211 徳島駅前安兵衛 [Oct 26, 2015]

BS番組の視聴率は明らかではないが、調査すればおそらくナンバー1ではないかといわれるのがBS-TBSで月曜午後9時からやっている、「吉田類の酒場放浪記」である。

高知出身の詩人・イラストレーター(らしい。正体不明)吉田類が、東京近郊を中心に全国各地の酒場をめぐる長寿番組である。放送のエンディングで吉田類が「じゃ、もう一軒」と言いながら去る後姿に、その酒場をテーマとした俳句が読まれて終わる。現代の山頭火ともいうべきワンショットが名物の番組なのである。

これまで番組で紹介された酒場の一覧は番組HPに載っている。何年か前の年末特番で、四国お遍路をしつつ四国各地の飲み屋を巡るという企画があり、その際に出てきたのが徳島駅「安兵衛」である。ちょうど私もお遍路を回り始めたところなので、先達(せんだつ、お遍路の先輩のこと)に敬意を表して訪問してみた。

店の場所はお遍路界で定評のある「サンルートホテル徳島」のすぐ裏である。

私が入る前にグループの人達が「満席です」と断られていたのでちょっと心配したが、ひとりだったのでカウンター席の端っこに案内された。とりあえず生ビールと焼き鳥を何本かお願いする。「生ビールは大ですか中ですか」と重ねて問われる。この日はお遍路(八番から十一番)でずいぶん歩いたし、サンルートの温泉「びざんの湯」に入って汗もかいたので大をお願いした。

店の間口はそれほど広くなくて、カウンター席の後ろを人が通る。カウンター席の前が調理場で、奥の席はテーブルが横に2つ置かれている。前の人達が断られていたように、奥の席は満席である。間もなく生ビールと付き出しが運ばれてくる。幅が狭いので、フロアの人も立ったまま行ったり来たりで大変そうである。

運動して温泉に入った後のビールはぐいぐい入る。大ジョッキの半分くらいを一気に空けてしまった。注文していた焼き鳥が出てきたけれども、腹が減っているせいか思いのほか小さい。これでは足りないなと思って「煮込みはないですか?」と尋ねると、「煮込みはないけど角煮なら」とのこと、四国では煮込みはそれほどポピュラーではないようだ。

混んでいるので一緒に日本酒もお願いする。店に置いてあったのは東北の地酒だが、銘柄は忘れてしまった。冷酒はないのでそのまま冷やで。お銚子に入って出てくる。東北の酒はキンキンに冷やすとうまいんだけどなー。

角煮は柔らかく味が染みておいしい。それにしても、徳島は近くに明石海峡も瀬戸内海もあるし、どこに行っても地魚が出てくるんだろうと思っていたら、ひとに聞いたところでは魚を出す店はそれほど多い訳ではなく、むしろ焼き鳥の店が多数派なのだそうである。この後、お遍路絡みで何回か徳島に寄ることになりそうなので、いろいろと研究したいところである。


夕やみに店の灯りがまぶしい「安兵衛」店頭。日曜日だったのに夕刻には満員で、グループの人達は残念ながら「満席」でした。


私は一人だったのでカウンターの隅に。煮込みを頼んだら、「煮込みはないけど角煮なら」ということで豚角煮。生ビも日本酒も大分とすすんでいる。

[Oct 26, 2015]