094 サラリーマン最終月~せいうち日記94 [Jul 18, 2016]

単身赴任で隔地転勤となり、辞める前に40日の有給休暇プラス未消化有給休暇100日を何とか少しでも使えないかと算段していたのだが、くよくよ考えているのが時間の無駄なような気がして、サッパリと辞めることにした。

休暇はいらないと言ったのがよかったのか、そもそも隔地転勤自体が退職勧奨だったのかは何とも言えないところだが、特に面倒もなく7月末で退職が決まった。時期的に仕方ないが7月最終週まで出張があるし、他にも仕事の予定が入っている。とはいえ、来月からいないのだから、新しい仕事を他人任せにできるのはありがたいことである。

何人かの人に「急な話ですね」と言われたのだが、もともと会社とは今年初めからしていた話なので、自分としてはそんなに急に決めたという訳ではない。それでも、普通は3月とか9月とか期の切れ目まで勤める人が多いから、その意味では普通とは違う。それが7月という時期になったのは、自分の中でセンサーが鳴りっぱなしになっていたからである。

聞こえない声で、「カネとか休暇消化とかにこだわっていたら、大事なものを失うことになる」というメッセージが届いていた。単身赴任というのがまずよろしくないし、ストレスで心身を壊したら元も子もない。こればっかりは、後悔先に立たずでは困る(もちろん、人繰りが厳しいのに慰留されなかったのもありがたいし、ボーナスをもらった後ということもある)。

さて、退職するのも3回目だから、もうベテランである。手続き的なことや経済的なことは、改めて「年金生活特別編」としてお送りするつもりであるが、とりあえずは現在の生活を収束させなければならない。東京にいれば、大変なのは仕事の後片付けと引継ぎだけなのだが、単身赴任先なのでまず生活拠点を戻さなければならない。これがまた、なかなか大変なのであった。

短期間で戻ってくるつもりだったから、大物の生活用品のうちベッド、ダイニングテーブル、冷蔵庫はレンタルで調達した。これは返却すればいい。洗濯機はコインランドリーで代用したし、電子レンジは使わないですませたからこれもなし。比較的かさばる家具で持って帰るのは14型のテレビ、スボンプレッサー、掃除機くらいで大したことはない。

いる間は、がらんとした部屋にソファもなく、ネット環境もなく、テレビは小さいし、くつろげる空間ではなかったものの、引き上げるとなると後始末は簡単である。クロネコヤマトに引っ越しを頼むと、レンタル品の回収費がタダになる。荷物が少ないので、2万円の単身パックで十分である。

あとここにいるのもわずかと思うと、毎朝カーテンを開けると狩野川と天城連峰を望むことができる景色は悪くなかったし、体重や体温、血圧を測り、そのままキッチンでコーヒーを沸かし、朝ごはんを食べたのもなつかしい。6時前には開いたばかりのコインランドリーに急いで、最も安い「洗濯・乾燥500円」の機械を早い者勝ちで取ったのもいい思い出である。

仕事が終わればスパゲティを茹でて簡単な夕食を食べた後、大仁金山跡に建つスパ&フィットネスに毎日のように歩いていくのも楽しかった。そこまで歩いていく途中には、垂直に立ち上がる城山の岩壁も見えて、この前あそこに登ったなあと思ったものである。

でも、人生すべてにおいて、いまの現実は必ず過ぎ去っていく。その場その場でベストを尽くしやるべきことをきちんとやっておけば、後から思い悔やむことも少ないと思っている。

 


5ヵ月弱を過ごした借上げ社宅。リビングダイニングのテーブルと寝室の折り畳みベッドだけが、家具らしい家具だった。

 

7月10日の日曜日に奥さんが来て、引っ越しの荷作りをした。

クロネコヤマトの引っ越しに、「段ボールを」と頼んだら、「どこで買ったのでも使えますから。ホームセンターのでも」ということなので、歩いて3分のカインズに行ってMサイズとSサイズを買ってくる。確かに、クロネコの値段と比べると約3分の2である。

考えてみれば、スーツ類は持って帰っても着る機会はほとんどないだろうから、乱雑に段ボール1箱に詰めてしまう。普段着やスポーツウェア、タオル類は、緩衝材代わりに食器など割れ物を包んで段ボールへ。こちらに来る時に新規購入したテレビと掃除機、LEDライト、ズボンプレッサー、トースター、布団一式は、包装をそのままとってあったので元通りに包む。

2時過ぎから始めたのに、荷物が少ないのと2人でやっているのとで、2時間余りで荷造りは終わってしまった。こちらに移った時は3回に分けて荷物を運んだし、片付けやら配置やらで結構時間がかかったような気がするのだが、引き上げるとなるとあっさりしたものである。

集荷は翌11日の月曜日。私は会社に行き、奥さんがクロネコヤマトに対応。後から聞いたところ、2人で来ておそろしい速さで荷物をトラックに運び、レンタル品を分解・回収して、1時間もかからないで終了してしまったそうだ。電気、ガス、水道はすでに連絡して手続きを済ませてあったので、水回りを確認し、ブレーカーを落とし、施錠して一件落着である。

引っ越し当日は終了時間がはっきりしなかったので、いつも行っている大仁温泉フィットネス付属の宿泊施設(コテージ)を予約してあった。コテージの方は昭和の香りがする古い建物で、冷房の効きも良くなかったのは残念だったが、温泉の方はいつもながらのんびりゆったりできた。

会社の引き継ぎについては、もともと身の回りはきれいに整理してあったので、私物は持ち帰って引っ越し荷物に入れたり、最終日に宅配で家に送ったりしてあまり手間はかからなかった。仕事の引き継ぎも、普段から引き継ぎ書類を作っておく習慣があったので、それほど追加で行う作業はなかった。

まあ、作業手順やペンディング事項については、いくらデータに残してあるといっても、頭の中身までは引き継ぎできないので後の人にがんばってもらうしか仕方がない。最後にパソコンのメモリや、インターネットの閲覧履歴を消して終了。IDとパスワードはポストイットに書いてキーボードに貼っておいた。

考えてみれば、いまの会社にいるのも23年目になるから、その前の14年と合わせてサラリーマン生活は37年目ということになる。長い年月だったと思う一方、あっという間だったような気もする。就職した頃は、これで夏休みがなくなってしまうと真剣に悩んだことがなつかしい。これからは毎日が夏休みになる(はずである)。

 


片付けが終わり、がらんとしたリビングダイニング。短い間でしたが、お世話になりました。

[Jul 18, 2016]