912 ポーカー戦略編その1 初手の考え方

1.はじめに

さて、身の程知らずにも戦略講座をやろうという訳だが、なぜこんなことをやるのかというと一つには自分の理解のためであり、もう一つにはポーカーサイトを覗いていると初心者講座から上級者講座までのスパンがひろすぎやしないか、と思うからである。ということで、毎日通勤電車で考えていることをまとめることにした。

テキサスホールデムの場合、自分がどのような戦略をとっているか知られるのは非常に不利であり、こんなことをHPに載せて裏をかかれたりするリスクは相当あるが、こうした戦略論は私の戦法のうちの一部に過ぎないので、あまりそういう心配はしていない。ましてや、人に真似されれば光栄ではあるが、私より他に真似をすべき人はたくさんいると思うから、まあ読み物として楽しんでもらえれば幸いである。

2.役作りの二つの考え方

テキサスホールデムでは、最初に2枚(ハンド)、次に3枚(フロップ)、その後1枚(ターン)、最後に1枚(リバー)と配られるため、その都度役作りに対する考え方を整理していかなければならない。大きく分けて役作りには二つの考え方がある。

ルート1:ワンペア→ツーペア→スリーカード→フルハウス→フォーカード

ルート2:ストレートまたはフラッシュ→ストレートフラッシュ

ルート1はヒットすることにより徐々に相手を上回る考え方であるし、ルート2は狭義の役作り、これができれば一気に逆転という考え方である。そして当然ではあるが、2枚しかないプリフロップの段階でルート2の役が確定していることはありえない。ルート2というのは何らかの方法でフロップ以降に勝負を持ち込まなければならないということである。

そして、ボード(コミュニティカード)は各プレイヤーにオープンかつ共通のものであるから、ルート2の役ができる可能性が大きいか小さいか、あるいは全くないかは考えれば分かるし、それが分かるようになるのがテキサスホールデム攻略の第一歩となる。

ルート2の役ができるかどうかがボード次第であるということは、大方のゲームはルート1の考え方で進められるということである。逆に、そういうときにルート2の考え方で参加すれば、勝つ確率は低いものの勝った場合に得られる成果も大きいということになる。

3.AAはなぜ強い?

初手の考え方を検討するサイト等において、AAのハンドで下りるべきだなどと主張しているものはない(ケースによって、そうしなければならないことはもちろんある)。それだけAAは別格で強いのだが、それはなぜだろうか。

1.プリフロップにおいて、最強(ナッツ)である。

2.コミュニティカード(ボードともいう)に2つ同じ数字がなく、ストレート、フラッシュができない(スト目・フラ目という)組合せで、かつAが出ていれば、ナッツである。

3.2.でAが出ていなくても、ハンドがポケットペア(手札がペア)のプレイヤーがいなければ、自分がいちばん強いペア(ハイペアという)を持っている。[ツーペアがいなければいちばん強い]

つまり、多くの場合にどのように打ち回すかということを考えた場合、ポジションを重視する必要がある。ポジションが良く他のプレイヤーの動向を見てから意思決定できる場合、ペアの数字以上の効果を期待することができるし、逆にポジションが良くなければ、常に後ろに自分以上のハンドの人がいることを心配しなければならない。具体的には、相手が一人しかいなくてかつポケットペアでなければ、ハンドが22でも十分勝負になるし、逆にQQを持っていても後ろからAA,KKが出てきたら勝ち目は薄い。

また、フロップが落ちてセット(スリーカード)になればきわめて強力な役であるが、それでも自分のペアの数字より上の数字がボードに見えていれば「自分がいちばん強い」かどうかは分からない。また、自分のペアよりも大きい数字の絵札が出るとほぼアウトである。というのは、AとかKとか、あるいはハイカード2枚を持っている人はかなりの確率でゲームに参加してくるからだ。

その意味で、ポケットペアはいろいろなことを考えながらゲームに参加すべきかどうかを判断することになる。

5.フロップでのヒットを期待するハンド

フロップでのヒットを期待するハンドの代表はAKである。俗に「当らなければただのブタ」といわれるように、2のワンペアにも負けてしまう手である。もちろん、フロップでヒットしなくてもターン、リバーでの逆転がありうる場合が多いが、その分リスクが大きく常に自分が引かなければ勝てない(現状のままでは負け)であることは心しておくべきであろう

AKの他にも、AQ、AJ、KQなど参加したくなるケースが多いのがこのハンドであるが、注意すべきなのは例えばAQであっても、望むのはAが落ちることではなくQがハイペア(ボードの数字の中で最も大きいのがQ)になりこの段階ではドロー(あと1枚で完成)で、ターン、リバーの結果待ちということが多い。ここで歯をくいしばるか、次のチャンスを待つかはそれぞれのプレイヤーの個性なのだろうと思う。

6.以上のいずれにも該当しないハンド

以上に述べたケースのいずれにも当らないハンドで参加するケースというのはBBですでにチップを置いているという場合以外はあまりないかもしれない。しかし、たとえ83だって8が3枚、3が3枚落ちればナッツだし、88332などという場合も実質ナッツである。こういうボードだと、「誰にも役ができないことに賭ける」という意味で、こうしたハンドで参加することはありうる。その場合、打たなければ意味がない(最後まで回ったら勝ち目がない)ので、それなりの勇気と技量が求められる。

7.総括~私の考える初手のとらえ方

以上述べてきた初手のどれで参加するかしないかということについては、「AA以外は参加しない」と「すべてのハンドで参加する」を座標軸の両端に置いて、さまざまの姿勢、考え方がある。だから、一律にポケットペアかA9以上とか決めてゲームに参加することは、自分にとって有利な選択肢とはいえない。

重要なのは、現在自分の置かれているポジション及びシチュエーション(チップ量、残り人数、ブラインドの額、テーブルの他のプレイヤーの打ち方、などなど)によって、その都度自分の立ち位置、どのレベルの手で参加するか、しないかを判断していくことなのではないかと思う。

さらにいうと、参加すると決めた時点で、ボードにどのような数字が出るか出ないか、他のプレイヤーがどのようなアクションをするかしないかによって、自分の次にとるべきアクションを想定しておく、ということが重要である。

だから、ボードを見て、あるいは他のプレイヤーのアクションを見て、考える(ふりをする)というのはあくまでインサイドワークであるべきであり、本気で悩むくらいなら初めからゲームに参加すべきではない。そこで考えるというのは最初に考えが足りなかったからで、その時点で当初のプランは崩れているからである。

[2005年]