918 函館昭和温泉 [Aug 20, 2016]

五稜郭から四稜郭まで歩いて、かなりバテてしまった。幸い、台風の影響での雨風はみられないものの、雲の合間からのぞく日差しは強烈で、Tシャツもズボンもびしょびしょである。幸い、帰りは下り坂なので行きよりは全然楽である。彼方に函館山と函館市街を望みながら、幹線道路まで下って行った。

さて、これだけ汗をかいてしまうと温泉で一汗流したいところである。昨年谷地頭温泉に来た時に風呂用タオルを買ったのだけれど、そこには谷地頭温泉と並んで、昭和温泉、山の手温泉の名前と電話番号がプリントしてあった。スタート地点の五稜郭からすると谷地頭は反対側だし、山の手はかなり東である。比較的近そうな昭和温泉に向かうことにした。

向かうといっても、地図を持っていない。こういう時に頼りになるのがタブレットのマップであるが、このあたりは道路だけで目印になるような地点の表示がない。ネットにつながらないので、Google Mapも見ることができない。という訳で、天性の方向感に頼って、歩き始めたのである。

下りきったところが十字路である。五稜郭からこちらに来たのが直進する道で、これは南に向かっているはずだ。先ほど間違えたのが左の道で、これは東向きである。昭和温泉はここから西のはずなので、右に行けばいいはずである。何kmあるかは分からないが、いつかは国道6号線かJRの線路に交差するはずである。

さて、北海道の道路は基本的にまっすぐである。そのまっすぐな道路が、結構な起伏を伴って上下している。なかなか進まないのと、見通しがきかない。左右は住宅街であるが、時々空き地がみられるのは、町の外れということのようだ。そして、歩いているうちに、なんだか微妙に左にスライスしているような気がする。もしかして、市街地を中心に弧を描いている道なのだろうか。

そういえば昔、フェリーで函館に着くと、環状線のような太い道を走ったような記憶がある。だとすると、西に向かっているつもりでとんでもない方向に進んでいるのでは、と不安になる。

15分くらい歩いて、片側2車線の道路と直交する。太い道ではあるが、国道標識はない。6号線ではないようだ。この頃になると雲の合間どころか太陽が舞台中央という感じで登場してきて、暑くて仕方がない。幸い、バス停とベンチが見える。方向に自信がないのと大汗かいてつらいのとで、半分くじけてしまいバス停の前へ。「赤川入口」というところのようだ。

行先をみると、「昭和バスターミナル」と書いてある。WEBで調べたところでは、昭和温泉は「昭和営業所」からバス停1つくらい歩いたところにあったはずだ。ターミナルと営業所の違いは気になるが、昭和には違いがあるまい。幸い、あと20分ほど待つとバスが来る。ベンチにリュックを置いて腰を下ろし、汗まみれのハンドタオルを干す。気休めにもならない。

バスは時間どおりに来てくれた。すごく冷房が効いていて、天国かと思った。

 


函館・昭和バスターミナルから少し歩いたところにある昭和温泉。谷地頭温泉・山の手温泉と同じ経営のようです。空模様は微妙。

 

バスは北に向かってしばらく進むと、左折して西に進み、さらに右に左に細かく曲がる。いずれにしても、歩いて来れた距離ではなさそうなので、ちょうどバスがあったのはラッキーだった。15分か20分で、終点の昭和ターミナルに到着。料金を払いながら、「昭和営業所はどこですか?」と聞いてみた。

「あそこ」と運転手さんはターミナルの奥にある建物を指す。
道のこっちから入ると昭和ターミナル、向こうから入ると昭和営業所なんだよね」

それは大いに助かった。バスが行き来するターミナルを突っ切るのはよろしくないので、いったん道路に出て敷地外を大回りする。ターミナルの逆側にある停留所には、確かに「昭和営業所」と書いてある。ここから市街地に向かってバス停1つか2つ歩くと、昭和温泉に着くはずである。

道路の両側には住宅が続く。市街地のようにビルが続く訳ではないが、ところどころに商店や飲食店が点在する。しばらく行くと、「昭和温泉 → 」の看板がある。右折するとすぐに昭和温泉の建物が見えてくる。

谷地頭温泉はいかにも観光名所といった大型の温泉施設であるが、昭和温泉は首都圏でいえばスーパー銭湯のような趣きである。入るとすぐに下駄箱と入場料の自販機がある。料金は420円。良心的なお値段である。

更衣室のロッカーは100円入れて戻ってくる形式。浴室に入ると、カランが何列か並んでいて、その奥に浴槽がある。カランは縦に付いていて、上のボタンがシャワー、下のボタンが蛇口、これは谷地頭温泉と同じである。

体を洗ってから浴槽へ。お湯の温度はちょうどいい。泉質は食塩泉だが、細かい海藻のような湯の花が浮かんでいる。この密度が濃くなると、モール温泉になるのではなかろうか。とすると、モール温泉は世界で十勝川とバーデンバーデンだけなんてことはないんじゃないか、とふと考える。

この日は大汗をかいたので、お昼過ぎの温泉は最高に気持ちがよかった。そして、それに加えて最高だったのが、風呂上りの生ビールであった。

昭和温泉の食堂は広く、テーブル席と座敷がある。もちろんテーブル席も風呂エリアから地続きで、裸足のままくつろぐことができる。とりあえず生ビールを一気に空けて、冷やしラーメン(つけ麺かと思ったら冷やし中華である)でお昼にし、デザートにソフトクリームをいただいた。

この世の極楽とは、大汗をかいて温泉で汗を流し、湯上りに生ビールを飲むことではなかろうか、とふと思った。市街地に戻るバスの時刻までくつろぐ。テレビでは高校野球をやっていた。あまり関心がなかったので知らなかったけれど、2016年夏の甲子園は北海高校が決勝まで進んだので、どこへ行っても高校野球のTVが流されていた。

[Oct 18, 2016]