093 カウントダウン~せいうち日記93 [Jun 16, 2016]

6月も半ばとなり、単身赴任生活を切り上げる時期まで1ヵ月を切った。こういう状況は今月限りなので、いまのうちにリアルタイムの心境を書いておくのもいいだろうと思って書いている。

考えてみると、自分でごはんを作って掃除・洗濯をしてゴミ出しをして、着替えて戸締りをして出勤するという生活は、奥さんが出産のため里帰りしていた時期以来のことなので、かれこれ30年以上振りのことである。逆に言えば30年そういうことをしないで暮らしてきた訳で、いきなりそれができた(かなり疲れたものの)というのは、我ながらなかなかやるじゃないかという気がしている。

もっとも、海外旅行をしたり長期出張をしたり、山を歩いたりしているものだから、自分のことを自分でやる習慣が全くなかった訳ではない。それでも、月単位でということはなかったから、それなりに意味があったということだろうし、老後に向けて自力で生活してみるということは大切なんだろうと思う。

ただ、そもそもの話として、家族がある以上は本来、「単身赴任」をするものではないといまでも思っている。今回は短期間で終了する予定だったし、距離的にも毎週末帰ってくることが可能だったからそうしたけれど、人生何があるか分からない。年齢的に体調の変化が急に訪れて不思議ではないし、そうなった時に3時間半離れていたら何もできないに等しい。

とはいえ、住み慣れた一軒家から3部屋しかないマンション(アパート?)の一室に引っ越すというのは、精神的肉体的に負担が大きい。自宅にいれば鳥の声しか聞こえないのに、国道沿いの社宅では朝早くから夜遅くまで車の騒音がずっと続き、窓を開けておくこともできない。昼間は会社に行っている亭主はともかく、家族は一日家にいるのである。家族赴任は現実的でない。

だから、いまさら「バカ会社」に何を言ってもムダなのだけれど、本来は住む場所を自分で選んで、そこで家族で生活して会社にも通うというのが本当なのである。会社で部屋を確保して借上げ社宅にして、安い家賃で住ませてやるからありがたく思えなどというのは、はっきり言って大きなお世話である。

もう26年も前のことになるが、合併のごたごたもあって最初の会社を辞めた時のことを思い出す。

その時も、このまま残っていたら体かメンタルかあるいはその両方を壊すに違いないという確かな予感があった。難破しそうな船からは、港にいる間にネズミが逃げ出すという。ネズミだって住み慣れたねぐらがいいに決まっているが、海の上で沈んだら助かることはできないのである。100%の自信がなくたって、逃げられる時に逃げた方がいいに決まっている。

いまの会社も、まったく同じように合併してから急におかしくなった。もしかしたらあと2つ3つの港くらいは何とかなるかもしれないが、すでにいろいろな徴候が現れているように感じる。私が自分自身を省みて思うのは、最善の選択はなかなかできないとしても、最悪の選択はしないだろうということである。若い頃に勉強した統計的な決定理論が役立っているのかもしれない。

[Jun 16, 2016]