611 成田温泉 [Jul 10, 2006]

家の近くに古くからある温泉というと、車で15分ほどの成田温泉「大和の湯」がある。ここが昨年全面改装してすごくきれいになったと聞いて、行ってみることにした。

ここはアブローチがちょっときびしくて、成田線に沿って下総松崎(しもうさまんざき)の手前まで進み、ここを左折して踏み切りを渡るのだが、ここの数十メートルが両側一車線、つまりすれ違いできない道なのである。そこを抜けると、何ヶ所かの広い駐車場と大和の湯が現れる。細い道を進んできた割には立派な建物である。背後に房総風土記の丘(大規模な古墳群がある)、前面に印旛沼周辺の田園地帯を望む景色のいいところで、温泉のすぐ前は水田で青々と稲が育っている。

エントランスは2階で、1階がジムとプール(別料金)、2階と3階が風呂、3階の一角にレストランがある。内湯と露天があり、露天風呂の周りには休むところがちゃんとあって、何分かごとに出たり入ったりできる。そして露天風呂からは、田園地帯と、時折通る成田線の電車を望むことができる。ここから印旛沼の低地帯をはさんで逆側がちょうどわが家の方向になる。

温泉はナトリウム-塩化物・炭酸水素泉だから、いわゆる食塩・重曹泉である。こういう成分のお湯は大抵の場合無色透明なのだが、東京周辺によくあるように濃い茶褐色をしている。だから湯船に沈むと、足の先が見えない。ぬるぬる感はちょっとだけあるが、匂いはない。湧出温度が低いので加温しているが、加水はしておらずかけ流しである(透明の湯船は別にある)。この茶褐色の素になっているのは、さまざまの有機物ということである。

東京・千葉の温泉(鉱泉)の多くは、上総層群といわれる地層に取り残された海水や湿地帯の淡水が地熱で温められたものである。その時の植物などが微生物に分解されてできたのが二酸化炭素やメタンで、二酸化炭素は炭酸水素ナトリウム(重曹ですね)となって温泉成分を構成し、メタンは天然ガスとなった。だから房総半島にはメタンガスが噴出する場所がところどころにある。同様に分解されてできる物質にフミンという高分子化合物があり、これが褐色のもとになる物質だそうである(参考サイト:温泉の科学)

上がった後は3階のレストランへ。ここがまた日帰り温泉の付帯施設とは思えないほどのグレードで、寿司から天ぷら、そば、ステーキなどの肉料理などなど本格的である。厨房はレストランのど真ん中にあってガラス張りのオープン形式となっており、調理しているところを直接見ることができる。味もなかなかのもので、空港近くのホテルの和食よりおいしいくらいである。

ここのもう一つの売りは、全館禁煙ということである。いくら分煙してもタバコのにおいというのは漂ってくるものだから、われわれのような吸わない者にとってはとてもありがたい。半面、客層を絞っている訳だから不入りが続けばやっばりやめようということになりかねないので、微力ながら応援していきたいと思っているところである。


大和の湯の建物を外から。ひとの足がみえているのが休憩室。


受付を入って、休憩室入り口。昨年改装したばかりで新しい。

[Jul 10, 2006]