114 マカオ06年春 [Mar 22, 2006]

2006年3月19日、午後11時をすでに回っている。リゾカジ公認オフ会である”チャモロ兄弟と行くバカラな旅”は、サンズカシノですでにクライマックスを迎えつつあった。”マカオキング”の称号を懸けて、チャモロ兄弟の兄、ちくわさんが万ドルベットを決めれば、弟のtagamanさんはポケットからやおら取り出した千ドル紙幣のヅクをテーブルに放り、チップに替えるとバンカーにすでに張ったチップに上乗せする。

ちくわさんがインシーサンピンで楽勝すれば、tagamanさんはナチュラル9を簡単に起こす。tagamanさんはすでに昼から勝ち続けており、ちくわさんも「帰りはファーストクラスにするしかないかなぁ」などと言いつつ、千ドルチップのタワーを3つほども築いている。

そんな、ただ乗っていれば楽勝の場面で、なぜか私はプラマイゼロのあたりをうろうろしていた。普段はたいして気にならないサンズの大音量が響いて、頭がつらくて仕方なかったのである。その原因はというと、前日からがんがん飲みまくってしまったオフ会のつけで、まさに自業自得という奴である。じつをいうとtagamanさんは同じくらい飲んでいるはずなのだが。

飲んでいても、勝つときは勝つ。たとえば前の晩など、3000近く沈んでいたはずなのに、朝に財布を見るとカネが減っていない。そういえば牌九、ファンタンのあと三公バカラで戻したような気もする。そんなもんである。でもこの夜は、ちくわさん、tagamanさんのビッグベットの理由が分からないのである。ここはツラとか、二個二個とかはっきりしたものがない。二人とも自信を持って張っているので、行く手には違いない。でも、理由が分からないので、ミニマムにちょっと足したくらいしか応援できない。

私のやり方は、無条件でひとのベットに乗ったり、人間罫線で張ったりはしないのである。もちろん、応援ベットはするが、それもせいぜいミニマムの倍程度である。それ以上は、自分で考えたのと同じサイドならば勝負に参加するが、違うと思えば見に回ったり、あるいは逆張りも平気である。その判断ができないのだから、結局同じような金額を張り続けることになる。これでは大勝ちは難しい。考えようとしても、大音量が邪魔をする。いつもはなんともないのに。プラマイゼロだから悪くはないのだが、なんとも物足りない。

今回のオフ会、例によって現地の名インストラクターさまよい人さんの差配により、珠海中葯谷の中国マッサージから中華料理と珠海ピールの集いで盛り上がって、マカオに戻る。さまよい人さんはかなり体調がお悪かったにもかかわらずご案内いただき、拱北(ゴンベイ)関門でお別れした。そしてサンズ、さまさんの意を体して「対子・和(トイチーポー)」で入るが、あけみんさんに、「そういうのは勝ってるときにやるものなの!」と怒られる。その負けはあっという間にチャモロ兄弟に乗って戻したのだが、勝負どころの頭痛とそれによって二人のビッグベットについていけなかったのが響いた。


ギア灯台より中国珠海側を望む(2002年)。

翌20日朝、金龍に宿泊するのは出発前日の定番である。7時のオープンと同時に朝食のバフェ。5時間半ほどの睡眠で、頭の痛いのは取れたが眠い。オレンジジュースをおかわりして飲む。今回は奥さんと一緒なので、あまり時間が打てない。ここまで、約3000のマイナス。これは、澳門入りしてすぐの凱悦(ハイアット)のバカラ卓で、たった30分で3勝12敗したものである。残りは2、3時間、あまり時間がない。

金龍3階のカシノはひと気がほとんどなく、エアコンがよく効いて寒いほどである。誰もいないバカラ卓に奥さんと座る。これなら、一人は賭けてなくても全く問題ない。ディーラーがチップを整理しているうちに、やはり女性を連れたチャイニーズが来て座る。ここで、ショッキングな出来事が起きた。

なんと、開始10手のうちで5手がタイなのである。しかもそのうちの2手は、自分で起こしたナチュラル9が、ディーラーオープンに追いつかれてのタイである。前の晩と同じように対子和(トイチーポー、プレイヤー、バンカーそれぞれのペアとタイに賭ける)で入っていれば、大儲け間違いなしという場面である。だが、後悔しても後の祭りなのであった。

その後も一進一退が続くが、ビッグベットは取れない。最後、プレイヤーでせっかく起こしたナチュラル8をディーラーオープンのナチュラル9で捲くられて、きっぱりと席を立った。こんな流れで勝てる訳がない。負けは、さらに膨らんで6000ほど。まだ、挽回可能である。得意の三公バカラはまだ開いていない。金龍に2卓あるブラックジャックへ。

オフ会でどなたかが言っていたが、マカオのBJはブラックジャックではなく、何か他のゲームである。単にエンドレス・シャッフルマシンを使っているからではない。ルールも雰囲気も違うのである。ここでも、ツキは来ない。手札はほとんど14か17、ディーラーのアップカードは8割方絵札である。14でヒットしても絵札が来るし、ディーラーはまず20か21。チップがどんどん減っていく。「あの(シャッフルマシンの)中には、人が入ってるんだ」と言ったら奥さんにたいそう受けたが、チップはさらに減る一方である。

10時近くなって、奥さんが仕度をしに部屋に戻る頃には、一緒に打っていたチャイニーズ達も降参してディーラーとのヘッズアップ。ここでようやく、こちらに波が来た。ミニマム100で減らした分を300から600でどんどん戻す。しかしもう時間がない。11ダブルにピクチャーがついて21。アップカードはピクチャーだが、まず勝てるだろう。さらにダブルアップで水面に浮くぞ・・・と思ったら、ディーラーはAを起こして裏ブラックジャック。

時間はすでに10時20分。やはり今日出発のteshiさんとの待ち合わせまで10分しかない。ここで無念のゲームオーバーとなった。結局、今回遠征の収支はほぼ5000のマイナス。最後あの流れでは仕方がないが、なんとも消化不良の結末となった。しかし、致命傷という訳ではない。帰りのフェリーで、次はいつ来ようか、とそればかり考えていた。

[Mar 22, 2006]