519 秋川渓谷 瀬音の湯 [Dec 21, 2016]

秋川渓谷瀬音の湯は、武蔵五日市からバスで桧原村役場・数馬方面に向かうバス通りの近くにあり、瀬音の湯を経由してくれる便も1日何台かある。奥多摩地域の日帰り温泉としてはたいへん有名で、休日午後などはかなり込み合って大変という評判も耳にする。その場所であるが、1/25000図では「青年の家」と書いてあるところである。

青年の家とは、かつて東京都内に何ヵ所かあった「東京都青年の家」のことである。青少年の健全育成を目的として、宿泊・研修施設、飲食施設、キャンプ・バーベキュー場などが整備されていたが、時代の流れとともに利用客が減り、次々と閉鎖された。現在ある瀬音の湯は、その跡地に整備されたものである。

現在運営しているのは新四季創造(株)という民間会社だが、おそらく東京都もしくはあきる野市が施設整備して、民間に運営委託しているのではないかと思われる。こうした施設ではよくある方式で、山登りでよく使われる日帰り温泉施設の中にはこうした施設がいくつかある。

さて、この日は戸倉三山の臼杵山から下りてきたのが午後5時を過ぎてからで、すでに真っ暗になっていた。下山口は荷田子という集落で、害獣除けのフェンスがあって出るのに苦労したのだけれど、途中、峠にあった案内標示には、「荷田子まで0.6km、瀬音の湯まで1.7km」と書いてあった。

だから1km余計に歩けば済むと思ったのだが、例によってなかなかその通りにはいかなかったのであった。バス通りから案内板の指示どおりに左に曲がり、大きく右にスライスしながら秋川と平行に進む。まっすぐな通りに出ても、なかなか建物は見えてこない。坂を下って登って、駐車場の奥が建物で、しかも温泉施設はいちばん奥にある。

あとからGPSのデータを確認してみると、フェンスを出たところから温泉の建物まで23分、1.3kmほどかかっている。山道で疲れた後のもうひとがんばりなので、それ以上に長く感じられたものであった。

さっそくお風呂に入らせていただく。入浴料は自販機で900円。時間制限は3時間だが、山歩きの帰りでこれだけあれば十分であろう。施設はたいへん新しく、備品もきれいで清潔感がある。ただ、備え付けのボディシャンプーは泡立ちがよくない。こうした施設は自然素材を使っているので、こういうケースが多いのは痛しかゆしというところである。

泉質はアルカリ性単純硫黄泉と書いてある。すべすべ感のあるお湯で、立地的に近くにある「つるつる温泉」や「のめこい湯」と似ている。印象的にはその2つよりもちょっと薄めといったところか。ただ、逆に、ゆっくり漬かる分には抵抗感がなくていい。硫黄の匂いはほとんど感じられない。

遅くなったので、ここで夕飯を食べに行くことにして、奥のレストランに行く。ここには宿泊施設(駐車場わきにあるコテージ)もあるので、それなりの味を期待していたのだが、生ビールを注文してグラスで出てきたのにまずがっかり。グラスで出すところは高い割に美味しくないというのが私のこれまでの経験則なのだ。

実際、つまみにお願いした牛すじ煮込みも、刺身定食も、値段と比べるとお得感はなかったというのが正直な感想である。同じ武蔵五日市周辺の「つるつる温泉」の食事が安くてたいへんに美味しく、生ビールは冷え冷えの中ジョッキがどーんと出て来るのと比べると、どうしても見劣りする。

あるいは、最初に述べたように民間への運営委託なので、安く入札してこのあたりで費用をかけてはいられないということなのかもしれない。だとすれば、たいへん悲しいことである。山の日帰り温泉の最大の楽しみは、風呂上りに飲む生ビールなのである。


真っ暗な中、ヘッデンの灯りで山から下りてきたものですから、こんな写真になってしまいました。

[Feb 13, 2017]