026 大毅vs坂田! [Sep 25, 2010]

WBA世界フライ級タイトルマッチ展望(2010/9/25、東京ビッグサイト)
亀田 大毅(17勝11KO2敗)
O 坂田 健史(36勝17KO5敗2引分け)

先週のダブル世界戦を含めて、この秋日本で多くの世界戦が行われるが、欧米のブックメーカーでオッズが出ているのはただ一つ、西岡vsムンローだけである(西岡が1.3倍のFavorite)。この試合も、現チャンピオンと元チャンピオンの対戦だというのに、世界的な注目度は残念ながらほとんどない。

ロレンソ・パーラ、ロベルト・バスケスに勝っている坂田の実績は、現チャンピオン大毅より明らかに上である。ただ、内山と同じ30才(来年1月に31)とはいえ、すでに12年のキャリアがあり、さほど器用なボクサーではないので打たれ続けた疲れもたまってきている。デンカオセーンにKOされたのは、明らかにその影響が出た。

だから今回の試合も、若い大毅のクリーンヒットをもらって早いラウンドでのKO負けという可能性も、3割くらいはあると思う。まして大毅は、内藤ともデンカオともフルラウンド戦っているように、打たれ強くてスタミナがある。もちろん減量はきついだろうが、過去3度フライ級で戦っているので、体は作ってくるはずである。

とはいえ、順当なら坂田の勝ち。大毅の武器は基本的にフックであり、坂田がデンカオ戦の二の舞を踏まなければ、まともに被弾することはない。そして坂田のような細かく正確な連打は、亀田兄弟が苦手とするのではなかろうか。興毅より足がない大毅は、打ち合いに持ち込まれることになるだろう。後半大毅の手が止まって、坂田判定勝ちと予想する。

 

WBA世界フライ級タイトルマッチ(9/25、東京)
亀田大毅 O 判定(3-0) X 坂田健史

後半手が止まるのは大毅と予想していたが、手が止まったのは坂田だった。私の採点も116-112、しかも坂田寄りに付けてこのスコア。ジャッジの一人は118-110としていたが、これもあり。判定は文句ないだろう。

もちろん、坂田が受けたバッティングの大きな負傷が影響したことは間違いないが、それよりも大きかったのは左右のフックを再三にわたりまともに被弾したことだろう。大毅は足も使って距離をおき、坂田の打ち合いペースに巻き込まれなかった。その点、大毅の成長は認めざるを得ない。

坂田のセールスポイントは細かい連打が止まらないことである。その前提となるのは、相手の大きなパンチを食わないということであり、つまりディフェンスがしっかりしているということであった。ところが、デンカオ戦の前あたりから相手のパンチをまともに食らうようになった。この日も、その弱点を突かれるおそれはあるとみていた。

その点は坂田も気をつけていて、1~2Rはポイントを取られることを承知でゆっくりスタートした。ところがバッティングで受けた傷が深く、多分負傷判定に持ち込まれることを想定したのであろう、かなりのハイペースで前に出始めた。いつもより振りが大きく、その打ち終わりに左フックを合わされてしまった。

中盤では右目もヒッティングで切り、両目とも見えづらくなった坂田が明らかに失速した。接近して細かいパンチがノンストップで出続けるはずの坂田が、自らクリンチに行くのは悲しい場面だった。その意味で最大の敗因は、歴戦の疲れが蓄積したということになるだろう。少なくとも世界レベルの相手の現役続行は難しいと思われる。

さて、減量苦からタイトル返上が濃厚な大毅、すでにそれを見込んで、暫定チャンピオンであるルイス・コンセプションの次の防衛戦は、デンカオセーン相手に10月に行われる。大毅のタイトル返上がいつになるかが微妙だが、おそらくこの勝者が正チャンピオンに昇格しそうだ。清水、久高といった世界上位ランカーのチャンスは、なかなか巡ってきそうにない。