515 みとみ笛吹の湯 [Jun 15, 2015]

白沢峠から下りてきた帰りに、笛吹の湯に寄った。

笛吹川沿いにはいくつかの温泉があり、立ち寄り入浴が可能である。山小屋に泊まるとたいていは風呂に入れないし(尾瀬とかを除くと)、長い距離を登り下りした後なので、できれば汗を流して着替えたい。交通の便さえよければ、ひと風呂浴びてさっぱりして帰りたいところである。

今回問題となったのは、バスの時間である。西沢渓谷からは、シーズン中の土曜・休日であれば塩山行のバスが1日4~5便、山梨市行のバスがやはり1日4~5便出ている。しかしそれでも1日10便くらいだから、間隔は短くて1時間、長いと2、3時間は待たなくてはならない。幸いにこの日は白沢峠入口で10時20分過ぎのバスに乗ることができた。

このバスに乗れたので、約1時間後にも山梨市行のバスがある。途中にバス停のある「笛吹の湯」に入るには絶妙のタイミングなのであった。私だけでなく、始発あたりから乗ってきた登山客(雁坂峠か甲武信ヶ岳から下りてきたと思われる)もここで下りて1時間後のバスに乗ったから、結構ポピュラーなルートなのだろう。

(もし次のバスに乗っていたら、乗り継ぎは2時間後であった。そのためか、次のバスの登山客は、街中にある「花かげの湯」で下車していた。ここからだと、駅までタクシーを使ってもそれほどの金額にはならないし、歩いて歩けない距離ではない。)

現在は「笛吹の湯」という名前だが、タオルを買ったら「みとみ笛吹の湯」とプリントしてあったので、もともとはそういう名前だったようだ。「みとみ」は山梨市と合併する前の三富村のことで、「笛吹」は西沢渓谷から谷を流れる笛吹川からとっている。昔このあたりに来た時はもっと旅館・民宿があったように思うが、雁坂トンネルの開通で交通の便がよくなった分、宿泊ニーズは減少したようで、昔ほどのにぎわいはない。

バス停の名前が「笛吹の湯」なので、前に建っている建物がそうだと思っていたら、その建物は「三富デイケアセンター」で、スロープを上がった先にある武家屋敷風の建物の方が温泉施設であった。もしかすると、デイケアセンターにも給湯されているのかもしれない。(そういえば、こんなところがあった)

入口には例によって自動券売機がある。上がったところが休憩室になっており、応接セットやマッサージ機が置かれ、結構広いスペースがある。廊下を左側が浴室、右側には貸切の座敷があった。浴室入口には貴重品ロッカーもあって安心だ。

山から下りてくるとリュックの置き場所が気になるが、ここではカギ付きロッカーの上のスペースにリュックを置くことができる。利用者は、やはり地元のお年寄りが多い。どこに登ってきたんですか、などと聞かれながら汗まみれの服を脱ぐ。バスタオルと着替えは、荷物の中に入れてある。

成分表をみるとアルカリ性単純泉とある。山2つ3つ挟んでいるが、奥多摩の温泉と同じである。ただ、入ってみてまず感じるのは、ちょっとぬるいということと、のめこい湯ほどのぬめぬめ感はないということである。もう少し熱くてもいいような気がするが、かけ流しなのだろうか。あるいは、地元の人達の好みなのだろうか。

その分、ゆっくり入っていてものぼせないし、大汗をかくということもない。地元の人達は露天風呂で談笑しているから、向こうもそれほど熱い訳ではなさそうだ。私は誰もいない内湯を選択。歳をとったせいか、刺激の少ない温泉だとそれはそれで安心できるからありがたい。時間はあるので、手足を伸ばして2日ぶりのお風呂を楽しむ。

施設内に飲み物の自動販売機はあるが、食堂はない。どうしてもということになると売店で何か買って食べることになるが、それほどお腹が減っていなかったので風呂上りは応接スペースで荷物の整理をしながらゆっくり休む。

山の景色を楽しみ、山のいで湯でゆったり過ごす。考えてみれば、贅沢な時間の使い方である。健康に気を付けて、定年後はこんな時間を長く過ごしたいものである。


スロープ上の屋根が笛吹の湯。手前の建物は旧三富村デイケア・センター。

[Jun 15, 2015]