016 中国の経済成長と地球温暖化について考える [Oct 9, 2007]

この間マカオに行った時、広州国際空港から珠海を経由して現地入りしたのだが、その際バスから見ていて驚いたのは、広州でも、珠海でも、経済成長により高層マンションがどんどん建設されていたことである。あちらは地震が少ないので、例の竹の足場で30階建て40階建てのマンションなど平気で作ってしまう。そして、そのそれぞれの窓の外には、エアコンの室外機が備え付けられているのである。

それを見て思い出したのは、昔住んでいた総武線沿線のマンションである。ここは、総戸数が約500あって当時としては大規模な分譲マンションだったが、造りが古くて、12棟ある建物のそれぞれに最大アンペア数の制約があった。だから、各家庭のアンペアも最大40Aまでという管理組合の規則があるのだけれど、たかだか40Aだから各部屋(標準で3LDK)にエアコンを付けるとすればこれでは足りない。

だからそういう人はこっそり東京電力に電話して50Aとか60Aに上げてしまうのだが、みんながそれをやった日には棟全体のブレーカーが飛んでしまうので、そういうことを見つけると下げろといいに行くのが管理組合の役員の仕事だったのである。実はくじ引きで役員に当たってそういう仕事があまりにも嫌なので年度途中で引っ越してしまったのであった(他にも滞納者の対応とか管理会社とのやりとりとか、修繕とかいろいろ)。

その時思ったのは、仮にも分譲マンションである以上、各部屋にエアコンを付ける自由くらいあっていいはずであるし、それぞれの家に事情があるのだから、一律に40Aなんて決めてもできないという家だってあるかもしれない(3世代で住んでたらどうするとか)。そして最初の購入者はそれを納得していたとしても、半分以上の家が売って引っ越しているのだから、後から来た奴が偉そうに言うななどと思っていては、納得は得られないだろうということであった。

そういうことが、地球温暖化についても言えるのではないだろうか。いま、発展途上国とされている国々の多くは「暑い」地域にある。そして今まではエアコンもなく過ごしてきたのだけれど、経済成長すれば当然快適な生活がしたいだろう。だとすれば、雨風にびくともしない頑丈な気密性のある家に住んではいけないだとか、住んでもいいけれどエアコンをつけるななどということが、誰が何の権利があって言えるのか、ということである。

みんながエアコンをつければ、いまのところ化石燃料(石炭・石油)を燃やして電気を作らなくてはならず、それは二酸化炭素の排出を経て地球温暖化を進めざるを得ない。地球温暖化を防止しようということは、経済成長しつつある人々に対して、快適な生活を送るなということを意味する。みんなで知恵を出し合ってとかいうきれい事が日本人は大好きだが、みんなで考えてもどうしようもないことはある。

わたし的には、それを止めることができるのは市場しかないと考えている。化石燃料や電力の値段が大幅に値上りして、食べるものと快適な生活と両方は選べないということにならない限り、二酸化炭素の排出量は下がらないものと思われる。

[Oct 9, 2007]