テルモスにお湯を入れて持参した。

ありがたいことに、朝5時に入れたお湯は十分に温かく、また日当たりがきわめてよかったので、寒く感じることもなかった。山頂が混んでいて平らな場所を確保できなかったので、その場でお湯を沸かすよりも手間と時間を節約できたと思う。

ポテトサラダは、最近充実しているセブンイレブンのお惣菜。本来は冷蔵なのだが、一晩冷凍してそのまま持ってくる。お昼にはほどよく解凍されているのではないかとの見通しであった。その目論見は大体当たったのだけれど、添加物の関係なのか、ちょっと水っぽくなってしまった。それでも十分おいしいので、次は別のお惣菜を試してみよう。

そうしているうちに、山頂が人でごった返してきた。景色も気候もよく長居したいのは山々だが、後の人がお昼を食べる場所がないのは気の毒なので、11時45分には出発する。この後、高水山に行くか上成木に直行するか決めていなかったが、静かそうな後者を選ぶ。山頂から北の尾根に下ると、上は騒がしいのだが道には人がほとんどいなくなった。


前回は雲の中だった岩茸石山からの絶景。左が川苔山、右が棒ノ折山。背後に続くのは都県境尾根。


広い岩茸石山の山頂。しかしこの後20分足らずで、お弁当組でいっぱいになってしまった。

岩茸石山の北の尾根は、いきなりの急坂である。あまりに急なので、ストックは使えない。ときどき手を使って慎重に下りる。この尾根は黒山から棒ノ折山へと続いているので、名坂峠までの間はすれ違う人がちらほらいる。ところが、名坂峠から谷筋に入ったとたん、人っ子ひとりいなくなった。結局バス停まで、誰とも会わなかった。

名坂峠は、東西南北に道案内がいっぱいである。そのまま直進する道は黒山、棒ノ折山に続くが、結構な急勾配が行く手に立ちふさがっている。いずれここも通らなくてはならないが、今回はここから右、「升が滝・上成木方面」に折れる。

いきなり、道の有無が明らかでなく、あまり人が通った形跡がない。登山道とおぼしき石段の上は苔だらけで、うかつに踏み込んだら滑ってしまいそうだ。石段以外の道も枯葉に覆われて、どこを通っていいかはっきりしない。誰も通らない道で単独行で、ケガでもしたらたまらないので速度が急に落ちる。時間に余裕をもって下りてきてよかったと思った。

それにしても、荒れた道である。最近の大雨のせいもあったのかどうか、流木が多く無残なありさまである。とにかく、足下を気にしながらの歩きなので、下りというのに速度が出ない。この道は観光協会のハイキングモデルコースにもなっているのだが、主要登山道以外は極端にひと気がなくなるのが最近の傾向のようである。

ようやく普通のハイキングコースに出たのは1時10分前。なんとここの下りに1時間以上かかってしまった。高水山を経由するより早く着くだろうと思っていたのだが、むしろ時間がかかるかもしれない。ここから先、切り岩、かご岩、升が滝と見どころがあるが、駆け足で通過する。バスの時間が1時55分だから、急がなくてはならない。

うろ覚えのWEB記事では、升が滝から登山道入り口まで20分、そこからバス停まで20分の合計40分だったはずである。升が滝を出たのが1時10分、55分のバスに乗るにはほとんどぎりぎりである。すぐに水道局の取水所があり、浄水場の建物の先が登山道入り口だった。なんとか間に合いそうだ。

ところが、ここからバス停までが長かった。舗装道路で下りなので速足で歩けるものの、なかなかゴールが見えてこないのであせる。だんだんと人家が増えてきて、左手に埼玉県に抜ける峠道が現れるともうすぐバス停である。なんとか、5分前に上成木のバス停に着いた。

このバスは直接河辺に出られるので、以前からこの路線は使えそうな気がしていたのだが、実際に乗ったのは今回が初めてである。上成木で乗り遅れると悲しいことになるが、乗ってしまえば河辺は青梅より立川寄りなので帰り電車の本数が多い。そして、立ち寄り温泉「梅の湯」でひと息つくことができる。奥多摩の「もえぎの湯」よりキャパが大きい。

この日は天候にも恵まれ、コースもさほどハードではなく、お昼もおいしく食べられたし帰りに温泉にも入れた。こんなにすんなりと予定通り進むことも珍しい。まあ、たまにはこういうこともあるということで。


岩茸石山から上成木への谷道は、倒木あり岩は滑るしで、結構荒れてました。誰も通ってないし。


升が滝。時間がないので、写真を撮ったらすぐに先を急ぐ。

この日の経過
JR御嶽駅 8:25
9:10 沢井分岐 9:15
10:15 惣岳山 10:25
11:15 岩茸石山(昼食) 11:45
13:30 登山口 13:30
13:50 上成木バス停

[Dec 25, 2013]