045 マイダナ、プロナーを撃破 [Dec 14,2013]

WBA世界ウェルター級タイトルマッチ展望(2013/12/14、米テキサス・アラモドーム)
O エイドリアン・ブロナー(米、27戦全勝22KO)1.18倍
マルコス・マイダナ(アルゼンチン、34勝31KO3敗) 5.8倍

年末恒例のWOWOWエキサイトマッチ・ベストファイト投票。昨年はパッキャオvsマルケスⅣで決まりという感じだったが、今回は熱戦が少ない。おそらくメイウェザーvsカネロが1位になるのだろうが、個人的には?マークがつく。迷った末に「その他の試合」から、ブラッドリーvsプロボドニコフに投票した。私のいいと思う試合はあまり上位に来ないことが多い。

さて、今年最後のビッグファイトである。展開次第では今年のベストファイトになるかもしれないが、全く盛り上がらない試合になる可能性もある。熱戦の確率としては、セミファイナルで行われるキース・サーマンvsヘスス・ソト・カラスの方が大きいかもしれない。

オッズが大きく離れていても仕方ないと思わせるのは、マイダナは過去、デボン・アレクサンダーに完封されているからである。打ち合いに持ち込めればアミール・カーン戦のようにいい試合ができるけれども、足を使ってアウトボクシングされると手も足も出ないというのがマイダナなのである。

今回はアレクサンダーやコテルニク以上にテクニックのあるブロナーである。ジャブで距離を取られ、器用にポジションを変えられた場合には、マイダナには対応できない可能性が大である。また、決して打たれ強くない点もウィークポイントである(特にボディ)。体格的にも、それほどアドバンテージはないと思われる。

かたやブロナー。ライト級は1戦だけで、1階級飛ばしてウェルターに上げた。前の試合ではポール・マリナッジにスプリット・デシジョン。1階級飛ばしたツケを払わされたようだが、マリナッジもザブ・ジュダーに勝ったくらいだからそれほど弱くはなかったということかもしれない。

ただ、ハットンやアミール・カーンがKOしているマリナッジを倒すどころか、ダウンに近い状態さえ作れなかったのは、ウェルター級へのフィットに向けて課題を残したことは確かである(今週放送されたホプキンス戦をみると、増量しているようだ)。もう一つ気になったのは、決して強くはないマリナッジの連打に手こずっていた印象が強かったことである。

マイダナはマリナッジと比べて手数が少ないので、ブロナーにとってやりやすいと思われるが、例によって足を止めてボディワークだけでパンチを交わそうとした場合にまともにもらえば、あっと言わせる場面がないとはいえない。

ブロナーがあまり相手をナメずに慎重に戦えば、判定勝ちはほぼ確実である。むしろ強打のマイダナをどのように捌くかに注目したい。この試合はWOWOWでライブ配信される。TV中継は月曜9時のタイムリー・オン・エアである。

 

WBA世界ウェルター級タイトルマッチ(12/14、テキサス)
マルコス・マイダナ O 判定(3-0) X エイドリアン・ブロナー

私の採点では114-111でマイダナ。ネットの画像では分かりにくいところもあったものの、年間最高試合を争う激戦だったと思う。難を言えば、どちらの長所も出たというよりも、どちらの短所も出た結果、激戦となってしまったという印象である。

ブロナーの敗因は予想記事に書いたとおり、相手をナメて戦ったことである。そもそもマリナッジとやった結果がウェルター級には今一つフィットしていないというものだったのだから、少なくとも相手のパンチをもらわないようにするなり、攻めを重視するにしても相手を倒し切るまで攻めなければならない。今回の試合はどちらも中途半端だった。

2度のダウンのうち、2Rのダウンは相手をナメすぎだし、8Rのが効いたとすれば打たれ弱いといわざるを得ない。こちらの方はフラッシュ・ダウンかと思ったが、頭突きをアピールして休んだところをみると効いていたということだろう。つまり、ウェルター級の攻撃に耐えるだけの耐久力がなかったということである。

終盤では採点が競っているか、あるいは若干不利ということは分かっていたはずなので、11、12Rで倒し切るか、少なくともダウンを奪うくらいのことはしなければならなかったのに、マイダナに左フックを相打ちされるといっぺんに攻撃が止まってしまった。マリナッジ戦と同様、このクラスの体力を持つ選手は現時点では倒し切れないのである。

先日のホプキンス戦で見たときに、変な太り方をしているのが気になった。ライト級から直接ウェルター級に上げた先輩であるシェーン・モズリーが、じっくり調整して体を作ってきたことでみごとにシェイプアップされていたのとは大きく異なる。全体に手数が少ないのも気になった。以前にウェイトオーバーでタイトルはく奪ということがあったことをみても、生活面で節制が足りないのかもしれない。

とはいえ、素質がある選手であることは間違いないので、今後もウェルター級でやっていくならばビッグマッチの相手には事欠かない。もしかすると、負けたことがかえって有利に働き、デボン・アレクサンダーとの敗者復活戦とか、仮想メイウェザーとして一気にパッキャオなんてマッチメークがあるかもしれない。

一方のマイダナ。今回の激闘を勝ったのは立派だが、残念ながらこれまでの試合より伸びているようには思えなかった。きつい言い方をすれば、ブロナーが勝手に転んでくれたようなもので、テクニックのある相手に対する打開策を見出したとはいえない。デボン・アレクサンダーとやったら、今でも完封されてしまうだろう。

この日のセミファイナルで勝ったキース・サーマンとのWBA王座統一戦が考えられるが、現時点ではサーマンのネームバリューが足りないので、もう少し名前のある相手との試合になりそうだ。アミール・カーン再戦、ビクター・オルティス再戦、ブランドン・リオスなど噛み合いそうな相手とやれば好試合は間違いない。個人的には、プロボドニコフ戦を希望したい。