120 ブラックジャック [May 18, 2005]

別名、BJ(ビージェイ)。各プレーヤーに2枚、ディーラーに1枚ないし2枚のカードが配られ、ディーラーのカードのうち一枚が表にされる(アップカード)。プレーヤーは自分に配られた2枚のカードとディーラーのアップカード、参考として他の人に配られたカードをみて、もう一枚を引くか(ヒット)、引かないか(スタンド)を意思決定する。

カードの合計(絵札はすべて10と数える)が21を超えるとその時点で負け(バスト)。すべてのプレーヤーが意思決定を終えるとディーラーが2枚目を開く(または引く)。ディーラーの意思決定方法はあらかじめ定められており、それに従って各プレーヤーとの勝敗が決まる。

プレーヤーのとるべき最適の戦略は統計的に確立しており、これをベイシック・ストラテジー(BS)と呼ぶ。すべてのプレーヤーがBSに従うのであれば、基本的にバカラをしているのと同じである。バカラとの最大の違いは、プレーヤーが必ずしもBSを選択するとは限らないこと、これにより、自分に来るカードが左右されてしまうことが一つ。もう一つはダブルダウン、スプリットという賭け金増額のチャンスがあることである。

ダブルダウンは、2枚のカードの合計数とディーラーのアップカードを比較して、勝てる確率が高いと思われる場合にあと1枚しか引かないという条件で賭け金を倍増させることである。自分のカードが10とか11で、ディーラーが5とか6という場合に用いられる。スプリットは自分に来たカードが同じ数であった場合、それを1枚ずつにして新たな手を作る(それぞれに同額の賭け金を置く必要があるので、必然的に賭け金は倍増することになる)もので、Aが2枚の場合は攻めの意味で、8が2枚の場合は守りの意味で、用いられることが多い。

勝った場合、同額の配当がつけられるが、ブラックジャック(Aと10又は絵札)の場合1.5倍の配当となる。ただし、Aをスプリットした場合は、これに10とか絵札が付いてもただの21である。ディーラーのアップカードがAの場合、プレーヤーはディーラーのブラックジャックに賭けることができる(インシュランス)。インシュランスには、掛金の2倍の配当がつけられる。

さて、BJの特性としてゲームの流れが早いので、勝っても負けても波が大きくなるということがあげられるのではないか。プレーヤーの勝率はBSを選択した場合49%前後といわれているが、1時間にプレーヤーが一人の場合100ゲーム以上進行するし、複数プレーヤーがいても7~80ゲームは進行する。仮に80ゲームを同額ベット(1とする)で行った場合、平均値は大体-2、標準偏差は約9となる。[詳しくは統計的アプローチ

従ってほぼ2/3の確率で-11から+7の範囲に入るはずなのだが、体験的にはこのような穏やかな勝ち負けになることはあまり多くない。負けるときは-20くらいまで行くのに10分とかからないし、勝つときは+15くらいには楽に伸びる(そしてベットを増やして結果的には負ける)。

一番いいのは最初に勝ちの波に乗って、手持ちチップを増やした状態で悪い波をなんとか打たれ越すことだが、実際にはそういう望ましい流れにはなかなかならない。いい波、悪い波をなんとかやりすごせば、大抵の場合少なくとも4~5時間に一回はビッグウェーブが来る。それまで持ちこたえるか、それとも手持ちチップを使い切ってお帰りとなるかが、このゲームの分かれ目といえそうだ。

 

カシノでブラックジャックをプレーする場合の注意点として、2つをあげておきたい。一つは自分の選択の結果が他人に回るカードを左右すること、もう一つはカードカウントといわれる勝率を上げるための手段である。

自分の選択が他人のカードを左右するといっても、その結果が偶然であることは明らかであり、余分な1カードを引くことにより他人にいいカードがいくこともあれば、そうでないこともある。とはいえ、命の次に大事なおカネが賭けられている以上、他のプレーヤーの常識外れのヒットの結果負けてしまったような場合には非常に腹が立つ。カシノの根本は社交であり、社交とは人とのつき合いである以上、他人と不必要な摩擦を起こすことは避けることが望ましい。

従って、それなりに場数をこなしているベテランプレーヤーであるか、あるいは自分の平均ベットがテーブルの他のプレーヤーより明らかに大きい、という場合を除いては、サードベース(最後のプレーヤー)には座らない方がいい。直接、ディーラーに行くカードを左右することになるからである。

また、サードベース以外であっても、自分より一桁大きいベットをしている人と一緒になったら、さりげなく席を立つか、BSに忠実なプレーを心がけるのが無難だろう。遊びに行っているのに喧嘩になったらつまらないからである。

また、ディーラーのアップカードが7以上の場合、ヒットでもステイでもその人のスタイルとみられる傾向があるが、4~6の場合、12以上でヒットすると非常に嫌がられる。BSに基づかないというだけでなく、カードの流れが乱れると思われるからだ。同様の理由で、ディーラー一人勝ちの状況以外では、ボックスの開閉(賭けたり賭けなかったり、2手3手同時に賭けたりすること)は避けた方がいい。シューの途中でゲームに参加する場合も、プレーヤーに聞いてからにするのがマナーだ。

本当は、BJはもっとでたらめにラフにやった方が楽しいのではないかという気がするが、ディーラーとサシの勝負の時以外は、そうすることが身のためになるようである。

もう一つのカードカウントだが、映画「レインマン」で有名になったこの必勝法は、簡単に言うと場に出たカードを記憶しておき勝率が上がった時だけ大きく勝負する、というものである。この方法は数学的に裏付けられており、カシノの側も非常に嫌がっている。このため、BJ卓でバカラのように罫線をつけることは許されていないはずである(やってみたことはないが)。

とはいえ、統計的に勝率が49%から51%に伸びる程度の違いだから、かなり組織的・継続的にやらないと「必ず勝つ」とはいえない。年に数回カシノに行く程度のギャンブラーが、カウントがいいからといって大勝負してもいい結果に結びつくとは限らないし、第一数えるのは大層な集中力を要する。「ディーラーがバストしているから(カウントのいい時にそうなりがち)大きめに賭けてみよう」程度にしておくのが、リゾート&カシノプレイヤーにとってベターであるといえるのではないだろうか。

[May 18, 2005]