319 黒塚古墳展示館 [Jul 22, 2013]

2013年の梅雨明け後は1週間猛暑が続いた後、一転して過ごしやすい日となっている。先週は関西に出張。2時間ばかりの余裕時間を見つけて、奈良盆地の東南部、天理から桜井にかけての山麓部に広がる大和・柳本古墳群、黒塚古墳と行燈山(あんどんやま)古墳に行ってみた。

JR柳本駅から東へまっすぐ進む。風情ある通りであるが、人通りはほとんどない。例によってコインロッカーがないので、荷物を持ったままの移動となる。革靴で大きなバッグはやっぱりきついと思って振り返ると、結構な登り坂であった。

まず、黒塚古墳。ここは公園になっていて、天理市の管理する古墳展示館がある。平成9~10年というから比較的最近の発掘調査で、三角縁神獣鏡が一ヵ所から33面出土したという古墳である。宮内庁管理ではないので、自由に入ることができる。規模的にはそれほど大きくはないが、堀も掘られていて本格的である。

この地域は平安遷都以降はいわば僻地であった。まさに古墳の真上に、戦国時代には松永久秀の支城があり、江戸時代には柳本藩一万石の陣屋が置かれた。かつては城郭や屋敷が建てられていたのである。近年になって発掘調査が行われるまで、それほど注目されていなかったということである。そこから三角縁神獣鏡が多数出土した。

常識的に考えて、この銅鏡が卑弥呼が魏から贈られた現物である可能性よりも、魏から渡来した銅鏡をもとに日本国内で多数の銅鏡が複製され、その一部がここにあったという可能性の方がかなり大きいように思うが、地元・天理市ではここを「卑弥呼の里」であるとして、掲示物や印刷物に書いている。

いずれにしても半ば放置されていた古墳にこれだけの遺物があったということは、いま宮内庁が管理している天皇陵とされる古墳を調査すれば相当の収穫があると思われ、日本の古代史は大きく書き変えられることになる。よその国でピラミッドを調べるよりも自分の国を調べた方がいいように思うが、まあそれぞれのお立場があることだから仕方がない。

古墳から堀(池)を隔てて、黒塚古墳展示館に向かう。入場無料である。発掘当時の竪穴式の石室と、三角縁神獣鏡をはじめとする副葬品出土の様子がレプリカで作製されており、2階から全体を見ることができる。かなり大きな規模であり、大きな石を削って棺にしている石舞台など飛鳥のものよりも、古い様式のようだ。

ここはドラマ「鹿男あをによし」のロケが行われた場所であり、話す鹿に命じられて「サンカク」を探す玉木宏と多部未華子がたどり着いた場所であった。そういえば先に亡くなった児玉清がこのドラマの敵役だった。今をときめく綾部はるかも出ていて、このドラマは珍しく毎回見ていたのだが、私の見るドラマの常として視聴率が思わしくないのであった。

 


黒塚古墳展示館内部。三角縁神獣鏡が多数出土した状況が再現されています。ここは、「鹿男あをによし」のロケが行われた場所でもあり、場内には鹿男のポスターも。

展示室2階には、三角縁神獣鏡のレプリカが置かれている。鹿男は話す鹿に言われて、「サンカク」を探すんですよね。

[Jul 22, 2013]