009 国会議員の品格 [Sep 23 ,2006]

この間から、通勤に使っている都営新宿線のつり革に、東京三菱UFJ系列の消費者金融会社モビットが宣伝のネクタイのようなものを貼り付けている。竹中直人が異常に長いネクタイをして、「ご利用は計画的に」とCMしている会社なので、ご存知の方もいるかもしれない。先週は、ついに都営浅草線にも登場した。なんとも、品がない広告である。紙の宣伝媒体で十分であろうに、再生紙にすらならない化繊を使っている。原油高の現在、資源の無駄使い以外の何物でもない。

ちょうどそれと軌を一にして、金融庁がグレーゾーン金利を温存した法案を準備中と報道されている。グレーゾーン金利とは、利息制限法には抵触するが出資法には違反しない範囲の高金利のことで、いわゆる高利貸のひとたちの貸付業務のことである。

今回の法案ではこれを引き続き(一定期間ではあるが)認めようというものである。その理屈がふるっていて、「この金利での貸付ができないと、小口金融を受けられなくなる層が出てくるので、猶予期間を置くことが望ましい」ということである。全くお笑い種である。

融資先というのは、本来返済することを前提に取引すべきもので、利息を高くすればそれだけ返済することは困難になる。だから、みんなが利息制限法の範囲内の利息で貸せばいいのだが、それをしないのは、その方が商売になるからである。

通常の金利で借りられない層というのは多重債務者など訳ありの人が多いから、そういう人に貸す業者というのは、それなりのノウハウ(回収の手段)を持っていることと、もう一つ、貸倒れは損金として落とせることを前提に商売をしている。

つまり、法律ぎりぎりの高金利で利息がとれればしめたもの、取れなければ親兄弟や保証人やその他諸々の手段(生命保険とかね)で回収する。できなくても損金で落とせばその分税金を払わなくてすむ、というよりは、余計に税金を払うくらいなら貸し倒れる可能性が高くても貸してしまえというメンタリティがあることは想像に難くない。

最初にあげたモビット(ここは利息制限法の範囲で商売しているが)も考え方の根底は同じで、せいぜい金利5%で仕入れたカネを15%で貸して大儲けしているものだから税金がたいへん。余計に税金を払うくらいだったらカネをかけて広告し利益を下げてしまおうという考え方である。

もちろん、彼らも民間人だから、税金をなるべく払わないですませたい、法律・制度の許す範囲で利益を小さくしてしまおうと考えても仕方がない。しかし、税金で生活しているはずの国会議員らが、自分達が献金を受けているからといって、税金を払わないですませようという団体の利益を代表するというのは、電車の中のネクタイ広告と同じくらい品がない。

その意味では、この法案に反対して政務官を辞任した水野真紀の亭主は、さすが後藤田一族というだけのことはある。

[Sep 23, 2006]