マカオの観光ガイドブックを見ると、必ず載っているのがワイン博物館とマカオグランプリ博物館。しかしなぜか、これまで行く機会がなかった。今回の遠征ではなぜかタイミングが合って、初めて訪問することができた。
場所は前から分かっていて、理工学院の隣、つまり、ゴールデンドラゴンからファラオパレスに行く途中である。だから前を通る機会はいくらでもあったのに、なぜか休みだったり時間外だったりして入ることができなかった。入場券(免費だけど・・・)によると、毎日午前10時から午後6時、火曜日定休ということである。
さて、ビルのエントランスから階段を下りると、右手がマカオGP博物館、左手がワイン博物館である。好みが分かれるところだけれど、わたし的にはワイン博物館の方により興味がある。奥へ進むと、長い廊下になっていて、左右にパネル展示がある。内容は、ワインの歴史、製法、世界のワインといったものだが、説明は中国語、ポルトガル語、英語で、残念なことに日本語はない。
突き当たりまで進むと、ワイン農家の様子が展示されている。ぶどうをつぶす機械や、樽、貯蔵庫の模型である。考えてみれば、わずか十数年前までマカオはポルトガル領であった。そしてマカオではワインは製造されていない。コロアネ島まで行けばぶどうの樹くらいあるだろうが、ぶどうの農業生産自体がないと思われる。
つまりこの展示は、マカオの人とマカオに観光に来る人に、わがポルトガルの名産であるワインはこのように作られるんですよ、ということを広報するために作られたものなのだろう。いわば、マカオがポルトガルのアンテナショップの役割を果たしていたのである。そう考えると、世界史で習う大航海時代が、すごく身近に感じられるような気がする。
さて、ワイン農家のジオラマから入口方向に戻る途中には、大量のワインボトルと、ポルトガルの民族衣装を着たマネキンがずっと並んでいる。正直なところ、ポルトガルワインというとマテウスぐらいしか知らないが、ポルトガル通によると、マテウスをポルトガルワインと思ってもらっては困るというくらい、かの地にはおいしいワインが多いらしい。
そして、最後にワインの試飲ができるコーナーがある。1杯HK$5だから70円くらいで、ポルトガルのワインを実際に味わうことができる。この日用意されていたのは赤、白とポルト。もちろん全部試飲させてもらって、それでもHK$15である。ポルトはさすがに甘かったが、赤は深みがあり、白はきりっとドライでなかなかのものであった。
大陸からの団体客が入ってきたので引き上げたけれど、すいているとなかなか居心地のいいところなので、時間に余裕をみて訪問するのが望ましい。そのせいかこの時間に、なぜか日本人の個人旅行と思われる人が何組か来ていたのはちょっと不思議でした。
[Apr 19, 2010]
ワイン博物館の、ワインと民族衣装の展示。
グラスHK$5でワインを試飲。白・赤・ポルトワインがある。