560 雁屋哲・池上遼一「男組」 [Jul 24, 2006]

1974-79年少年サンデー連載。「巨人の星」「あしたのジョー」で少年マガジンに差をつけられて以来長らく低迷していた少年サンデーを一時期支えていた人気連載。原作の雁屋哲はこの作品の印税で高級料理を食べつくし、「美味しんぼ」の構想につながったという、その意味でもエポックメーキングな作品。日本刀を手に神竜剛次が「大衆は豚だ」と言う場面はあまりにも有名。

神竜が暴力で支配する高校、青雲学園(星飛雄馬の出身高校である青雲高校とは別・・だと思う)に無実の罪で少年刑務所に入れられている流全次郎が校長の要請により特待生として入学してくる。流は、親殺しという無実の罪が晴れるまでは、と自らの両手を手錠でつないでいるのだが、その流と神竜、そして「影の総理」と呼ばれる政界の黒幕(じつは神竜の実の父)の3人が単行本二十数冊にわたって三つ巴の抗争を繰り広げるという、見方によっては非常に単純なストーリーである。

とにかく全編にわたって、殴り合い、蹴り合い、斬り合い、撃ち合いの連続である。無敵の中国拳法の使い手とか殺人機械とかいろいろ出てくるが、流か神竜に倒されていつの間にかいなくなることになっている。

主要登場人物のほとんどが空手や合気道、古武道の使い手であるが、最後は機動隊の銃撃の前にあえなく倒されていく。このあたり、1969年公開の映画「明日に向かって撃て」(ロバート・レッドフォード/ポール・ニューマン主演。主題歌はBJ.トーマス”Rain Drops Keep Fallin’ on My Head”)の影響が窺える。

雁屋・池上のコンビはこの後同様のテーマで「男大空」を連載するが、その後袂を分かち、雁屋哲は「美味しんぼ」で、池上遼一は「Crying フリーマン」「サンクチュアリ」等のヒット作品を連発した。最近では新境地を開いてギャグまんがに進出したとの噂もあるが、絵が同じだけで作者が違うというのが真相のようだ(「魁!!クロマティ高校」)。こちらは男組と同じく荒れた高校の抗争物語だが、ゴリラ高校生やロボット高校生が登場する。


雁屋哲は元電通社員。この作品で原作者として確固たる地位を築きました。元水木しげるのアシスタント池上遼一もメジャーに。

[Jul 24, 2006]