910 国際館の恐怖 [Mar 8, 2011]

(昔、豊水すすきの東にありましたが、現在はありません。というか、普通の東横インになってます。)

さて、先日まで北の方の地方都市に出張してきたのだけれど、その時あった恐ろしい話をひとつ。営業妨害になるといけないので、とあるビジネスホテルチェーンの国際館とだけ書いておく。

そもそも、「なんで国際館というのだろうか?」という疑問があった。私がここを予約したのは、そのチェーンの他のホテルが一杯だったからである。基本的に全国どこへ行っても同じ水準のサービスが提供されるホテルであるので、その点では安心していたのだが、そこに落とし穴があったのである。

(そういえば、そのチェーンにはJR--駅前というホテルがあって、泊った際えらく室内設備が古くて驚いたことがある。室内の表示をよく調べてみると、ここは経営難のホテルをそのチェーンが買い取ったもので、JRというのは--駅前に付くのではなく、そのチェーンの水準に達していないため「ジュニア(Jr.)」の意味で付けたとのことであった。紛らわしいことである。)

今回の出張は4泊。北の国ではこの時期冬季割引という制度がある上、このホテルの宿代はそもそも安くて、ちゃんとしたホテルの4分の1、都内ビジネスホテルの半分ほどである。つまり、4泊してもちゃんとしたホテル(KOプラザとか)の1泊分くらいにしかならないので、出張費が削減されている昨今ではなんとも魅力的であるのだ。

ホテルに着いたら、フロントに「歓迎光臨」の手書きの看板が掲げられている。なるほど国際館とは外国人向けの宿であったのかと納得。エレベーターには中国語の案内が所せましと貼られ、室内には長期滞在に備えて流し台とか整理ダンスが置かれている。

p>とはいえ、朝食(免費小餐)に行くと例によっておにぎりとパンで、饅頭とか焼きビーフンが出されている訳ではなかった。食べているのも日本人とおぼしき連中である。国際館とはいっても普通のところと変わらないなぁと思って仕事に出かけたのだが、ことはそう簡単ではなかったのであった。

 

 

土曜日の午後10時過ぎ。朝8時からほとんど休みなしの14時間勤務でくたくたになってホテルに帰り着く。この日は最後の手持ちワイシャツを着て仕事し、残りはホテルからクリーニングに出していた。フロントで受取証を渡すと、何やら困ったような顔。「クリーニングの戻り、ありません。」たどたどしい日本語。なんとフロント女性が国際館なのであった。

これは意表を突かれてしまった。日本でしかもこの時間に、香港状態になるとは思わなかった。受取証を見ながら、「日曜・祭日休みと書いてあります。」ととんちんかんなことをいうので、「今日は土曜日だけど?」と返すと、うーんと考え込んでしまう。しばらく調べた末に、「出すの忘れていて、まだ置いてありました。」

「忘れたってどゆこと?」と思わず大きな声が出てしまうが、あちらは「すみませーん」と言うばかりでさっぱり要領を得ない。夜遅いのであまり人はいなかったが、そのうちに日本語に不自由な外国人留学生をいじめているクレイマーみたいに、こちらが無理難題を言っているように見えやしないかと何だか心配になってきた。

フロントにはもう一人女性がいて、こちらは日本名の名札をしていたので仕方なくそちらに話したところ、こちらの方も日本語がたどたどしい。しまった国際館とはそういう意味であったかと後悔しても後の祭りである。なんとか、いつものクリーニング店は休みだが当日可能なクリーニング店を探して、明日の晩には出来上がりますということになったが、ちゃんと意思が疎通したかどうか非常に不安である。

そして、この日着ていたのは最後のワイシャツである。外は雪なので汗をかいた訳ではないが、長時間勤務の後なので明日もそのまま着るのは気が進まない。仕方なく、ホテル備え付けのコインランドリーで洗濯を始める。洗って、乾燥機にかけるともう12時。フロントにアイロンを借りに行くと、件のチャイニーズ・フロント女性がうれしそうに、「アイロンございます。持てきます。」

結局寝るのは1時近くになった。翌朝も早い。普段8時間睡眠の私にとって、難儀なことである。

翌日には無事ワイシャツが出来てきて、再び洗濯をする羽目には陥らずに済んだ。クリーニング代は払うと言ったのに、「こちらのミスなので、結構です」とのこと。それを言うなら、「こちらのミスで遅れたので」とか「こちらのミスでご不便をおかけしたので」だろうと思ったが、国際館なので仕方がない。それに、コインランドリーで余計な支出があったので、この位は持ってもらってもバチは当たらないだろう。

まあ、最初に書いたようにきわめて安いのであまり文句はいえないが、安いには安いだけの理由があると言うべきだろうか。4泊ともなるとあまり高いところに泊る訳にもいかないが、今度はもう少しちゃんとした値段のところを選ぶべきだろうかと思ったりもしたのであった。

[Mar 8, 2011]