813 青森郷土料理 りんご箱 [Nov 9, 2015]

JR青森駅前から市街地に向かって通りをまっすぐ進むと、ほどなくアウガという高層ビルがある。この建物は、6階から上は市立図書館とか雇用促進センターが入っている公共施設なのであるが、下層階は商業施設で、特に地下1階は鮮魚を含む海産物の市場となっている。

かつて、青森駅前は雑然とした雰囲気であり、いま区画整理されて公園になっているあたりにもバラックのような市場の店があった。それらの店は駅前再開発とともに移転を余儀なくされ、移った先がこちらアウガの地下だったと聞いたことがある。だから昔と同様、朝5時くらいから店を開けている。

その地下1階に郷土料理の店がある。店の名前を「りんご箱」という。半分くらいは座敷にソファが置いてあるが、残りの半分は名前のとおり、りんご箱をテーブルと椅子に使っている。とある夕方、ひとりでこの店に入ってみた。

昔このスペースにあったのは、やはり郷土料理の店で「田」といって、いかにも田酒が置いてありそうな店であった。その後、経営が変わったのか、コンセプトが変わったのか、現在の店になった。とはいえ、刺身と干物、地酒が中心の店というのは変わらない。

店に入ると、「ソファとりんご箱、どちらになさいますか」と尋ねられる。一人なので遠慮して入口近くのりんご箱を選ぶ。だが、グループで来た時には靴を脱いでゆったり座るソファ席というのもありだろう。座るのがソファかりんご箱かの違いはあるが、どちらのテーブルもりんご箱である。何はともあれ、生ビールと田酒、肴にはマグロとイカの刺身をお願いする。

BGMにはねぶたの「らっせーらー」が繰り返される。画面の見える席に座ると、ねぶた祭りの映像も見られる。午後5時頃なので夜の部が始まったばかりですいているが、地元の家族連れらしきお客さんが見える。付きだしのもずく酢とビールが来る。思わずビールを一口飲んでしまうが、写真に撮るまでしばし我慢する。そんなに待たずに、刺身の盛り合わせと田酒が来た。

マグロの刺身は中トロで、5切れしかないが1300円する。イカ刺は560円。下の写真の一皿で2000円近くするけれども、値段だけのことはある。とにかく、マグロが絶品なのである。もちろん筋などどこにもなく、脂がのっていて、舌の上でとろけるようである。ここ数年来、これほどおいしいマグロの刺身を食べたことはない。

大間とは書いていないが、大間でなくてもおそらく津軽海峡のどこかに違いない。マグロの旨みを田酒山廃、青森の辛口純米酒で流し込む。至福のひとときである。わざわざここまで来た甲斐があったというものである。

さて、ここの店に陳列してある一升瓶の中に「亀吉」という酒がたくさん並んでいた。店では飲まなかったのだが、帰ってから調べてみると地元では田酒以上に人気のある酒だという。しかも、田酒ほど高くもない。ネット大手ではほとんど品切れなのだが、いろいろ探して地元の酒屋さんから仕入れてみると、これがまた旨い。現在、結構気に入って飲んでいるところである。

[Nov 9, 2015]