067 GGG・ロマゴン、3回目の競演 [Apr 23,2016]

WBC/IBF/WBC暫定統一ミドル級タイトルマッチ展望(2016/4/23、米イングルウッド・フォーラム)
O ゲンナディ・ゴロフキン(34戦全勝31KO)1.04倍
ドミニク・ウェイド(18戦全勝12KO)21.0倍

ゴロフキン、ロマゴンが3度目の競演である。長らく続いたメイウェザー、パッキャオの時代から、この2人がボクシング界の中心になっていくのだろうか。それとも、本場メキシコのスター、カネロ・アルバレスが人気ではやはり上なのだろうか。1週おきに彼らが登場する4~5月はその点でも注目される。

GGGの試合を見ていると、体格的に圧倒している訳ではないし、接近するまでに結構打たれるところはあるし、絶対的な安定感があるかというとそうでもない気がする。ただ、実績的には全勝かつ連続KO防衛を続けているから、現時点においてミドル級最強でありP4Pでもトップを争う存在であることは間違いない。

ミドル級といえば、かつてのカルロス・モンソン、マービン・ハグラーといった名王者がいたし、近年においては、ロイ・ジョーンズJr.、バーナード・ホプキンスが双璧である。それらの王者と比べた場合、GGGのボクシングには穴がある。

接近してパワーパンチを打ち込んでしまえば強いのだが、徹底して距離を置かれた場合や、先にパワーパンチを打ち込まれた場合どうなのかということである。だから、全盛期のロイ・ジョーンズとやったらやはり敵わないように思うし、同じく全盛期のハグラーのパンチに耐えられたかどうか。

その意味では、現在のミドル級にはGGG以外に真の強豪がおらず、ライバル不在のままひとりゴロフキンが突っ走っているというのが本当のところかもしれない。他団体王者でさえ、実質スーパーウェルターのアルバレスや、ダニエル・ジェイコブス、ビリー・ジョー・ソーンダースではちょっと相手にはならないのである。

さて、今回の相手であるドミニク・ウェイド、GGG同様に全勝であるものの、戦ってきた相手は一人を除いて世界的な選手はいない。その一人が前の試合で判定勝ちしたサム・ソリマンである。

それもスプリット・デシジョンの接戦で、boxrecのレビューを見ると手を出しているのはソリマン、有効打はウェイドといったスタッツである。まあ、ロバート・バードがジャッジして95-94だから、わずかに優勢ではあったのだろう(プッシュ気味ではあるが、ダウンを取っている)。

まあ、ソリマンは誰とやってもしぶとい試合をするし、そのソリマンにとにかく勝っているのだから、全く希望がない訳ではないかもれない。しかしオッズは圧倒的である。ダニエル・ゲールもマーティン・マレーもあっさりKOしているGGGが再びKO防衛という可能性はかなり大きいものの、体格的な優位を生かせば粘る展開があってもおかしくはない。

アンダーカードのロマゴンの相手はマクウィリアムス・アロヨ。あのアムナット・ルエンロンにタイで1-2判定負けだから、実は押していたのであろう。ただ、このあたりのクラスで1年のブランク開け、しかもいきなりロマゴンというのはどうなのだろうか。エンジンがかかる前につかまってしまう可能性が大きい。

ロマゴンはメイウェザーを超える50連勝が目前であり、そのあたりで井上戦ということになるのかもしれない。その頃には井上はバンタムに上げているだろうから、そうなるとチャンスがなくはないと思う。

 

WBA/WBC/WBO世界ミドル級タイトルマッチ(4/23、イングルウッド・フォーラム)
ゲンナディ・ゴロフキン O 2RKO Ⅹ ドミニク・ウェイド

試合前の予想ではウェイドの経験の少なさを心配したけれども、まさにそういう試合になった。おそらく、1R中盤にたたらを踏んでしまった場面から後は、自分の思うように体が動かなかったのだろう。言ってみれば、100km/hの球ばかり見ていたのに、いきなり150km/hが飛んできてしまったようなものであった。

ゴロフキンが打ちに行ってガードがおろそかになるのはいつものこと。まともに連打されても持ちこたえるから、今日ぐらいはご愛嬌といったところか。インタビューでカネロのことを聞かれて、「どちらが勝つか分からないが、自分はチャンピオンなので、誰とでも戦う」と言っていたところをみると、カネロは自分とはやらないだろうと思っているのかもしれない。

ウィルフレッド・ゴメスの17連続KO防衛まであと2つだが、いまのミドル級で止められそうな選手はいない。勝てないけれども判定ということであれば、エリスランディ・ララが最も可能性があるような気がするが、ちょっと体が小さいか。

WBC世界フライ級タイトルマッチ(同)
ローマン・ゴンサレス O 判定(3-0) Ⅹ マクウィリアムス・アロヨ

私の採点では117-111で3つアロヨに与えた。アロヨは非常にいい選手で、アムナットと相手地元でスプリットデシジョンに持っていくだけのことはある。前にロマゴンと判定勝負になったファン・フランシスコ・エストラーダともいい勝負をするだろうし、井岡よりも全然強い。

ただ、今回ゴンサレスが判定まで持ち込まれた要因のひとつに、あまりカウンターが巧くないということがあるように思う。アーサー・アブラハムほどではないがロマゴンも攻防分離の傾向があり、相手が攻撃している間はガードしているので手が出ない。今回のアロヨは打ち終わると足を使ってロマゴンの射程圏外に脱出していたので、つかまりそうな場面もあまりなかった。

それでも、ロマゴンの7割くらいのパンチが、アロヨの目いっぱい打つパンチよりも効果があったようだから、フライ級までならロマゴンの無敵は続くだろう。とはいえ、クラスを上げるごとにロマゴンの破壊力が相対的に落ちてきているような気がするので、フライより階級を上げるのはあまりよくないような気がする。