512 あしべゆうほ「悪魔の花嫁」 [Mar 10, 2008]

「デイモスのはなよめ」と読む。1975年からプリンセス連載。

「がきデカ」で一気に少年マンガ界の主力にのし上がった秋田書店であるが、少女マンガ界では月刊誌プリンセスがなかなか伸びなかった。後に「エロイカ」がブレイクするまでは、この作品や青池保子の前作「イブの息子たち」あたりがメインであった。(ちなみに、「王家の紋章」は私は絵的にキライ)

はるか昔の神話の世界、妹の美の女神ヴィーナスを愛したために、兄のデイモスは悪魔とされ、黒い羽と角を与えられ天上界から追放された。そしてヴィーナスも生きたまま池の底にさかさ吊りにされ、すでに体の半分は腐ってしまっている。

妹を愛するデイモスは、ヴィーナスが人間界に生まれ変わった美奈子(みなこ)を殺して、その肉体をヴィーナスに与えることを思いついた。そして美奈子の前に現われるのだが、魔界に連れて行こうとするたびに何か事件が起こるというストーリーである。

大体は、美奈子に関わりのある何かの欲にとりつかれた人物が破滅していくという物語なのだが、そんなこんなでいつもデイモスの計画は頓挫してしまう。そして、生まれ変わりにもかかわらず、ヴィーナスは「いつまでもこんなところに私を放っておいて」と恨むし、美奈子はもちろん死にたくないから抵抗する。別人格なのである。

こんなストーリーをどうやって収束させるのかなあと思って見ていたが、いつもデイモスは美奈子を連れて行けずに次回へ続くとなる。結局、結末が示されないまま連載終了に至ってしまった。

落ちを考えずに連載をはじめるなといいたいところだが、結末まで行かないまま終わってしまったにもかかわらず名作と言われるのは、この作品あたりから始まった傾向かもしれない。同じような作品があるのだが、その話は次回にでも。


長期連載なので、最初と最後では絵柄が違う。この表紙は落ち着いてきた頃の絵。

[Mar 10, 2008]