064 アウトサイダーズカップ(ポーカーの奥深い世界第64話) [Jun 4, 2008]

いよいよ今月はWSOPである。すでにイベント1は始まっていて、早くも日本人初のインマネプレーヤーが出たということだが、わたし的にもイベント42に向け、万全の準備を整えなければならない。

22日に出発するので残すところあと3週間、まず今週は、WSOPに準じたストラクチャーで開催されるアウトサイダーズカップに登録した。ちなみに、来週は上野・ストラドル杯と決めているが、再来週はどうしようか検討中である。遠征に備えて家族サービスもしなければならないし、いつも行っている小諸そばの上に道場があって、ここでも大きなイベントがあるらしい。

さて、話は戻ってアウトサイダーズカップ、もともとはテニアンで行われたエベレストポーカー・ジャパンカップの決勝に進めなかったメンバーによるトーナメントであった。そういう発端からこの名前となったのだけれど、回を重ねて第4回、現在では本場を意識したロング・ストラクチャーの大会として、多くの参加者を集めている。主催者のさいかさんは、AJPCでもフロアーをされていた方で、アイデアにあふれた演出をいろいろ用意されているのであった。

会場となる馬喰町・DUKEに着くと、かなりの人である。5テーブルがほぼ満卓だから50名弱であるが、知っている人が2/3くらい、あとの1/3は知らない人である。3000点持ちのスタートで、ストラクチャーはWSOPの$1500バイイン・ノーリミットと同じ。1ラウンド60分が25分となっているものの、予行演習としてはぴったりのトーナメントである。

指定されたのはBテーブルの8番。「88じゃスプリットだなぁ」と思いながらテーブルに着くと、上がAJPCでお世話になったGONティー、下がディーラー兼プレーヤーのあぞくん、その次からてしさん、ちばさん、やまかんさんと並んでいて、その後ろのバケーションはマニラからこちらに向かっているBBSTARさん。そして対面にはAJPCメインで3位のおれんじえーすさんがいる。隣近所よく知っているプレーヤーが多いということは、スチールがしにくいということである。

ディナーブレイクまで残っていた方には、賞品としてディナーチケットを差し上げます」と主催者さいかさんから発表がある。でもディナーブレイクは12ラウンド、およそ5時間後のことであり、そんな先のことはまだまだ考えられない。1時半に「シャッフル・アップ・アンド・ディール」の声とともにトーナメントが開始された。

ともかく序盤は様子見である。一度フラッシュを引きに行って失敗したが、それほど大きな傷ではない。3ラウンド100-200くらいまで、私だけでなくテーブルのみんなも大きく動かなかった。4ラウンドからは早くもアンティが始まる。100-200はそのままだがアンティ25、スチールしがいのあるポットとなる。

このへんのラウンドで幸いにハイペアが続いた。レイズやリレイズでボードが開き切る前に下りてもらうのだが、ブラフでない証拠にハンドを開く。最初はKK、次はQQ、その次はJJ。「だんだん下がってきますね」と言われてしまった。このあたりでBBSTARさん登場。マニラのAPPTを戦ったばかりで、成田からこちらに直行されての参加である。92が来たらレイズしようと待ち構えるが、いつも来るはずのハンドがこういうときに限って来なかったりする。

開始から約4時間後の第8ラウンド、アンティ100の400-800。UTGでチップは10000点と少し、そしてハンドは44。残り2テーブルくらいなので平均チップ以上はあるが、ブラインドが回ってくる前に少しでも増やしたくてメイク3200点のレイズ。そしたらショートスタックが一人オールイン、そして上家(BB)のまるさんもさらにレイズオールインである。

チップを数えてもらうと、上にあと7000点。それをコールと、あと1000点も残らない。

 

 

3人(ないしそれ以上の)オールインに参加するかどうかは難しい選択である。AJPCのときはGOの選択をしてトリプルアップという最高の結果が出たけれども、そうそういつもうまく行くわけではない。そして、下りてもそこそこ勝負になるチップ量が残るケースでは、ますます冷静な判断が必要である。

ある程度のチップをすでに出している状況では、どうしても「行きたい」気持ちが先にたつ。しかし、プリフロで100%勝ちなどというケースはない。せいぜい85%、6回に1回は負ける。大小で10とか11が出るのと同じ確率だから、そういうことがあっても全然不思議ではない。

ましてや今回は44である。オールイン2人のハンドは何か?Aとハイカード、ペアの可能性を半々として、4分の3の確率で上のペアを持たれている。2分の1ならば一か八か目をつぶって飛び込めるが、「二人相手じゃ無理」と考えて、結局フォールド。

そして二人が手を開くと、AJAQ、二人ともAとハイカードである。ということは、飛び込んでいれば一番有利だったのである。さらに、ボードにはAもQもJも出ない。行けば勝っていた訳で、絶好のチャンスを逃してしまった。

直後にかずさんとのオールイン対決をAXsから、ランナーランナーでフラッシュを作って命拾い。なんとかチップ量を12000点に戻す。このあたりからどんどん進んで、このチップ量でファイナルテーブルへ。

ファイナルテーブルのメンバーを見ると、ほとんどが勝手知ったる「渋い」メンバーである。ビッグスタック&ロングストラクチャーのゲームになると、経験が物を言う場合が多いということかもしれない。

「イン・ザ・ケーキは6位からです」とさいかさんから発表される。6位になると入賞賞品としてケーキが出るのであった。そしてあと1時間ほどでディナーブレイクとなり夕食の提供もある。とたんにみんなの手が止まり、ほとんどボードが開かなくなる。

その間にもショートスタックのオールインがあって、たまたまBBだった私がコールせざるを得ない状況となり、そこをなんとか勝ち残るという幸運が続いた(ノールックでコールしたら55だったりして)。チップはいつの間にか20000点を超えている。ここで問題の場面となった。

第12ラウンド、アンティ300のブラインド1000-2000。すでに入賞のケーキも出て、夕食権利(オーダー)も獲得している。対面のちばさんが大きめのレイズ。次のドレちゃんの手が止まる。大分迷っている様子。ちらっと自分のハンドを見ると、なんとQQ。ドレちゃんのアクションにかかわらず、リレイズオールイン確定である。

熟考の末、ドレちゃんはフォールド。待ち構えたように私が「オールイン」。チップ量はちばさんと同じくらい。コールされるだろうという予想に反して、ちばさんもフォールド。正解ですよ、とハンドを裏返すと、なぜかそこにあるべき絵柄がない!!なんとQ9をQQと勘違いしてオールインしていたのだ。

あわててマックしようとしたものの、ディーラーのフルハンドこばやしさんに、「もう見えてるから」と裏返されてしまう。ちばさんには大変申し訳ないことをしてしまったが、これでなんとかディナーブレイク後に残ることができた。私、まおすさん、めぇ社長、ドレちゃんの4名である。

 

 

ディナーブレイク時点では私がトップだったが、次の第11ラウンド、アンティ400のブラインド1500-3000で、ドレちゃんのオールインを受けてのA8vsK5の6:4を落として(それもフロップで)、あっという間に平均チップを割った。

それでもなんとかがんばっていたら、とうとうヘッズアップまで残った。約13万点のチップを私とめぇ社長でほぼ半々。再びさいかさかの演出でヘッズアップのテーブルには「ショウ・ザ・マネー」、嘘物の札束(入浴剤)が置かれていよいよ最終決戦である。

第12ラウンドでアンティは500、ブラインド2000-4000である。6万点ずつだからレイズ、リレイズとなればすぐにオールインである。2回続けて打たれて下りる。上下4000点だから、2回負けて1万6千点の差がついた。ゆっくりしてはいられない。

次は私のBB、めぇさんコールでハンドは25、チェックである。フロップ開いて256、スペードが2枚。ツーペアができている。俗に言うところのブラインドスペシャルである。ベット8000点にめぇさんコール。これでポットは2万4千点、次はオールイン十分である。

ターンがスペードの9。スト目フラ目満載であるが、かえってその方が都合がいい。チェックにめ社長2万点のベット、もしかしてフラッシュができているのだろうかと思うが、そうだとしても4アウツのフルが残る。初志貫徹で「オールイン」である。

めぇさんは少しだけ考えてすぐコール。そして開いたのは78、ストレートであった。ナイスコールである。そしてリバーはラグ、この瞬間め社長の優勝が決まったのであった。

つまり、引っ掛けたつもりがターンでは逆転していた訳で、一枚上を行かれていたということになる。完敗であるが、かといってフロップでオールインしたとしても、ポットは取れてもブラインドスチールと同じで実入りは少ない。それではプリフロ25でレイズするのかというと、それもまた勇気がいる。

だからやり方は拙かったとしても、め社長のナイスコールと引きの強さを称えるべきであって、大きなミスということではないだろうと納得したのであった。

引き続き、サブイベントのリミット・トーナメントに参加する。こちらもラッキーが続いて、またもやイン・ザ・ケーキ。そしてヘッズアップにまで残ったが、その時点で優勝したひろぼーさんのチップの8分の1くらいしかなかったので、これは仕方がない。

結局、終了したのは11時過ぎ。延べ10時間にわたるトーナメントは本番の予行演習としては最高だった。主催者のさいかさんはじめ、みなさんには大変お世話になりました。また、楽しませていただきました。

ちなみに、チョコレートケーキ、パスタ(ディナーチケット)、チーズケーキと3賞品をすべて制覇し、また合間にビールやジントニックを飲んでいたにもかかわらず、翌朝測ったところ前の日より2kgも体重が減っていた。ポーカーは体力を消耗するものである。

[Jun 4, 2008]