117 麻雀 [Apr 21, 2005]

いまではほとんど考えられないかもしれないが、バブル以前には、オフィス街に相当数の雀荘があり、仕事帰りのサラリーマンがひと勝負してから帰ることは全く当り前のことだった。

「カラオケ、麻雀、ゴルフはおやめなさい」などという本もあったが、私の記憶ではカラオケの隆盛はレーザーディスクが登場した1980年代半ば以降のことであり、ゴルフはいくらなんでも毎日はできない。その点、麻雀は毎日だって可能だし、4人揃わないとできないので3人から誘われると断りにくいことこの上なく、サラリーマンにとって一番縁の深いものであった。

当時の勤め先のルールは学生ルールと大差なく、「割れ目、ドボンあり、焼き鳥あり」くらいのもので、レートこそ社会人レートだが、それほどのインフレルールではなかった。私自身高校の頃から友達と徹夜で卓を囲んでおり、大学ではゼミ終了後には恒例で翌朝までという生活を送っていたから、麻雀は決して下手ではない(と思っている)。それでもあまり勝てなかった(負けもしていないが)のは、多分、性格が弱かったからだろう。

森巣先生も言うように、麻雀は長時間やれば上手の必勝である。何をもって上手というかを述べだしたら1週間くらいかかってしまうのでやめるが、あえてまとめれば「ベイシック・ストラテジー(BS)」と「場の読み」であろうと思う。ブラックジャックと同じように麻雀にもBSがあり、どのような状況でどう打つかということについては最適の解がある。ただし、BJと同様BSどおり打っても勝てないときはある。その時、どうやって流れを自分の方に持ってくるか、というのが「場の読み」である。

自分に流れが来ていない時どうするか?一番確実かつ簡単なのは、ツイていない奴を叩くことである。しかし、カシノと違い卓を囲んでいるのは親しい人であり、仲のいい人である。先週だけであの人は何万円負けたなんてのも分かっている。そういう状況で叩けるかというと、私には叩けなかったのである。もちろん上がりを見逃すことなどないにせよ、そういう人が親の時は安上がりはやめようとか、リーチを掛ければ下りるだろうから掛けるとか、余計なことを考えた。自分の成績は勝っても負けても大した額にならないよう心がけた(勝つと集金しないといけない)。

幸い、年を追って麻雀が衰退していき、今では声がかかることもほとんどない。ただ、親しい人同士のゼロサムゲームは、お互いに懐に余裕があることが前提であり、そうでない場合どうしてもしこりが残る。性格がよくない(=遠慮しない)人が勝つことになり、精神衛生上も良くない。この先もし再び麻雀をすることがあるとすれば、学生の頃のレートになるだろうと思う。

[Apr 21, 2005]