030 ベガスカップSEASON3決勝(ポーカーの奥深い世界第30話) [Oct 18, 2006]

10月14日土曜日は、ベガスカップSEASON3(第3回)の決勝戦である。定刻午後7時の20分ほど前に会場のDUKEに着くと、すでに中は一杯だった。そして、あまり存じ上げない方も多い。というのは、このベガスカップはDUKEだけではなく、Corner Pocket、Bar Jack、Pleasureでも予選を行っているので、それらの店から勝ち上がってきた人たちもこの日は集結するからである。

賞品がベガス旅行であることから旅行会社HISの人もいるし、撮影班も用意されて、ところどころに照明が入っている。専業ディーラーも用意されている。そして、ゲームディレクターは店長のAmamuさん。さすがにベガスカップ。賞品だけでなく運営も本格的なのであった。

実は、この日の参加にはちょっと迷った。この決勝大会の持ちチップは4~9月の半年間の予選大会の実績により決まるのだが、実は10ポイントしか持っていなかったからである。チップの総量が2千数百点、チップリーダー(予選トップ)のKさんは300点持っているから、実にトップとの差は30倍。とても勝負になる点差ではない。一応、最初の90分でゲームオーバーとなった場合、セカンドトーナメントとして国内温泉旅行が賞品として提供されている「HISカップ」が行われるものの、参加する以上はメインでできるだけ残りたいというのが心情である。ただし、尋常な手段では残れない。どうしたらいいか・・・。

いろいろ考えた末、今回に限り、「とりあえず100点にするまで我慢」作戦ともいうべきいつもと違う作戦で臨むことにした。もしかするとまたいつか使うかもしれないので、細かいところは公表できないが、ともかく行くハンドを徹底的に絞り、行くと決めたらリミットでもノーリミットと思って行ってしまう。とりあえず平均チップの水準として100点を一つの目処として、そこまでは決して勝負を急がず、仮にチップ量が少なくなってもオールインを急がずに、ひたすら我慢する、という作戦である。とにかく10点しかないのである。勝負を急いだら最後1周目で終わってしまう。

定刻の7時半、Amamu店長の合図でトーナメントはスタートとなった。5テーブルスタートで私の席は4テーブルの2番。持ち点10点は少ない方から数えて2番目(最少は5点の侍さん)なのに、ボタン決めで早くもUTGを引く。最初の15分は1-2。15分ラウンドだから2回は回ってくる。黙っていれば4点だ。なんとか早めに勝負手がほしい。

開始第一局、カードが配られる。一枚目はAc、二枚目は・・・なんとAsだ。AAなんて、何ヶ月ぶりに見た。しかし、ここはまだリミットである。AAでも付いて来られると、やられる確率はかなり高いのだ。とりあえずレイズ。残りチップは6枚。ここは「ノーリミットのつもり作戦」である。ボードに何が出ようが、委細構わず打ちっぱなしである。AA以外のペアでもやるつもりだったが、AAなら考えることはない。ここで飛んだら仕方ない。

付いて来たのは2人。チューちゃんとBB(ビッグブラインド、BBSTARさんは不出場)である。フロップは3枚ばらばら。BBチェック。私はベット2枚で残り4枚、2人コール。そしてターンは。こんなところでスロープレイする余裕はなくベット4枚のオールイン。二人は下りて、幸先よく1勝、そしてチップは一気に倍増して20枚以上。なんとなく、そう簡単には負けないような気がした。向こうのテーブルでは、侍さんがやはり最初の勝負を制してチップを増やしているようだ。

さて、とりあえず20点持って秒殺される危険は薄らいだものの、周りがすべて50点以上持っている状況では、自分からは動けない。せっかくフロップでヒットしても、ターン・リバーで上のカードが出て打たれるとどうしても引かざるをえない。1-2のブラインドでも1周で3点減る。そうこうしている間にチップは12点と再び危険水域に。ブラインドは2-3、ポジションはミドルで、QQが来た。とりあえずレイズ。

2人がコール。フロップでA、Kは出ない。ベットが入っていたので、レイズオールイン。まだ二人とも付いて来る。ターンもローカード。二人ともチェック。今のところ一番強そうだ。あとはリバーで何も起こらなければというところで、無情にもが落ちた。一人が打って、一人が下りた。オールインではどうしようもないので、「何で最後にAが落ちるかなあ」とQQを開くと、なんと相手は99。サイドベットもない状況でなぜベットしたのかは謎であるが、ともかく生き残った上に、40点近くにチップが増えたのである。

そうこうしている間にテーブル合体で4テーブルに。隣のテーブルから移ってきたのは、チップリーダーのKさんと第二位のJ.O.さんである。ますます動きづらくなってしまった。どちらかが参加気配の時には、相当の手を見送った。ナッツフラッシュやフルハウスの手を捨ててしまった時にはさすがに気がめいったが、こういう戦法で行こうと決めていたのだから仕方がない。38だって、388と落ちればナッツだ、と思ってひたすら我慢である。

一番悔しかったのは、ブラインド3-5でハンドが99の時である。1人レイズで私とBBがコール。レイズした人は結局オールインになるのだが、残りが1枚である。フロップがJとローカード。BBチェック。私が先のアクションで下家は確実にオールインだろう。サイドポットを作りたくなかったのでチェックで回し、オールインの人が最後の1枚を入れる。二人コールでアクティブ2名。

ターンが。ここでBBがベットである。10枚は大きいし、サイドポットがない状況で打ってきたのだから、いわゆる「任せろベット」でトップペアかそれより上のポケット、2ペアかと思って下りたら、なんと2ヒットで打たれていた。オールインの人は88だったので生き残り、作戦上仕方ないとはいえ相当悔しい思いをした。

幸いに、ブラインドの時に二度チャンスがあった。一回はBBでハンドA4、チェックで回したらフロップが44Xというラッキーハンド。もう一回はやはりBBでSBのJ.O.さんとヘッズアップになり、Aを持っていたらAが落ちた。このハンドを勝ったときにちょうどテーブルバランスで1番テーブルに移る。ざっと数えたらチップ量は50点以上ある。スタート時点からみると5倍になっていた。

ブラインドは4-7に上がった。ここで来たのがJJである。とりあえずコールで入って、フロップで89Tと出た。ポケットペアにストレートドローが加わって、かなり強い手である。ここはベット。付いて来られたのはKZさん。非常にアグレッシブなプレーヤーである。ターンで再び。フル目となったが、構わずベット。ここでKZさんが下りてくれてポットを手にする。チップ量は100点を超えた。当初の目標達成である。

テーブル整理で残り3テーブル。よく残っているものである。だが、9時締め切りのセカンドトーナメント「HISカップ」の締め切り時間が迫ってきた。オールインして一気に勝負圏内かあるいは飛ぶかを考えなくてはならない。周りのチップ量をみる。多い人で200点弱、私より少ない人も何人かいる。チップリーダーはどうやら500点前後のようだ。5倍なら、なんとか勝負になりそうだ。HISカップをあきらめて、ベガスカップ決勝に集中する。

逆にHISカップに目標を切り替える人も多く、このあたりで一気に人数が減って、ほどなく2テーブルに。このあたりは一進一退で、どうもセカンドトーナメントに出られなくなってからカードが弱くなってきた。ブラインドはチップの色が変わって5-10から10-15へ。100枚位のチップでは厳しい水域に入りつつあった。そろそろ、勝負をかけなくてはならないだろう。

しかし、手が来ない。UTGで22とか44とか来られても、とても行くことはできない。じりじりと周回を重ねてチップが減っていく。いいポジションでは先にオールインされてこちらはJ5とかK2だし、ポジションの悪い時には我慢するしかない。ただ、もともと10点スタートなので、不思議と落ち着いていられたのではあるが。

いよいよブラインドは15-25に上がる。手元のチップは55点に減っている。BBが来る。とても勝負にはならない手で下りる。次のSB、ハンドは89である。コネクトだから行けないこともないが、あと15点を入れても入れなくても他の人のアクションは一緒であろう。ならば、ここまできたらあと1周手をみようと思った。フォールド。そのときのフロップはなんと7TJであった。最後はテーブルバランスや飛びで一気にBBが回ってきて、Q6で強制オールイン。相手はAAで玉砕、ゲームオーバーとなった。

こうして私のベガスカップSEASON3は終った。超ショートスタックからがんばったと自分では思っていたが、20ポイントスタートのSaitohさんはファイナル直前まで残り、優勝したJamesさんは38ポイントスタートである。まだまだ、修業が足りない。今回自分に何が足りなかったかは分かっている。シフトチェンジができなかったことだ。AA、QQ、JJとハイペアの時に上のペアが出なかったのは運、それから一歩進んで何か出来なかったところはまだまだ未熟である。

次回はぜひ、もう少しチップを持ったところから始めたいものである。

[Oct 18, 2006]