210 道後温泉 [Nov 12, 2007]

道後温泉はご存知のとおり松山市街から路面電車で10分ほどのところにある。終点からアーケード街のゆるやかな坂を上って2、300mほど行くと、松山市営の道後温泉本館がそびえ立ち、その向こうには温泉旅館街が続く。

この温泉の歴史は古く、伊予国風土記には「法王大王入浴」の記事がある(法王大王は通説では聖徳太子のこととされるが、多分違うだろうと思う)から、6、7世紀からこんこんと湧き続けていることになる。明治時代には松山中学の教師だった夏目漱石が俳人正岡子規らと足しげく通ったそうだし、皇室専用の「又新殿(ゆうしんでん)」も道後温泉本館内にある。

泉質はアルカリ性単純泉。無色無臭で、アルカリ泉特有のぬめぬめ感がある。湧出量がよほど豊富なのか、基本的にかけ流しである。殺菌のため塩素だけ加えているというのが市営らしいところ。ただし匂いなどは全然感じられない。

道後温泉本館で一般の人が入れるのは、神の湯と霊(たま)の湯の2つ。もちろん男女別である。休憩室を利用すると割り増し料金になるが、大したことはない。今回利用したのは霊の湯の休憩室付、1200円である。

階段を2階に上がると係のおばさんがいて、逐一やり方を説明してくれる。まず着替えて、下着と浴衣で1階の風呂に下りていく。バスタオルはなく、浴衣で汗取りをしてくださいといわれるのがちょっと普通と違うところ。

霊の湯は10人は楽に入れそうな広さだが、この日は最初と最後に3人になっただけでほとんど独り占め。お湯は盛大にかけ流してあり、浴槽の縁からどんどん流されていく。豪快である。そして結構深さがあって、底の部分に座ろうとすると顔までお湯に浸かってしまう。だから段になっているところに座るか、お尻が底に付かないように微妙にバランスを取りながら入ることになる。

料金が高いだけあっていい石を使ってあり、お風呂は最高に気持ちいい。建物全体は古く、バリアフリーには一切気を使っていないのでお年寄りにはちょっとつらいかもしれないが、全館禁煙で清潔である。お風呂上がりにはお茶とお煎餅のサービスがある。また、霊の湯利用者は皇室専用風呂「又新殿」を見学することができる。

今回は、仕事で出張があったついでに寄ってきたため一人だったが、次回はぜひ奥さんを連れてきたいところである。ちなみに、「千と千尋」の「油屋」の建物のモデルは、この道後温泉本館だということで、1階にアニメのカット集が置いてあった。


道後温泉本館の正面玄関。


角度を変えてもう一枚。三階に見えるのが「ぼっちゃんの間」で、夏目漱石の資料が置いてある。

[Nov 12, 2007]