028 ドネア、劇勝! [Apr 16, 2011]

WBC/WBO世界バンタム級タイトルマッチ展望(2/19、米ラスベガス・マンダレイベイ)
フェルナンド・モンティエル(メキシコ、44勝32KO2敗2引分け) 2.6倍
O ノニト・ドネア(フィリピン、25勝17KO1敗) 1.4倍

長谷川がもしモンティエルに勝っていれば、ドネアとラスベガスで戦えたのかもしれないと考えると非常にもったいない。ショータイムのバンタム級トーナメントも、WBAの決定戦を勝った某正規王者も、この1戦の勝者を差し置いてバンタム級最強は名乗れない。

この2人同様に下のクラスから上げてきたダルチニアンが、バンタム級では体力の壁に苦しんでいる。フライ級の相手なら一発で倒してきたパンチもバンタム級には通用せず、押し合いになると体力を消耗するのはダルチニアンの方である。その点ドネアがどうなのか非常に気になるところである。

結論をいえば、ドネアはバンタム級も苦にしないとみている。まず第一に、ダルチニアンが変則ファイターであるのに対し、ドネアは生粋のパワーファイターである。ダルチニアンのパンチは角度やスピードで相手を翻弄してきたが、ドネアの場合はまさに力ずくなのである。現実に、シドレンコを圧倒して通用するという証拠を示している。

ただドネアにも死角がない訳ではない。相手のパンチを無造作に受けてしまう傾向があることである。幸い、ダルチニアン戦以降で本当のハードパンチャーと戦っていないが、攻めにばかり気を取られて一瞬のスキを突かれれば、危ない場面があるかもしれない。

その意味で、モンティエルというのは非常に怖い相手である。長谷川を一発KOに仕留めたシーンは記憶に新しく、相手がドネアであっても看板で負けることはない。

それでもドネアを推すのは、体格差が一番の理由である。二人とも下から上がってきているが、モンティエルの方が背もリーチもやや下回っている。つまり、ドネアの攻勢をかいくぐってカウンターを決めなくてはならないのである。

そして長谷川のように一発で決まってしまえばいいのだが、おそらくドネアは一発では止まらない。モンティエルのカウンターにひるまず、二の矢三の矢と攻勢を強めるはずである。そうなると、体格で劣勢なモンティエルには苦しい展開となる。

 

WBC/WBO世界バンタム級タイトルマッチ(2/19、ラスベガス)
ノニト・ドネア O TKO2R X フェルナンド・モンティエル

早くも今年最高のKOシーンといってもいい試合で、ドネアが3階級制覇を果たすとともに、名実ともにラスベガスでメインイベントを張れるビッグマネーファイターに仲間入りした。

2007年にビック・ダルチニアンをKOして世界戦線に飛び出したドネアであるが、その後ダルチニアンがビッグファイトに恵まれた一方で、必ずしも世界最高クラスの舞台に立った訳ではなかった。これは、フライ~バンタムという米国では売り出しにくいクラスであることが一つと、もう一つは強すぎて相手から避けられたということが大きな要因であったと考えられる。

今回も、マンダレイベイという大きな会場でやや空席が目立ったことや、HBO、Showtimeの大手PPVが付かなかったことから、先週末現在のドネアの人気が世界トップクラスではないことが窺われた。とはいえ、前回のシドレンコに続き、今回モンティエルにこれだけ鮮やかなKO勝ちを飾ったことから、今後はMGM、マンダレイベイといった大箱を満席にすることは十分可能であろう。

試合自体は、1Rからドネアがパワーで圧倒しており、モンティエルがどのように巻き返すかというところを、左フックの一発で決めた。しかも、モンティエルの右をよけずにそのまま強烈な左をかぶせたもので、モンティエルにパンチがないならともかく、なかなかああいう芸当はできない。そういえばダルチニアン戦も、強打のダルチニアンのパンチに全く腰が引けていなかった。相当自分の打たれ強さに自信があるのだろう。

試合後のインタビューではしばらくバンタム級で戦うと答えていたが、残念ながらバンタム級でまともに相手できる選手はいない。アグベコやマレス、ダルチニアンではいまやミスマッチになりそうで、ビッグマネーファイトにはなりそうにない。

現時点で勝負になりそうな相手としては、フェザー級のガンボア、ファンマ・ロペス、スーパーバンタムのリゴンドーくらいしか思い浮かばない。西岡には期待したいが、残念ながらファイトマネーで折り合いそうにない。スティーブ・モリターやバスケスJr.を破って統一王者となって待つくらいでないと、なかなかチャンスは来ないだろう。