076 ウォードvsコバレフⅡ(Jun 17,2017)

WBA/IBF/WBO世界ライトヘビー級タイトルマッチ(2017/6/17、LVマンダレイベイ)
Oアンドレ・ウォード(31戦全勝15KO)1.7倍
セルゲイ・コバレフ(30勝26KO1敗1引分け)2.3倍

早いもので、前回対決からもう半年たつ。前回はジャッジ3者がいずれも114-113ウォード。私の採点では114-113コバレフなので再戦は妥当ともいえるが、村田vsヌジカムとの違いはそれほどなかったように思う。村田の判定をあれほど大騒ぎするのは、よく分からない。

ウォードvsコバレフに話を戻すと、確かに微妙な判定ではあったものの、コバレフがウォードを倒せなかったことも事実だし、試合後半をウォードが支配していたことも確かである。チャンピオンがコバレフだったから、挑戦者であるウォードがあの試合振りでいいのかという問題があったけれど、今回も同じ展開となればウォードの判定で仕方のないところである。

どの再戦でも注目されることとして前回の試合からの上乗せはあるかどうかだが、ライトヘビー級の実績が不足していたウォードは前回よりもいい試合をできる要素はあるものの、コバレフにあるかどうかは微妙なところ。というのは、パワーはそう簡単に強化されない上に、スタミナに至ってはいまさらどうしようもないからである。

前回明らかになったコバレフの弱点は、一発のパワーはあるものの足のある相手を捕まえきるだけの機動力はないし、ペースを握れない試合では後半の失速が明らかということである。ということになるとウォードは前回以上に足を使って試合を後半に持ち込むだろうし、それに対してコバレフが効果的な対抗手段があるかというと、ちょっと思いつかない。

一方のウォードも、スーパーミドル級でも相手を倒し切るだけのパワーはなかったし、ましてライトヘビー級では無理である。逆に考えると足を使ってテクニックでしのぐしか方法がない訳で、ある意味戦法に迷いがない。コバレフもアマキャリアはあるが、ボクシングをすればウォードの方が上というのは前回分かったし、あとは不用意な一発を食わないことだけである。

そういうボクシングが面白いかどうかは別にして、メイウェザー以来そういうボクシングスキルが重視されてきたことも確かである。もし結果が逆だったら笑われてしまうけれど、私にはウォード判定勝ち以外の展開がどうにも思い浮かばない。でも、ライブで見る必要もあまりないので、WOWOWの録画中継で十分である。

 

 

WBA/IBF/WBO統一世界ライトヘビー級タイトルマッチ(6/17、LVマンダレイベイ)
アンドレ・ウォード O TKO8R X セルゲイ・コバレフ

最終的にはボディかローブローか微妙なところはあったが、コバレフがスタミナ切れだったのも確か。仮に判定まで行ったとしても、8R以降ウォードで間違いなかっただろう。ただし、7Rまでの私のスコアは1ポイントコバレフなので、コバレフがローブローでストップはおかしいというのも分からないではない。

とはいえ、試合前に予想したとおり、ウォードには前回からの工夫がみえたのに対し、コバレフにはみえなかった。ウォードは前半3Rくらいまでは距離をとってビッグパンチを食わないようにし、足を使って試合を後半に持ち込むことに成功した。コバレフは5R以降目に見えて動きが落ちたし、ウォードのパンチはシャープだったから、両者の準備の違いは明らかであった。

ただし、VTRをみる限り、最初に効かせたパンチはベルト上だけれども、最後ストップされたパンチはローブローのように見える。いずれにせよ、試合の流れの中だから倒される方が悪いのだが、後味がよくないことも確かである(あれで、俺のボディは無敵などと言ったら、亀田と同じである)。

後味がよくないといえば、セミのリゴンドーの試合も同様である。こちらも、流れの中であのパンチを食らうフローレスがよくないことは確かなのだが、少なくともリゴンドーはゴングが聞こえてから打ったと思われる。(注.ネバダ州コミッショナーは、後日、この試合をノーコンテストに変更した)

ドラクリッチレフェリーの裁定も妙で、頭を押さえて打つのが反則で割って入るのならリゴンドーの手を押さえるべきである。フローレスにとってみれば、ゴングが鳴ってレフェリーが間に入って手を止めたらリゴンドーのパンチが飛んできた訳で、あれでKO負けにされては踏んだり蹴ったりというところであろう。

とはいえ、リゴンドーvsフローレスは何回やってもリゴンドーの勝ちであることは間違いなく、再戦しても結果は同じだろう。その意味では、前回はどちらの勝ちともいえたコバレフが、これから何回やってもウォードに勝てないこととは、若干違うといえなくもない。