115 06年2度目のマカオ [Apr 21, 2006]

2006年4月15日土曜日、香港国際空港から直行フェリーでマカオ入りしたのだが、入国手続きのところまで来てびっくりした。なにしろ、人であふれかえっているのである。

やっとのことで行列の最後尾らしきところを探し当てて並んだのだが、どうやら1列で並ぶべきところを2列になっているようで、ぐちゃぐちゃである。10分たっても、ちっとも行列は先に進まない。逆に次のフェリーが着いたらしく、後ろからは人がどんどん入ってくる。これは大変だ、と正直思った。

事前にさまよい人さんからのメールで、香港のイースター連休でマカオはすごい混み様だということは聞いていたのだが、予想していた以上である。マカオにはもう十数回は来ているが、マカオGPとか旧暦を含む年末年始を避けているので、これほどの混雑を体験したことはない。実はあまりホテルが高いのなら徹夜でカシノと思っていたのだが、この入国の混雑を見て気が変わった。これだけ混んでいるとすると、カシノも大賑わいだろう。ツイていればいいがツカない場合混んでいるところに居続けるのはつらい。そして、場所を変えようにもタクシーすらつかまらないような気がする。たとえ1000HK$かかっても、ねぐらは確保すべきではないか。

結局、入国手続きに40分かかった。すぐにターミナルの代理店へ。ハイアットは?と聞くと満室だという。1200HK$で新世紀はどうだ、と言われる。ハイアットに泊まらないのに、タイパ島に行っても仕方がない。それに、タクシーがつかまらないと悲惨である。ここはあきらめて、いつものホリデイイン前の代理店、環宇旅遊へ。ここでもやはりハイアットは満室で、そもそもいま現在空いているのはエンペラーとキングスウェイだけだという。

ホリデイインまで来ているのにキングスウェイまで戻るのは面倒なので、ちょっと高いがエンペラーにする。1200HK$だというから、普段の土曜日よりさらに5割増という感じである。しかし、それでも違いは400HK$。普段を知っているからもったいないと思うけれども、よく考えればローローラーの私でも1ベット程度の違いである。いざツカない時に途方にくれることを考えれば、精神的なゆとりが違うはずである。

エンペラー泊ならば、主戦場は隣のファラオパレスである。着いてすぐの第一ラウンドは結局プラマイゼロで終る(実はかなりプラスだった。このあたりのことはまた後で)。雨が強くなって雷すら聞こえる。遠出はできないので初日の夕食はリスボア側にちょっと歩いた福臨門である。ここでエビと野菜の煮込みやらホタテとニンニクやら食べてビールと紹興酒を飲んだら、前日からの疲れでがっくりきてしまった。前日までいろいろあって忙しくて、金曜日のDUKEも欠席している。ホテルに帰って、早々に寝た。とても、カシノで徹夜などできたとは思えない。

翌日、再度環宇旅遊へ。日曜日なのにあまり安くなっていない。ハイアットはと聞くと、1600HK$だという。先月まで、日曜日泊は430HK$だったはずなので、ほぼ4倍。これでは泊まれないので、エンペラーに連泊することにする。ここでも800HK$。2泊で2000HK$というのは、普段なら2泊したうえに香港までヘリで戻れそうな値段である。

フェリーターミナルで翌日の空港行きフェリーを予約してから、ハイアットへ向かう。6月でクローズという情報だが、どこにもそんなことは書いていない。12時前にフラミンゴに着く。営業開始は12時なので、それまで店内で待つ。「ホテルが近々クローズするようだが」と聞くと、「レストランも同時にクローズする。だから6月まで」という返事。そうか、やっぱり閉まってしまうのか。

非常に思い出深い、マカオ料理のレストランである。これだけの有名なレストランだから、いずれどこかのホテルで営業することになるのだろう。しかし、ラムのカレーでワインをいただきながら考えた。フラミンゴは、この池と熱帯植物があるからフラミンゴではないのだろうか。仮に、どこかのホテルの何階かで再開するとしても、そこにはおそらく池も熱帯植物もない。その意味では、私の思い出のつまったフラミンゴは、やはりこの6月でクローズしてしまうのだろう。

改めて見てみると、ハイアットの回りはすべて20階建て以上のビルディングで、南側には「クラウンカシノ」(と書いてある)が建設中である。これでは、リゾート客は引いてしまうだろうし、カシノ客も好んでは使わないだろう。おそらく、営業終了後は取り壊して、新しいコンセプトのカシノ&ホテルになるものと思われる。寂しいことには寂しいが、マカオ自体が全く違った街に変貌しつつある現在、やむを得ないことには違いない。

 


6月でクローズとなる凱悦酒店のエントランス。いろいろな思い出のある場所である。遠くからみると、このあたりでひときわ低く、また古い建物であることがよく分かる。

 

フラミンゴで食事した後は、おそらくこれも閉まってしまうであろう海島娯楽場へ。相変わらず、客がほとんどいない。今でこそ100HK$ミニマムだが、かつては1000HK$以上のテーブルだったという。ディーラーとのヘッズアップで、バカラを絞る。最初の10ゲームで、1勝9敗。バイインの3000HK$はすぐに使い切る。次の3000HK$も残すところ1000余りというところで、シューが終ってしまった。仕方がないのでBJへ。こちらでは、ディーラーバストが続いてチップを取り戻す。しかし、プラマイ0に行こうかというところで引き潮に当たってしまう。結局半分ほど戻したところであきらめてカシノを出る。午後はつかの間のリゾである。

マカオに着くまでは、さまよい人さんの引率なしで珠海へと考えていたのだが、昨日の入国管理の混み様をみると、拱北関門の通過にはかなりの時間がかかりそうだ。あきらめて、コロアネ(路環)島に行くことにする。新世紀前でバスを待つが、コロアネ行きはあいにく満員である。2台待って、仕方なく満員のバスに乗り込む。小型バスなので、立っていると外が見えない。その上満員なので動くことも難しい。

10分以上走ったが、誰も下りずにバスは依然として満員である。仕方なく、次のバス停で人をかき分けて下りる。すると、驚いたことにそこはコタイ(タイパ・コロアネ間の埋立地)の入り口、しかもタイパ島へ向かう車線である。どうやら、コロアネ島を一周して戻ってきてしまったようだ。とすると、あの満員バスは半島に戻るまで誰も下りないのだろうか。いずれにせよ、コロアネ島までまだ2km以上はありそうだ。あきらめて歩くことにした。

建設中のギャラクシーカシノ&ホテルを右に見ながら、タイパ・コロアネ・コーズウェイを延々と歩く。「亜州的拉斯維加斯(アジアのラスベガス)」の横断幕の横をトラックが粉塵を上げながら猛スピードで走り、とてもハイキングという風情ではない。幸いに暑くはないので、汗をかくことはない。3つめのロータリーを過ぎると、ようやくゴルフ場に達する。コロアネ島の入り口である。

 


建設が進むベネチアンカシノ&ホテル。このあたり、ベネチア風に運河とかできるらしい。右側に小さく見えるのがギャラクシー。コタイ地区がミニ・ラスベガスになる日は、もうそこまできているようだ。

 

さすがにこのあたりは、マカオ再開発地域からは外れているようで、いくら歩いても店もなければ自動販売機もない。採石場のところを右に折れ、小型車サーキットコースを右手に見ながらさらに歩く。もう1時間くらいは歩いているはずだ。左手の山頂には観音様のような巨像が見えるが、この山をぐるっと回って向こう側がコロアネ市街だったような気がする。まだ先は長いなあ、と思うけれども、せっかくここまで来たのだから行くところまで行くしかないなあ、と思い直して歩を進める。

サーキットを過ぎると右に工場地帯を見ながら進む。左手の山麓は廃棄物処理場のようで、それを過ぎてしばらくすると植物園になった。半島やタイパ島のにぎやかなところばかり見ているとまるで別世界である。植物園を過ぎると大きな門が現れる。「媽祖文化村」と書いてある。門の前には送迎バスが止まっていて、山頂まで往復するらしい。すでに十数人が乗っていたので、せっかくだから私も乗ってみることにした。

山頂まではバスで7、8分と結構な距離があった。さきほど麓から見えた観音像と、媽閣廟の近代版みたいな建物があり、真新しい媽祖像が祀られているが、結局それだけだった。バスは無料だったから、どうやらこの媽閣廟もどきには相当のお布施が集まるらしい。山頂の観音像もさほど目新しくなかったが、タイパ島方向に風景が開けており、ここまで歩いてきた道を眼下に望むことができた。

再びバスで山麓に下りて、さらにコロアネ市街に向かう。20分ほどで、市街の中心地と思しきにぎやかな、といってもローカルチックな町並みに到達する。このあたりに、フランシスコ・ザビエル教会があるはずなのだが、観光地図のようなものが見当たらない。あてずっぽうに歩いていくと、だんだん寂しげな道になり、とうとうマカオ監獄というところに行き着いてしまった。すでに時刻は午後5時を回っている。コンクリートの高い壁とその上に盛大に巻かれている鉄条網を見ながら、「今日はこのへんで勘弁してやろう」と思った。ちょうど通りかかったバスに座って、半島まで一気に戻った。

 


のどかな道端に突然現れた巨大な門。ここから山頂まで、無料の送迎バスが出ている。

 

夕食は情報収集を兼ねてセナド広場のフランス料理「良辰」へ。オーナー・シェフのSさんとはすっかり顔なじみである。この日は「本日のおすすめ」の中から海鮮グリルを選ぶ。エビや魚、トコブシと野菜などが、おそらくニンニクとオリーブオイル仕立てで品良くグリルしてある。ビールでは足らず、白ワインを注文する。

「これから勝負だから、フルボトルは無理」というと、「でしたら、デカンタではどうですか?500ccですが、度数もそんな高くないし大丈夫ですよ」と白のデカンタを奨められる。きりっと冷やしてあって、とてもおいしい。最近ホテルがとりにくくて、といった話から始まってマカオの近況などよもやま話で盛り上がった。

ちょうどお客さんで混みあってきたのでお勘定をすませて外へ出る。しかし、コロアネ島まで歩いたのが効いたのか、またもや酔いが回ってしまった。しかし今回、どうしても行っておかなければならないカシノがある。羅浮宮(ルーブル)娯楽場である。

先月のオフ会でこのカシノに皆さんをご案内する予定が、同じビルの金碧(カンペック)娯楽場にお連れしてしまい、「にせルーブル」「ただの酔っ払い」と散々な非難を浴びてしまった。今回は前回ほどには酔っていないので大丈夫だろうと思っていったら、またもや金碧に入ってしまう。いろいろ歩いたのだが、同じビルにもかかわらず、金碧からルーブルへの通路はないようなのだ。これでは分からない。

いったん外へ出て、案内どおりに進むと、階段の裏にルーブルに直行するエレベーターがあって、なんとかたどり着くことができた。カシノ内にはモナリザをはじめ、いろいろな絵の複製が飾られて(というか壁に直接描いて)いるのだが、はっきり言って安っぽい。もっとも、新世紀前のゼウス像でギリシャ神話を名乗ってしまう美意識であるから、そのあたりは大目に見てあげるべきなのだろう。人は多くなく、ミニマムは低く、聞いていたとおり雰囲気は悪くない。

 


ルーブルカシノの販促ティッシュ。皆さん、次回は間違えずにご案内できます。

 

禁煙テーブルに座っていたら、同席していたチャイニーズのおっさんにツキが回ってきて、4連勝。しかも9vs8とか、3vs1(もちろん3から8を引いた)といった快進撃である。せっかくだから乗らせてもらったらそこからさらに6連勝。しかし、いずれもミニマムしか賭けていない!やがて満足したのかおっさんはチップの束を手に席を立つ。その後は自分で絞ったのだが、一進一退である。どうにも疲れてしまったので、最後の勝負は次の朝にすることにして、ホテルへ戻る。まだ10時だというのに。

翌朝5時起きして最後のファラオパレスへ。そして3時間の勝負は、結果的には惨敗であった。ゲームは三公バカラ。1ゲームに1分半から2分はかかるという展開の遅いゲームなのだが、その分ツキがこない時間も長い。罫線をつけていたのだが、1列の6手で、勝ち越した(4勝以上)のはわずかに1回、あとの十数回は負け越しかせいぜい3勝3敗の五分である。

それよりも何よりも、今回勝負を賭けた(とはいっても私の場合ミニマムの20~30倍程度)手が3回あったのだが、その3回が3回とも、3枚の総和が0なのである。勝負の1回目は前日、それまでの勝ち分をぶちこんだ1手だったのだが、上の2枚が3と6。よしっっ!!Aだけは来るなよと思って3枚目を見るとAである。この朝の2度の勝負も、”T、公、公”と”T、T、公”、いずれも親のオープンを待つまでもない最弱のハンドである。

勝負手を負けることはあるだろう。3度続けて負けることだって、これまで散々経験してきたことである。しかし、三公で総和0というのは、およそ10分の1しか起きない。それが3度ということは、1000分の1である。そこまで引きが弱いのか、ということである。(ご存知のとおり絵札3枚は三公となり、9より強いのだが、そうはならないのである)

3度目の0が来たとき、ちょうど資金もなくなって席を立った。ここまでやられれば、かえってあきらめがつく。それにしても0、何の楽しみもない手。同じ負けるにしても、ここまでひどくやっつけなくてもいいだろうと思う。もしかしたら、「係数の大きな男」などとおもしろがって書いていたので、バチが当たってしまったのかもしれない。

[Apr 21, 2006]