042 源氏物語&エヴァンゲリオンもどき [Aug 31, 2014]

「源氏物語&エヴァンゲリオン」だけで、何を書くか見当が付けられてしまうのが辛いところですが。

この夏はいろいろな事件が起こって、事件の影響や深層を考える前に次の事件で大騒ぎになるような状況だった。佐世保の第二NEVADA事件や理研副センター長自殺事件、集中豪雨による山岳遭難・土石流災害等も影響は大きいのだけれど、今回はその中から、夏休み初めの倉敷少女誘拐事件と終わり頃に発覚した光通信御曹司のタイ代理母事件を取り上げてみたい。

ともに、未成年者ないし個人情報の壁にはばまれて、入手できる情報が限られることと、週刊誌等で後追い記事が出る間もなく次の事件が起こってしまったことで、もしかするとこのまま真相はうやむやのまま終わってしまうのかもしれない。ただ、かつて話題となった「監禁王子」や「一夫多妻」の時のように、思うことがあるので記録しておく。

倉敷少女誘拐事件が、チープな源氏物語であることは、気付かれた方も多いのではないかと思う。源氏物語では、主人公である光源氏が家庭に問題があり後見人不在であった若紫(当時10歳)を引き取って、自分の好みに育て上げ、のちに正室・紫上とした。WEB情報なので全幅の信頼は置けないが、今回の事件にも同様の要素はあったかのように言われている。

ただ、光源氏が若紫を引き取ったのは豪邸・二条院であり、家庭教師をきちんとつけ教養を身に付けさせていたのに対し、誘拐犯は6畳間だかの部屋に監禁してTVを見せていたというから、「チープ」という言葉では追いつかないほどの違いである。この事件の速報を聞いて初めに思ったのは、「TV見て寝っ転がっているだけじゃ、理想の妻なんかにならないぞ」ということであった。

本当に理想の美少女を妻にしたくて自由に使える遺産が何千万円かあったら、防音部屋を作って監禁しなくても他にもいろいろ方法があったような気がした。何年か前に、カンボジアで一夫多妻生活を実現した日本人がいたように記憶していて、この人の場合、家の前にわざと少女が捨てられていたなんて話もあったくらいだから。

なんて思っていたら、8月終わりにはタイの代理妻騒ぎである。この人の場合、オーストラリア人夫婦代理妻事件のあおりを食って騒ぎが大きくなったところはやや気の毒かもしれないが、理想の妻を通り越して、クローンもどきというか、エヴァンゲリオンもどきというか、そういう世界である。実際、この御曹司はエヴァの大ファンということである。

最初は、代理母とだけ報道されていたので、同一母との子供が20人じゃおそまつくんの拡大版だと思っていたら、外国の卵子バンクから高額で購入して自分のと掛け合わせたらしい。体力ではなくカネにモノを言わす分、オットセイ将軍家斉より数はこなせるのかも知れないが、おぞましさは数十倍である。

思うに、ハレムに美女を集めたくて、結果として子孫が増えるという空想は理解できるが、機械的に子孫だけ多く残すということが全く理解できないせいだろう。おそらくこの人物にあるのは、自分の家系、子孫を繁栄させたいということではなくて、それを破滅させたいということなのだろう。わからなくもないが。そういえば、斎藤美奈子が「エヴァンゲリオンは家族崩壊の物語だ」と書いていた。

考えてみれば、精子バンク、卵子バンク、人工受精、代理母(人工子宮の代わり?)とくれば、次はビッグマザーというところだろう。家族もいらなきゃ社会もいらない。自分の遺伝子を増やせばいいだけなら鮭と大差ない。光通信がマネーゲームで増やした資産は、擬似エヴァンゲリオン鮭社会を作るために使われるのであった。人のカネだからどうでもいいのだが。

[Aug 31 ,2014]