812 飯坂温泉 [Nov 2, 2009]

最近、温泉に行くのも出張の合間だけという悲しい状況が続いている。今回は、福島市内から約30分、東北の名湯飯坂温泉に行ってみた。

福島県はよく知られているように、太平洋側から浜通り、中通り、会津の3つの地域に分かれている。途中に山(阿武隈山地と奥羽山脈)があるため昔は交通の便が悪く、それぞれの地域に違った風土・特色がある。

福島市は中通りの宮城県寄りにあって、「県北」という言い方をすることもある。浜通りや会津と比べて大都市へのアクセスが整っていることから、先進的な地域であるとされている。同じ中通りでも東京に近い郡山の方が町の規模は大きいけれども、なんといってもJRA福島競馬場があるので昔からなじみ深いのである。

昔、同じ職場の先輩が福島の人で、「福島人は一年間稼いだカネを、福島競馬につぎ込む」と言っていたことを思い出す。当時は全国発売レースはクラシックと天皇賞・有馬記念くらいで、福島競馬場は年間2、3開催くらいしか開いていなかったのである。

さて、市内から西に進むと土湯温泉から吾妻小富士、裏磐梯へ至る観光ルートになるが、北に進むとこちら飯坂温泉となる。かつては熱海や鬼怒川のように社内旅行で相当に栄えたが、バブル崩壊以降人出が激減したのは他の温泉地と同様。電車の終点、飯坂温泉駅を下りると、松尾芭蕉の銅像が出迎えてくれる。

予約した宿は「ホテルK(仮名)」。温泉協会のHPで「おひとり様歓迎」のカテゴリーから選んだ宿である。飯坂温泉は摺上川に沿って開けた温泉街だが、その摺上川に面して建っている。ホテルとはいうものの、ハード面は昭和40年代の水準で、無線LANとか、デジタル放送とか、VODとか、ウォシュレットとか、そういうものはない。

とはいっても、お風呂は清潔で、しかも源泉かけ流しである。アルカリ性単純泉で硫酸イオン、メタケイ酸イオンの含有量が多く、触れた感触はちょっとぬるっとする。55度の源泉を昼夜かけ流しているので、泉質は申し分ないとはいえかなり熱い(浴槽42度と書いてあったが、体感では45度くらい)。

一緒に入ったお客さんもすぐに出てしまったが、せっかく来たのでがんばってみる。足だけ浸かって体を慣らし、次に腰まで、そして何とか肩まで。入ってしまうと何とかなるけれど、ちょっとでも体を動かすとまたもや熱い。血管が切れないか心配になったので、1分くらいで出た。

ビジネスホテルと大して違わない値段だったので、正直なところ食事は期待していなかったのだけれど、予想以上に豪華な夕食で驚いた。部屋食で、お刺身、牛の陶板焼、あゆの素揚げがメイン、他に鮭のちゃんちゃん焼風、なすの煮びたし、茶碗蒸し、お吸い物、酢の物、などなど。冷酒にもよく合ってご飯もおひつ全部空にしてしまった。

満腹した後は再び温泉へ。次の日の仕事のことを忘れてしまうくらい、のんびりした一晩でした。


駅前で、芭蕉翁もお出迎え。ホテル街との間には摺上川が流れる。


1泊2食8500円で、この夕食はなかなか。 しかも部屋食はくつろげます。

[Nov 2, 2009]