926 函館・五稜郭 [Sep 26, 2016]

函館には仕事・プライベート含めて数十回来ているけれど、五稜郭に来るのは20数年ぶりになる。

まだ子供が小さい頃だった。五稜郭の中は広い空地になっていて見通しが利くし、出入口は基本的に1ヵ所しかないので、子供を放し飼いにするにはたいへん都合のよい場所だったのである。昔から五稜郭タワーはあったけれど、最初の1回くらいしか登っていない。実際に登らなくても、上から写した写真がたくさんある。

当時も、五稜郭の電停(市電駅)から五稜郭までかなり歩かなければならなかった。もっと近くに線路を引けなかったのだろうかと思ったものだが、いろいろと事情があるのだろう。昔は電停近くには丸井今井だけがでーんとあった。いまでは五稜郭電停周辺はJR函館駅前以上に繁華街になっていて、なぜここに駅が、という違和感はなくなってしまった。

この日は台風接近が伝えられていて、函館の降水確率は60%。雨が降り出す前に行ってしまおうということで、午前8時前にはホテルを出て五稜郭に向かう。繁華街を抜け、タワーの横を通って入口へ。ここは公園になっているので、基本的にいつでも入れる。

まだ時間が早かったので、犬を散歩させている人がたくさんいた。木陰には、サイクリング車を横に置いて寝ている人もいる。夕べから寝ているのだろうか、それともフェリーの早朝着で、寝不足を補っているのだろうか。いずれにせよ、エアコンなしでは厳しいくらい暑い。昔はもっと涼しくて、北海道のエアコン普及率は50%なかったはずである。

今回行ってみて大変に驚いたのは、外郭からもう一つ橋を渡った中央のエリアに、「函館奉行所」という大きな建物が建っていたことである。昔はベンチに座ったり芝生で横になったりできたのだが、そうしたフリースペースはわずかになってしまった。そして、「函館奉行所」の扉は閉まっていて、入場料500円と書いてある。もちろん、営業時間にならないと入れない。

とてもがっかりした。この函館奉行所は平成22年に竣工したようなので、まだ10年経っていない。最初にここに来た40年前はもちろん、最後に来た20数年前にも、影も形もなかったことになる。こうした施設があった方が観光客を呼ぶにはいいだろうし、五稜郭公園全体の整備にも役立つことは分かるが、昔の面影が全くなくなってしまうのは悲しいものである。

一段高くなっているお堀の内周通路を一周する。ここは、昔とそれほど変わっていないようだ。それでも、そこから見える山の形は同じはずなのに、周囲に建物が増えたので昔とは雰囲気が違っている。通路の左右の植栽も、きれいに整備されていてかえって寂しい。

そうやって一周していたら、函館奉行所の裏手にあまり人の来ないベンチを見つけた。そこでしばらく休憩する。昔来た時には、いま函館奉行所が建っている場所で2時間も3時間も過ごしたものだが、フリースペースが相対的に狭くなっているので、だんだん人が増えてきて長居ができない雰囲気である。雨予報にもかかわらず、時折強い日差しがのぞいて汗ばんでしまう。

エアコンが普及してヒートアイランド現象で暑いのか、それとも歳をとって辛抱が足りなくなったのか。もしかすると、昔は北海道に来たというだけで涼しくなったような気がしたのかもしれない。


函館五稜郭のエントランス。このあたりは昔とさほど変わってはいないようですが。


敷地中央に有料の施設「函館奉行所」ができて、昔の面影はなくなってしまいました。

[Sep 26, 2016]