032 メイウェザーvs オルティス [Sep 17, 2011]

WBC世界ウェルター級タイトルマッチ展望(2011/9/17、ラスベガスMGMグランド)
ビクトル・オルティス(米、29勝22KO2敗2引分け) 6.00倍
O フロイド・メイウェザー(米、41戦全勝25KO) 1.14倍

異次元の強さを持つメイウェザーが約1年半ぶりの試合。形としてはオルティスに挑戦することになるが、オッズが示すとおり実際の王者はメイウェザー。最近パッキャオに人気面で差をつけられており、この試合もパッキャオ・マルケスⅢと比べて注目度は低いが、相変わらずの強さをみせられるかどうか。

オルティスは前回の試合でアンドレ・ベルト相手にupsetでタイトルを獲得。余勢をかってメイウェザー攻略を目指す。何といってもまだ24歳という年齢は魅力で、12R圧力をかけ続けることができれば34歳のメイウェザーが失速することがあるかもしれない。

メイウェザーがここ10年で最も苦戦したのは、デラホーヤとホセ・ルイス・カスティージョ。デラホーヤはウェイト差が主な要因だったが、カスティージョの場合は終始プレスをかけられ続けていた。カスティージョと比較するとオルティスは手数と打たれ弱さの点でやや劣るが、そこを若さとスタミナでカバーできれば面白い。

かたやメイウェザー。こちらは年々試合間隔が開く中で、従来の動きを維持できているかどうかがポイント。かつてスーパーフェザーの王座に並立していたコラレス、カサマヨル、フレイタスが一線を退いた中(コラレスは死去)、メイウェザーも決していつまでも若くいられる訳ではない。

とはいえ、最近の試合ではほとんど被弾することもなく、体にダメージを受けていることはない。シェーン・モズリー戦では一発いいのをもらったが後は試合を支配できており、極端な衰えがない限りアウトボックスするだろう。パッキャオとの最終決戦に向けて、技術の違いを見せつけるはずだ。

メイウェザーの判定勝ちを予想。このあたりのクラスになると、KOまでは難しいとみる。

 

WBC世界ウェルター級タイトルマッチ(9/17、ラスベガス)
フロイド・メイウェザー O KO4R X ビクトル・オルティス

出張でしばらく映像が見られず、昨日ようやくWOWOWのVTRを見ることができた。

結末については現地でもいろいろ論評されているが、メイウェザーの言うとおり遅かれ早かれKOできたことは確かなように思われた。オルティスはメイウェザーを相手にするにはガードが甘く、しかも打たれ弱い(マイダナ戦も、結局打たれ強さの差が勝敗を分けた)。3Rまでにかなり痛めつけられたような印象を受けた。

そもそも、ラウンド開始のゴングが鳴ってから終了のゴングが鳴るまでは、戦闘態勢になければならない。リング上でパフォーマンスすることはもちろん、やたらとグローブを合わせたりバッティングやローブローでいちいち謝ることは、不要なだけでなく今回のような結果を招く危険性がある。

レフェリーはルールに則った試合を行うことと、選手の安全管理に責任を持つべきではあるが、戦っている選手は相手に対する安全管理の注意義務はない。スポーツマンシップというのはあくまでマナーの問題であって、ラウンド中であってレフェリーが制止していなければ、選手が相手を殴るのに躊躇する必要はない。

だから個人的にはメイウェザーのKO勝ちに全く異議はないのであるが、さてメイウェザーの力に衰えがみられないのかという点では、やや首をひねるところがある。

もともとメイウェザーのボクシングは横着であり、瞬間的に素晴らしい動きをする以外は相手に打たせて当たる寸前で見切ってかわすという戦法をとることが多かった。ところが今回は、オルティスの体格ということもあったのかもしれないが、足を止めてまともに打ち、早めにダメージを与えてしまおうという姿勢がみられた。

一方でオルティスに攻められる場面では、まともにもらうことはなかったにせよ、勢いに押されるような場面もみられた。そもそもメイウェザーは、相手の頭すら当てさせないディフェンスができたはずなのである。その意味では、もしかするとメイウェザー自身の全盛期は過ぎてしまったのではないか。

もちろん、ディフェンス力が落ちた点は攻撃力のアップで埋め合わせるというのならば、それはそれで今後の展開が非常に楽しみではあるのだけれど、さて今回の出来でパッキャオと戦った場合、間違いなく勝てるとはいえないような気がする。確率的にいうと、先月までは90%メイウェザーといえたのだが、60%くらいに下がったというのが今回の戦いをみた印象である。