019 アンと花子の木 [Nov 1, 2014]

家の奥さんがご近所の奥様と話していて、「アンと花子」のドラマに出てくる、花子の実家近くのロケ地が千葉ニュータウンだということを聞いてきた。行ってみたいというのでネットで調べてみると、すぐ近くで何度も散歩に行っているところである。私はドラマを見ないし、奥さんは山梨だとばっかり思っていたそうで、二人とも気づかなかったのであった。

この木は樹齢百年を優に超える榎の古木で、水田から丘に上がる交差点にあってすごくよく目立つ木である。枝振りがとてもいいので、私も散歩のたびに目標としていた。家からだと15分も歩けば着くというごくごく近所である。こんなところにNHKのロケが何度も来て、吉高由里子や室井滋が歩いていたとは知らなかった。

遅ればせながら、天気のいい秋の日に行ってみた。このあたりは印旛沼に地続きの水田地帯で、大昔は沼だったようで湧水もあるいい土地なのだが、毎年耕作放棄される水田が増えているのは残念なことである。放棄された土地は雑草交じりの湿地帯となり、イノシシの生息地となっている。イノシシ除けの電線もそこかしこに引かれている。

しばらく歩くと、例の木のところに出た。「なんか、きれいになってる」というのが奥さんの意見である。心なしか雑草の繁っているところが整えられ、道もきれいになっている。周辺の水田の一部はロケ用なのだろうか、砂山が築かれ車を止めるスペースができていた。

改めて周囲を見回す。田圃はあるけれど人家のないところなので、電柱や電線があまりないのが特徴である。カメラのアングルによっては、そうした人工物を全く映さないことも可能であり、戦前の風景として考えるならばいいロケ地である。もっとも、実際に旧・本埜村のこのあたりは戦前とほとんど変わっていないのではないかと思っている。

旧・本埜村にはニュータウン計画以前に2つしか小学校がなく、そのうちの一つはこの木の右の道を上がった500mくらい先にある。500mなら近いと思われるかもしれないが、後方の森は見た目より深く鬱蒼としており、昼でも街灯がついているくらい暗い。引っ越してきた15年前、この森を歩いていて向こうからすごい勢いで小動物が走ってきた。猫かと思ったらウサギだった。ここ40年ほど、野生のウサギを見たのはその時だけである。

私の住んでいるあたりよりさらに奥から、この木の右側を抜けて、毎日2~3km歩いて小学校に行った子供達も大勢いたはずである。私の通った小学校でも、そのくらいの距離を歩いて通う子供達はたくさんいた。いまでは、スクールバスが走っているようだ。

話は戻って「アンと花子の木」、老木だけあって、幹にはうろができて中が傷んでいる。また、根に近い部分はコケで青くなっている。枝振りはすごくいいのだが、一部の枝は枯れかけている。それでも、おそらくは私よりも長生きするであろう。落葉樹なので、これから真冬になると葉が落ちて枝だけになる。枝だけになった姿もまた貫禄がある木なのである。


アンと花子で出てきた木だそうです。私は(朝ドラは)見ていませんが。


近くの水田脇に置かれた「NHKきねんひ 2013」コンクリ破片で作られています。

[Nov 1, 2014]