032 オリンピック・パワハラ事件の感想 [Feb 7, 2013]

オリンピック女子柔道日本代表のパワハラ事件が、かなり大きな騒ぎになっている。この話、そもそもの始まりからどちらにも味方できないと思っていたが、現在までの展開をみたところ全くその見解は変わらない。

そもそも、大阪の高校のような学校の部活の話と全く違うのは、オリンピック代表選手というのは大のおとなで自分で考えて行動しなければならないのに対し、子供(高校生だって子供だろう)には逃げ場がないということである。だから、部活での体罰(暴力)は厳しくとがめられなければならない。

一方でオリンピック代表は、嫌だったら辞退すればいいだけの話である。もしかすると、オリンピック代表であることで大学や会社にいられるというメリットがあるのかもしれないが、それはどうにでもなることである。小突き回されてプライドを捨てるのか、カネや名誉はなくなってもプライドを持って生きていくか、それはそれぞれの人が選ぶ人生である。

こういうことを言うと、「オリンピックはみんなの夢だ」などと叫ぶ人がいるかもしれないが、別に私にとっては夢でも何でもない。はっきり言って、その選手が世界の舞台で活躍したいという夢を持っているというだけのことで、仮に代表がA選手からB選手になったところで、他人には痛くも痒くもない。代わりはいくらでもいる。

強化委員長から監督からわからんちんばかりだったら、にっこり笑って「私には代表は無理です」と辞退すればいい。そうやって日本代表のレベルがどんどん落ちるのを外から楽しみに見ていればいい。そういうわからんちんの組織は、4人や5人代わったところでやっぱり同じである。そういう人達と付き合わないというのが最善策である。

どうせ告発するんだったら、匿名というのもどうかと思う。これでは、企業によくある怪文書騒ぎと同じで、安全圏から他人を貶めるというのはあまり好きではない。結局のところ、「代表には残っていい目は見させてもらうが、監督や役員は気に入らないからやめてちょうだい」という意図なのだろうか。

いま江戸時代の歴史についていろいろ調べているのだが、藩の中で不満分子とされる派閥が、敵対派閥や藩主の不正を幕府に届け出るということが結構あったらしい。そうした場合、両成敗で藩の取り潰しとなる例もあるが、上士を訴えるとは何事ということで、下の者だけが罰せられたことも少なくない。今回の女子選手グループには、せめてそれ位の覚悟を持って世に訴えてほしかったものである。

もちろん、監督や強化委員長、全柔連の幹部がどうしようもないことはいうまでもない。これ以上やったらまずいかもしれないという分水嶺を見極めることのできない者が、武道を教えていていいのだろうか。武道の本質の一つは自分の身を守ることであり、彼らは自分の身を守ることができない、武道の指導者として失格ということを満天下に示してしまった。

武道の達人のほとんどすべてが、武道はテクニックではないと言っている。突き詰めると、孫子いうところの「戦わないのが最上」ということになるのかもしれない。指導とはテクニックを教えることでメダルを取る者は誰より偉いなどという教育をしているから、内柴某のような輩も出てくる。

そういう意味では、武道のスポーツ化はすべきではなかったし、学校教育に武道を必修化などすべきではなかったのだろう。武道は本来、自分との戦いでありテクニックではないのである。

[Feb 7 ,2013]