089 出張ついでのお寺回り~せいうち日記87 [Feb 15, 2016]

1月の終わりに大阪出張があった。会社のカネで遠出ができる機会も残り少なくなったので、足を伸ばして法隆寺のあたりを歩いてきた。

法隆寺周辺を前に歩いたのは、四十年近く前、大学生時代のことである。当時は京都・奈良の仏像に興味があって、その時は法隆寺を見た後、中宮寺、法輪寺、法起寺とお参りさせていただいた。法隆寺は数年前にもお参りしており、その際に釈迦三尊にも百済観音にもお会いしてきたので、今回は法隆寺以外の3寺と、藤ノ木古墳に行くことにした。

一月の後半は天気に恵まれなくて、予定していた週末も雨がぱらついて寒くなった。予報では西から天気が回復することになっていたが、こればかりは行ってみなければ分からない。家を出る時は真っ暗で何も見えなかったけれど、伊丹空港を下りると真っ青な青空、風もなく空気も暖かく、穏やかな絶好のお散歩日和になったのには驚いてしまった。

伊丹から奈良に直行するリムジンバスもあるのだが、荷物を預けなければならないのでいったん難波に向かう。南海難波のコインロッカーに荷物と革靴を置いて、スポーツシューズに履き替える。法隆寺方面には、JR大和路快速が便利である。少し歩いてJR難波へ。

この駅は昔、湊町駅といって関西本線の始発駅ではあったのだけれど、当時はターミナル駅として整備されてはいなかった。現在は、ビルに囲まれた近代的な施設となっているが、昔は、路地ひとつ入ると何があるか分からないような微妙な地域であった。もっとも、それは大阪南部全体に言えることである。

ちょうどホームに停車していた大和路快速に乗る。今宮、新今宮と止まって次は天王寺。大阪下町の風景が広がる。JR幹線の駅前に「福祉アパート」なんて書いてあるのは、大阪ならではである。王寺を過ぎると各駅停車。法隆寺の次の大和小泉で下りる。ここから斑鳩に向けて、富雄川に沿って西に向かって歩く。

電柱の住居表示をみると、大和郡山市と書いてある。近鉄郡山駅は薬師寺・唐招提寺のある西の京から2つ目だから、意外と奈良からは近い。国道25号に突き当たったので右に折れる。やがて「斑鳩町」の表示が出てきた。

なにより、風もなく暖かでコンディションがいいのはありがたい。そういえば、四十年前に歩いた時は雨降りで、大層つらい歩きだったことを思い出した。あの時はまだ20歳前後だったから生まれて20年、今回は60歳間近だから、あと生きていられるのが大体20年。人生の対照的な時期に歩いているんだなあと妙に感激する。

国道25号は四十年前にも通っているはずだが、景色には全く覚えがない。とにかく寂しくて交通量のない道路だったような気がするのだけれど、目の前の道は賑やかで、ひっきりなしに車が行き来している。過ぎた日々は戻ってこないし、現実にあるのは目の前にあるものだけなのだと改めて思う。

 


大和路快速で大和小泉まで。そこから富雄川に沿って進み斑鳩町に入る。前の日も次の日も寒かったのに、この日はぽかぽか陽気。


おだやかな1日。これから法起寺に向かいます。

[Feb 15, 2016]