110 葡京娯楽場(リスボアカジノ) [Jun 6, 2005]

いまやサンズにその地位を奪われつつあるが、かつてはマカオといえばリスボア、と断言できるほどのマカオの中心地であった。当時の繁栄ぶりからすると、今の状況はやや物足りないが、それでもその重厚な雰囲気は古き良き(悪しき、かも?)マカオの伝統を伝えているといって過言ではない。

フェリーターミナルから20分に1本シャトルバスが出ており、これを使うのが一番便利である。サンズなどに客が流れていることから、満員になることはほとんどない。急ぐ時はタクシーで「ポーキン(なるべく大声で)」と言うと大体通じる。街中を見て回りたければ、「葡京」と書いてある乗合バスがひっきりなしに通るので、それに乗ってもいい。ただし、パタカか香港ドルの小銭が必要だ(つり銭はない)。

リスボアは大きく分けて西側のタワー棟と、東側のホテル・カシノ棟、その2つをつなぐショッピング街からなる。シャトルバスはタワー棟に着くので、ショッピング街を抜けてカシノへと向かう。カシノは円形のメインフロアがB1、1F、2Fとあり、回廊を挟んで外側にもたくさんの部屋がある。3Fより上はハイローラーご用達である。メインフロアB1はかつてはミニマム200HK$のバカラ卓が6卓置かれていたが、しばらく前に撤去されてスロットエリアになってしまった。

ゲームは、やはりバカラ卓が中心で、次に多いのは大小。あと、BJ、三公百家楽、富貴三公(親ができる三公)、牌九、新顔のQポーカーなど。ルーレットとファンタンは昔あったけど、今はどうだったか。あと、回廊にぐるりとスロットマシン類が並んでいる。バカラ卓で特筆すべきはタイマーと「ちん、ちん、ちんちきちーん」と鳴らす(叩く)ベル。通常30秒からカウントが始まり、0秒で「ちんちきちーん」ノーモアベットとなるのだが、ベットが少ない時はディーラーの裁量でつらに「ちん、ちきちん」と続けられる。だから、同じタイミングでベットしても、大丈夫な時もあれば、投げ返されることも珍しくない。

今はなき地下禁煙バカラ卓で、こういうことがあった。その時はあまり負けていなかったのだが、なぜか逆張りをしかけてくるお兄さんがいるのである。私は基本的に残り10秒くらいの、かなり早めにベットしていたので、きっと目標にされていたのだと思う。そのお兄さんはかなり大きめに張っていて、私もミニマムという訳ではなかった。しばらくがまんしていたのだがあまり面白くなかったので、シューの最後くらいのゲームでいたずらをしたのである。いつものように、10秒前にプレイヤーに張った。案の定、お兄さんはバンカーに張った。「ちん、ちきちーん」とディーラーが手を振る一瞬前に、プレイヤーに賭けたチップをぐいと押してバンカーにしてやったのである。

別にルール違反ではない(と思う。マナーは悪いが)ので、ディーラーももちろんクレームはつけない。お兄さんはむっとしていたが、私は逆張りされていたことすら知らないよという態度である。さて、絞るのはお兄さん。私としては、勝てばそれに越したことはないし、負けても逆張りお兄さんを抱きこんでの負けだから、それはそれでいい。お兄さんは必死で絞って7だかを起こし、プレイヤー届かずでバンカー勝利となった。そして、勝ったチップを受け取ると、さっさと退散した。長居して、何か言われたらたまらないからである。言われたって分からないけど。

 


南東側のカシノ地上入口から見たリスボアカジノ。

 

リスボアカジノはもともとリスボアホテルに併設されているカシノのはずなのだが、マカオ常連客でここを定宿にする人はあまりいない。とにかく値段が高い(平日でも700HK$を下回ることはほとんどない)上に、部屋もあまり大したことはない。もちろんメリットは雨に濡れずにリスボアカジノに行けることと、ホテル内の飲食施設が整っていることだが、リスボア側もホテルのグレードを上げようという気はあまりないようだ。

私が何度か行ってみて非常に気になったのは、午後2時チェックインのはずなのだが、2時過ぎに行って部屋に入れた試しがない、ということである。海外旅行者にとって、荷物を持ったままの移動はあまり快適なものではないし、外が暑いといったん部屋に入ってくつろぎたいのは人情だと思うのだが、「部屋をクリーニングしておりますので、午後4時でないとご用意できません」と必ず言われるのである(もちろん荷物は預ってくれる。ちなみに、4時に行って「あと1時間」と言われたことも1度だけだがある)。

それが、「それまでカシノで散財しておいで」ということなのか、前日泊のお客さんがなぜか(笑)揃ってレイト・チェックアウトなのか、あるいはその両方なのかは知らない。とにかく、ここのホテルにはゆっくりくつろげるロビーがないので、カシノかコーヒーショップか、あるいは私はよく知らないが何らかの方法で部屋でくつろぐのか、いずれにせよ余分におカネがかかることは間違いない。部屋はそこそこ広いし、調度品もなかなかいいものを使っているのだが、廊下の音がとてもよく響くので、カシノで負けて興奮して眠れない時に中国人グループが騒いでいたりすると目も当てられない。

とまあ、難癖ばかりつけてきたが、日本の衛星放送は映るし、なんといってもマカオの象徴だから、一度は泊まってみるものだろう。ここの従業員は英語が通じる(さいきんマカオでは当たり前になりつつあるが)ので、その意味でも安心して泊まれる。向こうもこちらと同じくらいしか英語ができないからよけい安心だ。

ホテルに泊まる人もカシノだけの人も、なくなる前にぜひ一度見ていただきたいのが、ショッピングセンター街を回遊するお嬢さんたちの群れである。とにかく、昼夜問わず、大勢の美女たちが回遊しており、こちらの腕をとらんばかりに接近してくるのである。以前は、「中国語話せないよ」と言うとあきらめてくれたのだが、最近は英語で営業してくるので油断ならない。

当局の指導で年々人数は減ってきているし、「立ち止まってはダメ」ということだそうで、まるで葛西臨海公園のマグロのように同じところをぐるぐる回っている。あまりその気もないのにじろじろ見るのは失礼だと思わないでもないが、場所がレストランや商店街なのでウィンドウ・ショッピングということで勘弁してもらう。当然見るだけならタダだし、ホテルの中だからたぶん池袋や歌舞伎町より安全なのではないかと思う。

[Jun 6, 2005]