063 第2回AJPCメインイベント(ポーカーの奥深い世界第63話) [May 26, 2008]

はじめに今回のAJPCメイン、残り2テーブルでチップリーダーだったのに、44オールインなどでチップを減らし、結局9位に終わってしまったことについていろいろご意見をいただいたのでまずそのことから。

私がトップに立っていたのは11ラウンド、アンティ1000のブラインド4000-8000である。この時点で約12万点持っていたものの、これはおよそ15BBにしかならない。これから1周で2万点近く減っていき、さらにショートハンド(フルテーブルでない)の戦いになる。人が減るのを黙って待っているほどの余裕はないと考えた。

この時点でとりうる有効な戦略の一つは、積極的にオールイン要求を仕掛けていくことではなかろうか。スチールできればいいし、仮に受けられてもいっぺんに飛ぶことはない。あのケース、JPLごんたさんのチップ量からみてA9でコールされるとは予想外だったが、それでもこちらが有利なじゃんけん(55:45)である。むしろごんたさんのナイスコールをほめるべきだと思う。

また、残り1人でファイナルという時にオールインスチールを図ってAJで受けられたことも、仕方ない。もちろん、未知のメンバーと戦うときはもう少し慎重であった方がよかったということはあるが、ここで反省すべき点はもっと別にあると思っている。それはこの記事の最後に書くのでお楽しみに。仲間内のある人が以前とった作戦、といえばピンとくる人はいるかもしれない。

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5月18日午前10時、いよいよAJPCメインイベントが始まった。エントリーは予選通過の94名。およそ8分の1の予選通過確率にもかかわらず、結構顔見知りの人が多い。指定されたテーブルはH-9。9人テーブルで下(H-1)がかずさん、その次(H-2)がジェームスではスチールがしにくい。次のH-3も上野でよくみるGさとーさんである。そして、上の何人かは知らないメンバー。対面あたりに、予選一緒だったコスプレの彼女がいた。

試合開始。10000点持ちなので、アンティが始まるまでは序盤戦である。ハンドは依然として来ないので、席を外したり他のメンバーの打ち方を観察する。特徴があったのはコスプレの彼女の下に座っているU氏。とにかく、レイズが多い。そして、フロップ以降もどんどんベットする。一度大きく減らしたが、その後またチップを増やして早くも15000点近くになっている。

レイズは1周に1、2回。しかしボタンでレイズしなかったり、ブラインドあっさり下りたり、ときたま開くカードを見ているうちに、A持ちでレイズしているような気がしてきた。

ラウンド3くらいのSB、手の内はミドルカードだが、彼がレイズしたのでコールしてみる。フロップ9以下のスモールカード、トップペアとわずかにストレート目。先にベットすると、コール、ターンもスモールカード。今度はチェックするとベットされて、コール。ここまでは勝っている確信があったが、リバーは無情にもである。チェックしてポットベットにはフォールドせざるを得ない。

残りは5000点少々。しかしボタンJTsで参加したときにフロップ、ターンでそれぞれ。しかもBBのジェームスもJを持っていてオールインされたのでコール、なんとかキッカーで勝って原点に戻す。

休憩後のラウンド5、アンティ100ブラインド300-600あたりからはいよいよつぶし合いである。ここで再びU氏と当たったりしてチップは4000点台。ボタンで再びJTs。オールインである。かずさんはフォールドしたが、ジェームスがちょっと考えてコール、いよいよ命がけのじゃんけんである。しかし開かれたカードはAKかなり不利である(40:60)。

しかもフロップにが出た。絶体絶命である。まあ仕方ないとほぼあきらめたのだが、ターンで、リバーでが出て逆転。再びジェームスに救われた。いつか恩返ししなければならないだろう。再び10000点を越えたあたりでテーブルブレイクとなる。相性の悪かったU氏と離れて、移動した先はEテーブル、ちばさんやべいさんがいて、上家はシニアと同様あきさんである。少しは運が変わるといいなと思った。

 

 

この日はJTで2度オールインとなったように、ハンドは来ていない。しかし、すでに1回目の休憩が終わりアンティも始まっているので、いつまでも手が入らないと言ってはいられない。スチールでもポジションベットでも、仕掛けていく他にチップを増やすすべはなさそうだ。

第7ラウンド、アンティ200のブラインド600-1200。BBで3人コールで回ってくると、ハンドはAK。本日一番である。残り10000点あまりをオールインすると、全員フォールド。もちろん信用維持のためハンドを開く。

第8ラウンド、アンティ300のブラインド1000-2000。ここでUTGのちばさんがミニマムレイズ。ちばさんはこの1周くらい前に、AAオールインを逆転負けした直後AKオールインを勝ってすぐに元に戻している。ハンドは入っているなと思ったのだが、なんとなくミドルペアのような気がした。

こちらのハンドはAJ、ポジションが悪ければ見送りたいところだが、ボタンで他はみんな下りている。ここが勝負どころと「オールイン!」。ちばさん長考。チップはこちらより多いが、かといって受けて負けると原点を割るくらいである。

4000点は失っても致命傷ではない。誘いのミニマムレイズでなければ下りると読んだのだが、ちばさんKJを見せて下りてくれた。こちらもAJを開く。こういう駆け引きも、ポーカーの醍醐味の一つ。ともかく、これで16000点となり、直後にテーブルブレイク、昼食休憩となった。

80分の昼食休憩の間に、レディースのファイナルテーブルが開始となる。ほとんどが知ったメンバーであるが、まりさんとさえこさんのチップが多い。また鶴亀夫妻の奥さん(亀さん)が、どこで入手したのか大きな亀の甲羅をもってきている。ワシントン条約に触れないのだろうかと少しだけ心配になる。

我中メンバーはおそらくすかいらーくに行っているだろうと思ったが、あえて別線で蕎麦屋を選ぶ。予想通りすいていたが、先客にかずさんがいらっしゃった。お聞きしたところ、チップは私と同じくらいで、次の1時間が勝負ですね、と話をする。

3時30分、レディース決勝はまだ続いているが(最後まりさんが優勝)、試合再開である。テーブル移動した先のBテーブルには予選でお世話になったGONティーがいて、私が移動した直後にダブルアップして30000点以上持っている。

第9ラウンド、アンティ500のブラインド1500-3000。テーブルが動いて流れが変わるかと思ったのだが、相変わらずハンドは全く入らない。前のテーブルでAK、AJが来たくらいで、ハイペアが全く来ない。結局この日99が最高でTT以上のペアが来なかったのだが、これでよく残っているなあとわれながら思った。

ここ1時間くらいは、スチールでしかポットを取っていない。このラウンドも何回かスチールしたが、そのうちに「今日は手は来ないな。これでいくしかなさそうだ」と半分覚悟を決めた。そして、下りてくれそうなBBを選んでオールインスチールである。幸い、GONティー以外は知らない人ばかりなので、別に義理はないのである。

第10ラウンド、アンティ500のブラインド2500-5000。引き続きスチールである。ここには書けないようなハンドでも、行けそうだと思ったらオールインした。苦しいところでボードフラッシュのチョップなどもあって、なぜかチップは35000点、休憩時の倍にまで伸びている。

第11ラウンド、アンティ1000の4000-8000。ここまでともにがんばってきたGONティーのBBというゲームになるが、あとブラインドもう一回分くらいしか残っていない。エニーハンド・オールインは確実。ハンドも来ないし、そろそろ自分も勝負をかけようかなと思う。

すると二つ上がレイズメイク20000点、そして上家がコールである。上家は、最初のテーブルでさんざんやられたU氏、チップをたくさん持っている。ただ、彼がA持ちなのはほぼ確実だから、オリジナルレイズもA持ちだとすると、Aはあと2枚しか残っていない。

ゆっくりハンドを見る。KcQcである。現状負けているのは確実だが、KQが出てAが出なければおそらく勝ちだし、最悪KQを持たれていてもクラブ3枚というまくり目は残る。もしかして、メインポットGONティー、サイドポット私となれば予選の恩返しができるかもしれない。

 

 

Bテーブルの5番なので、正面が観戦者エリアである。GONティーと私がいるので、あけみんやせりかっち、我中難民や大阪ポーカーオフの方々にアクションをみられてしまう。めったなことはできないが、ここでKQsは入れ時だろうと思った。「オールイン!」4万点弱のチップを前へ進める。

BBのGONティーは予想通りオールイン。そしてオリジナルレイザーが悩んだ末にダウン。U氏はほとんど迷わずにコールである。ハンドを開く。GONティー33、U氏A3、なんとKQsが最も有利である(40:30:30)。そして、私の読みどおりなら、Aはあと2枚しかない。

フロップでKとJが出る。完全に優勢。ターンで、したがってAが出ても大丈夫だが、Tのストレート目が残った。そしてリバーラグ。やった。4人分のチップが私の前へ。合計およそ11万点、この時点で残り2テーブルのチップリーダーとなった。

しかし、よかったのはここまで。オールイン要求のレイズをJPLごんたさんに受けられ、44vsA9の有利なマッチアップをあっさりエースで落とし38000点減らしてから、全くじゃんけんに勝てなくなった。K9vsK8の75%さえチョップになってしまう始末。ただ、ハンドは最初から終始来ていなかったので、あまりがっかりはしなかった。

残り2テーブル、あと一人でファイナルテーブルというところでKT。この時点でアンティ2000のブラインド8000-16000、ポジションはUTG、持ちチップは約5万点である。おとなしくブラインドを払えばファイナルテーブルには残れるが、そこからは残り1周の命となることは確実。

ここで行くかBBで行くか。ただ、KT自体本日上位10%に入るくらいの好ハンドである。BBでこれ以上の手が入るとは思えないし、これより低いハンドでオールインスチールを何回もやっている。それで結局オールイン。BBにAJが入っていてじゃんけんとなり、またまたあっさりエースが出て、負けた。

残り約2万点。直後に残り10人のファイナルテーブルになり、この席決めでいきなりBBとなり、万事休した。三人オールインとなりサイドポットで飛んだので結果は9着。「ファイナルテーブルに残れなかったファイナリスト」と呼ばれることとなったのである。

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さて、最初に述べた反省点であるが、このときどうすべきだったのか。実際にはKTオールインをかけたときのゲームでもう一つのテーブルで1人飛んだのだから、「誰かが言い出すまでアクションせず、隣のテーブルの結果を待てば」よかったのではなかろうか(時間を計られたらとりあえずコールするという手もあった)。

BBが来なければ急いで勝負に出る必要はなく、KTをフォールドすることも難しくはなかったはずで、ファイナル10名に5万点持って残れていれば別の展開もあったかもしれない(結果的にBBスタートとなってしまったけれど)。

もっというと、チップを持ってからずっと、タイムコントロールするという視点でゲームを進めていなかったことは大きな反省点である。かつてテニアンで勝った時、残り2テーブルの後半でこのことに気を使っていたのはJumboさんだった。今回は私がその役割を果たさなければならなかった。

それを、再三オールインスチールをかけたりして、むしろゲームのスピードアップを図ってしまった。このことが最後に、自分自身がブラインドの重圧につぶされる原因になってしまったように思う。

今後海外でトーナメントに出た場合、イン・ザ・マネー前後でこうしたシチュエーションは必ずあるはずで、いまのうちにこういう痛い思いをできたことはかえってよかったのかもしれない。

[May 26, 2008]