923 大雪・森のガーデン [Jul 20, 2015]

上野ファームが人気を博して以降、ガーデニングが一大ブームとなっている。道央でも、旭川から帯広に至る大雪山麓は、ガーデン街道という名前で集客を図っている。北東山麓の上川周辺は、かつては層雲峡、層雲峡温泉、黒岳ロープウェイくらいしか観光資源がなかったが、いまや赤丸上昇中なのが大雪・森のガーデンである。

高速規格の無料道路、旭川紋別自動車道の上川層雲峡ICで下り、ここから約8kmの山の中に森のガーデンはある。北海道だからその間ほとんど人家はないのだが、ICから要所要所の道端に「森のガーデン」「北海道ガーデンショー」の幟りが置かれている。途中からは、ほとんど人工物のない山道を登って行く。幸い、できて間もない施設だけに道路はきちんとしている。

道の両脇が牧草地となり茶色のアンガス牛が見えてくると、すぐそばが森のガーデンである。こんな山の奥にこんなにと思うくらい車が駐まっている。後から観光バスもどんどんやって来て、団体客を下ろしていく。やっぱり観光化しているのであった。

山の奥に作っただけあって、少々の団体客には動じないくらい園内は広い。言ってみれば山二つ分くらいの規模がある。これだけ大きいと花よりも木が中心となってしまうのはやむを得ないところで、花がきれいなのはエントランス周辺と、展望台周辺に限られ、あとはガーデンというよりはハイキングコースの雰囲気である。

エントランス周辺はおそらく上野ファーム監修で、宿根草とか高山植物がかわいらしい。その奥のスペースでは「北海道ガーデンショー」と銘打って、各国のガーデナーが腕を振るっているのだが、まあこのあたりは趣味の問題であろう。個人的には、植物以外のオブジェが主役のガーデンというのはあまりピンとこないところである。

登り坂を展望台に向かって上がっていくと、売り物の「ドレスガーデン」がある。コンクリートのジャンプ台のような場所に立つと、斜面に植えられた花がまるでドレスのように見えるというシャッターポイントであるが、まだ花が咲き揃っていない上に、観光バスで来た団体が行列を作って順番をとっているのはやや興ざめであった。

ドレスガーデンの横を抜けてさらに登って行くと、このガーデン最高標高地点となる展望台である。こちらの方がよっぽど景色がいいのに、あまり団体客は登って来ないのはかえってありがたい。この日は曇っていて、大雪山系がよく見えないのが残念だったが、麓に広がっている牧草地や、小さく見える牛たちを見ていると、やっぱり北海道はスケールが違うと感じる。

実は層雲峡にはあまりいいイメージを持っていない。というのは、子供が小さい時に層雲峡温泉のとあるホテルに予約して泊まったのだが、1泊2万円、それも子供も大人料金だというのに、大雪山どころかあたりの景色さえ見えない、宿の裏と倉庫と犬小屋の前の部屋に泊まらされたのである。層雲峡自体、景色がいいのは自然の手柄だし、ロープウェイやリフトはバカ高い。以来、層雲峡温泉には一度も泊まっていない。

そういう意味ではこの森のガーデンも点が辛くなってしまうのだけれど、規模が大きいし、よほどメンテナンスをしっかりやらないと荒廃してしまうのも早いだろう。この日も団体客の話すのを聞いていたら、「ドレスガーデンで写真を撮って、流星銀河の滝を見て」とか言っていたから、特にガーデニングに興味がある訳でもなさそうだ。

私の若い頃は、こうした施設を成功させるにはリピーターを増やすことと、来た人に満足してもらっていい評判を立ててもらうことが定石とされていたものだが、いまや爆買い中国人ツアー客をいかに誘導するかということになっているようだ。バブル崩壊のときは5年経たずに答えが出たが、今回はどうなるのだろうか。


大雪・森のガーデン。とんでもない山奥にありますが、広大な土地がきれいに整備されています。


これはレストラン/カフェあたりから撮った風景。

[Jul 20, 2015]