512 テニアン2005年7月 [Jul 9, 2005]

#1 フリーダムエアで危機一髪

昨日まで3日間、今年3回目となるテニアンに行って来ました。今回は本当にいろいろなことがあって濃い3日間となったのですが、返す返すも残念なのは前の週ずっと忙しくて体調が万全でなかったことでした。

さて、今日は小手調べに軽いところから。帰りのテニアン→サイパンは12時半ロビー集合で、空港まで。いつものフリーダムエアである。しばらく待って、セスナに乗ったのはダイナスティ帰りの日本人ばかり6人とパイロット。いつものように、鈍い音をたててプロペラが回りだし、ターミナルから滑走路に進む。海側に進んでから、ブロードウェイ側に発進、パイロットが手を伸ばしてドアを閉め、スピードを上げ、離陸・・のはずなのだが、スピードが上がらない!

いったんスピードを落としたパイロットは、再びエンジンを回すが、いまひとつ力がなくプロペラの回転が上がらない。再度スピードアップ、しようとしたら、いきなりプロペラの回転が落ちてエンスト。しばらくプロペラの空回しを続けていたパイロットは一言、”Dead”。

グライダーに乗ったことがあるので、空中でエンストしても操縦桿さえ効けばそう簡単に落ちることはないと分かってはいるのだが、それはかなり上空に行ってからのこと。離陸後すぐにそういうことになれば、もちろん墜落である。「テニアンで小型機墜落。邦人6人死亡」の見出しがちらっと脳裏をよぎったのであった。

パイロットはエンストを繰り返しながら、何とかセスナをターミナルまで戻そうとがんばっていた。滑走路から誘導路に入ってようやくターミナルが見えてきた頃、いきなり「パン」と乾いた破裂音とともに機体が左に傾いた。今度はパンクである。

幸い、予備機が迎えに来てくれて、人も荷物もその場で載せ替えて再出発。今度は普通に飛んだのだが、最初助手席に乗っていたおばさんは、「もう前はいや」と2列目に席替えしたくらいであった。私は3列目だったのだが、この乗り替え機のパイロットは、何回か乗ったことのあるモヒカン風のガタイのいい白人パイロットで、ちょっと運転が荒い。相当な急旋回をするので、それはそれで肝を冷やした。

思えば冷や汗もののフライトではあったのだが、風のほとんど入らないセスナの3列目で、冷や汗もかかずに大汗をかいてしまった午後でありました。

 


フリーダムエア。尾翼だけ写っているのがノースサイパン便。この時の遠征写真が残っていないので、別の遠征時の写真を載せてみました。

 

#2 前出しコンプとマリックショー

さて、今回のテニアンだが、私にとって初めての「前出しコンプ」と呼ばれる遠征である。カシノ持ちは、エアー+ルーム+3食ミールクーポン+マリックショー。エアーは日本←→サイパンに加えてサイパン←→テニアンもカシノ持ち。マリックショーは定価$500。だが、断言してもいいが、あのショーに$500払って参加した人はほとんどいないはずである。

条件はノンネゴチップ$5000を購入することである。いまの私は、何年か前にマカオで現金チップとノンネゴチップをすりかえられて動転した頃の私ではない!普通に打てば大体$1000、つまりコンプ位の負けに抑える自信はあるし、もし勝っていれば勝ち分を一度にぶち込んで大勝負をかける意気込みでテニアンに向かったのであった。

行きのフリーダムエアでは、ダイナスティ組の3人と後からきた2人の5人でテニアンに向かったのだが、後からきたうちの一人が筑紫哲也氏だったらしい。らしい、というのは、私は男に興味がないので全く気にしていなかったのだが、一緒に乗ったおばさんが、「あの人はキャスターやってる、何て言ったかしら、あの人でしょ?」と話していて、ホテルに着いてから彼がホテルやカシノにいた、という情報が飛んでいたので、ああそうだったのか、と分かった次第である。

ホテルに着いて一休みしたら、さっそくカシノである。まず、ノンネゴチップ$5000を現金化しなければならない。森巣先生も「越境者たち」で書いているように、ひとりクリーニングは相当に厳しい。慎重に、連敗を避けるように、1勝1敗ペースで進む。夕食の時間が迫り、itoさん(生独?さん)とクラクラちゃん(最高♪さん)が呼びに来たところで、ノンネゴの残りは35枚、現金チップは14枚。バンカー6があったので、ほぼトントンである。

バフェ方式の夕食のあと、ミニコンサートをはさんで、Mr.マリックのショーである。100円玉タバコ通しから透視、スプーン曲げまで楽しませてもらったが、いちばん興味深かったのは「何度やっても負けないトランプ」であった。A2かB2くらいのサイズのでかいカードをよく混ぜて、マリックとお客さんにそれぞれ配ってポーカーをすると、何度やってもマリックの勝ちというマジックである(実はマリックはあまり知らないし、このマジックも初めて見た)。

カードが巨大なので、すり替えは効かない。カードをよくみると、10が3枚、Jが3枚、Qが3枚、Kが1枚の10枚でこれを5枚ずつ配っている。気が付いた人は他にもいたと思うのだが、このゲーム、Kを持った方が必ず負ける。ただ分からなかったのは、どうやって、客の方にKを配るようにしたのかということである(もちろん、カードを切るのは客の方だ)。

余談だが、曲がったスプーンを家に持って帰ったら、「マリックには何の興味もない」という家の奥さんから、つまらんものを持って帰ってくるな、と叱られた。

 


客室から見たヤギ島。この島は日本の信託統治領の時に、沖縄から移住した住民がヤギを放牧し、戦後野生化して大繁殖したことからヤギ島というそうです。ご存知のとおり、沖縄ではヤギ肉をよく食べます。

 

#3 苦戦

マリックショーが終わり、部屋でシャワーを浴びてから夜戦に備えて軽装でカシノへ。$1000ちょっとの現金チップも手に入れたので、このところ力の入っているポーカーから入る。リミットホールデムで、レートは5-10。スモールブラインドは$2、ビックブラインドは$5、フロップまでは$5単位、ターンからは$10単位である。

クラクラちゃん(最高♪さん)もポーカーをやりたがっていたのだが、BJのミニトーナメントと重なってそちらへ。前にも見たことのある韓国系の面々と単騎日本人の私、というテーブルとなった。これがすごいルーズゲームで、ともかくプレフロップで下りるのはほとんど私だけという状況で、レイズ・リレイズの嵐である。それで上がるのが8ペアだったりする。みんなストレートドローやフラッシュドローでレイズしてくるからである。A、J、9、5、3なんていうコミュニティカードだと、ナッツの24を持っている奴は必ずいる。リバーの3のカンチャン待ちなのに。

かなりタイトにがまんしていたのだが、ようやく入ったAAを、同じくリバーカンチャン待ちの79ストレートにまくられて、切れた。すでにゲーム参加から一時間半は経過している。ポット参加を絞っているので、負け自体は200ドルにもならないが、ともかく1回上がらないと。それで、捨てていたQ・Jからローカードとか、ストレート・フラッシュ含みのローカード2枚とかでポットに参加することにした。

チャンスは間もなくやってきた。7h8hである。初めは捨てていたカードなのだが、コール。プロップは8s5c8d。3カード完成で、ストレート、フラッシュ目はない。ただ、相手が8を持っていた場合、キッカーが7では弱い。ここはコール。すると、ボタン近くにいた商店主風おやじがレイズ。私はコールしたが、何人かがここで下りた。ターンは7d。フルハウス完成である。ただ、最後に大きなカードが出た場合、まくられる可能性も高い。A8とかK8とか、いかにも突っ張ってきそうな組み合わせではないか。

ここでおやじ再びレイズ。私はコール。コールしたのはあと一人だけで、結局3人の争いに。リバーは2c。どう考えても、ナッツである。私のベットに対し、一人はダウン。しかし、おやじはなんとレイズ!である。当然、リレイズである。だが、おやじはさらにリレイズ。ここで手が止まる。ヘッズアップだから、リレイズはできるよ、とみんな言うし、ナッツだから、ここは負けようがないとは思う。

ただ、前に上野で聞いた話だが、二人ともナッツの場合レイズ・リレイズしても実入りは増えず、レーキ(ハウスの取り分)が大きくなるだけだから、止めた方が賢い。この場合、二人ともナッツはありうるケースである。だから、コールした。コールだから、おやじのオープンである。カードは85!気持ちは分からないでもないが、リレイズしてくる手じゃないだろう。

結局、これ以降は上がれなくて、1時を回ったので席を立った。約3時間で上がったのは1回、300ドルのマイナスである。ライブBJに移行していた生独+最高さんのところに行くと、何か食べましょう、ということになった。風向きが全然良くないので、これはありがたいことで、カシノカフェで夜食をとることになった。

 


テニアンダイナスティのロビー。最初の頃は、ここでピアノの演奏をしていました。

 

#4 頼みの綱

カシノカフェではお気に入りの冷麺定食。夜遅いためかひどく辛く感じる。生独?さんにフルーツをごちそうしてもらい、口がさわやかになったところで、戦闘再開である。お二人はルーレットをやるというので、付き合うことにした。ディーラーは日本人女性でKさん。以前、BJ卓で私から短時間のうちに$1000近くを奪った憎い奴である。

でも、生独?最高♪コンビは彼女となごやかに話しながら卓を囲み、1点賭けをばしばし的中させる。私も、お裾分けにあずかって赤黒や偶数・奇数を取らせてもらい、さらには真似しんぼの誕生日1点賭けもゲット!100ドルバイインを倍近くにすることができた。

気をよくして今度はパシフィック・ポーカーへ。ここで開始早々、右隣に座った生独?さんが恐ろしい手を上がる。手を見た瞬間、「これはすごいですよ。本当にすごいですよ」、ディーラーオープンの時には「エースキング!」と気合が入る。呼び込まれてディーラーはエースキング(ペアなしだが、ディーラーは勝負しなければならない)。生独?さんの手は、なんとフォーカード!

ベットに20倍、ジャックポットに$250とブラックチップがごそっと生独?さんの前に並び、生独?さんも最高♪さんも大興奮。いやいや、恐れ入りました。これを境に、私にもスリーカードとかツーペアとか入りだし、パシフィックポーカーには珍しく、$100近いプラス決算となった。さて、この上げ潮でノンネゴチップを現金化しなくてはならない。

だが、夜のバカラ台は昼と違って席は一杯だし、みんなレートが高い。100や200のベットではとても絞ることなどできない。仕方なくツラ目に相乗りするのだが、なかなかツラが伸びない。ずっと絞らないでいると半分眠ったような状態で、知らないあいだにチップがなくなっている。これはいかん!と大きく張って絞っても全然来ない。気が付くと、ノンネゴチップが残り5枚、現金チップが35枚ほどである。いつの間にか、$1000負けている!

これは今夜のスーパースター、生独?最高♪さんコンビに頼る他はない。はじめから、そうするべきだったのだ。BJ卓にいる彼らをみつけ、ファーストベースへ。すでに朝の4時を回っている。

 


夜のダイナスティホテル。カシノなので24時間営業です。

 

#5 夜明けの勝利

ファーストベースには私、左に生独?さん、中央に最高♪さんという位置関係。他にプレイヤーはいないので、最高♪さんのサードベースである。ディーラーは”まさやん” from Japan。「初心に返って」レッドチップでスタート。バカラの負けでくじけそうになる心を叱咤激励しながら、勝ったり負けたりをくり返す。10分もたたないうちに、勝負気配の流れが見えてきた。

私の勝負気配は、もちろん連敗モードに入らないことが大前提だが、考える(迷う)カードがこない、というところで判断する。もちろんBJなので勝ったり負けたりするのは許容して、最初の2枚で10、11、19、20、ディーラーのアップカードがローカードなどという手が続いたとき、ベットアップしてみる。逆に12対2、12対3、13対2などという組み合わせや、88なんて手が来る時は、しばらく辛抱である。

ちょっと場を乱して申し訳なかったが、$100ノンネゴチップを賭けてみる。最初いきなり11。ダブルダウンで4か5が来てこの回は失ったが、次のノンネゴ投入ではブラックジャック!その後も勝ったり負けたりで順調にノンネゴの現金化ができたのだが、圧巻はノンネゴチップ最後の1枚。生独?さんが「この1枚を5枚にしましょう」とビハインドベットしてくれたら、そのとおり5連勝。「この子はよく働くなー」と置き張りで、結局このシューでノンネゴチップの消化を終わり、加えて$500を挽回した。あと$500である。

圧巻は次のシュー。ノンネゴチップはすべて現金化したので、レッドチップで様子を見ていたのだが、「どんどん行きましょう」と生独?さんがグリーンでビハインドベット。「後ろでそれだけ賭けられたら、前も賭けないといけないじゃないですかー」などと言いながら、ベットアップ。すると、何もしないのに、ディーラーがバストしていくのである。最高♪さんが「噛めっ!」と命じると、ディーラーまさやんはアップカードピクチャーから4とか5を起こし、さらにピクチャーを引くのである。

再び連勝モードに入り、レッドチップを積み上げて(といっても私の場合は$60~$80が限界)回収また回収。当然お二人も大勝利で、生独?さんは勝ったパープル($1000)をしっかり胸に収めている。私も、マイナス分をすべて回収して水面上にわずかに顔を出すことができた。時間は午前5時半。この夜の教訓、「ツイてないときは信頼できる人に頼ること!」生独?さん最高♪さん、本当にありがどうございました。

今回のテニアンの勝負は実質的にこれで終わりでした。というのは、次の晩は眠くて体調が悪くて、すぐに部屋に引き上げてしまったからです。結果、カシノの収支はほぼイーブン(ちょいプラスかも)。エアー&ルーム&ミールクーポン&マリック分の勝ちとなったのでした。もう一ついうと、先月ホテルから連絡が入っていて、前回の遠征時(2月)に失くした時計が出てきたと言われていたので、これを取りに行くという用事もすますことができたのでした。

今回、生独?最高♪さんをはじめとして、いろいろな方にお会いできてうれしかったです。Tomiさんって、あの「カジノ猿」さんだったんですね。私はあのレポートを読んでテニアンに行ったのでした。智ちゃんsさん、リンリンさんご夫妻、Mr.あんさん。これからもよろしくお願いします。また、マリックショーでご一緒したKobayashiさん、Wakabayashiさん、カシノもご一緒していただき、ありがとうございました。Kobayashiさん、嵯峨野ごちそうさまでした。他にも卓を囲んだみなさん、またどこかでお会いできることを願っております。


ダイナスティホテルのショッピングモール。レンタカー屋さんやアイスクリーム売場があったが、カシノに入りびたりでこちらにはあまり来なかった。

[Jul 9,2005]