911 十勝川温泉 [Sep 12, 2005]

十勝川温泉は帯広から車で約30分、その名のとおり十勝川沿いにある温泉である。北海道の中央を南北に貫いているのが日高山脈であり、その南端に森進一の歌で有名な襟裳(えりも)岬があるが、襟裳岬から海岸線沿いに西へ向かうと静内から苫小牧となり、逆に東へ向かうと広尾から帯広に達する。だから、このあたりは道央と道東の境目あたりということになる。

十勝川温泉の泉質は非常に珍しい植物性モール泉といい、日本ではここにしかないし、世界的にもあとドイツにしかないといわれている。温泉が吹き出る際に植物の堆積層を通るため、お湯に植物のかけらが多数含まれて湧出する。モノは昆布か何かのかけらのようでぬるぬるするが、いかにも肌には良さそうだ。外からみると、湯船がそのかけらで黒というかこげ茶というか、なんともいえない微妙な色合いに見える温泉である。

ただ、この温泉に最初に行った30年くらい前と、最後に行った5、6年前を比べると、この微妙な色の濃さが大分違っていた。もちろん、最近になればなるほど色が薄くなっているのである。そもそも温泉として出てくる時の濃さが違っているのか、それとも加水しているのかは分からない。普通の人には抵抗がなくなったといえるが、温泉ファンにとってはやや物足りなく感じることは確かである。

旅館は「笹井ホテル」と「大平原」が昔から有名。私は大体笹井ホテルに泊まる。露天風呂もあって気持ちがいい。北海道の夏は短いので、すこし涼しくなった外気に当りながら入る露天風呂は最高である。大平原は、今でもやっているのかどうか、敷地内から上げる熱気球が有名である。料理は当然海の幸&山の幸。広々として空気がおいしいので、何を食べてもおいしい。

全く話は違うが、このあたりの道路は東西南北に十字に走っているが、両方とも広くてしかも信号がないところが多い。だから、南北方向に走っている車と東西方向に走っている車が、ともに相手がスピードを緩めるだろうと思っているうちに、全速力で交差点に突っ込みクラッシュ、ということがたびたび起こるそうだ。現地ではこれを「十勝型交通事故」という。嘘のような話だが、現地の人が教えてくれたことなので、その人が嘘を言っていない限り、本当の話である。

[Sep 12,2005]