812 魔夜峰央「パタリロ!」 [Jan 24, 2008]

1978年花とゆめで連載開始。よく知らないが今でも続いているそうである。百鬼丸のツマブキくんがガス床暖房を盛んに奨めているが、そのたびにこのマンガに出てきた「ガステレビ」を思い出してしまう。あれから20年以上経つが、未だに東京ガスはガステレビを実用化していないようである。

魔夜峰央は確か花とゆめの第一回新人賞の受賞者で、少女マンガ系には珍しい男性作家。最初は怪談マンガを描いていた(パタリロにも時々登場する)が、なぜかシニカルなギャグ漫画に転向した。本筋は、南太平洋上に浮かぶ小国マリネラの皇太子であるパタリロ殿下が、英国MI6の諜報部員バンコラン少佐とさまざまな事件に巻き込まれるというものだが、上にあげたガステレビのように本筋以外の方がおもしろい。

妖怪が部屋の中に入ってこないようにお札を張れと言われたパタリロが、花札や質札を貼った末に鍋の蓋を張る。バンコランに「これは分からない」と言われたパタリロが「おふた」と答えるところは、今思い出しても壷に嵌るところである。

これは落語にあるらしいのだが、藪医者より腕の悪い医者が「雀医者」(そのこころは、だんだん藪に近づく)、雀医者よりさらにひどいのが「土手医者」(そのこころは、藪にもなれない)、そして最悪なのが「ひも医者」で、ものがひもだけに、こいつにかかったら確実に死ぬ、なんてのもあった。

あと、戦闘ロボット「プラズマX」っていうのがいて、パタリロが「それだけじゃないぞ、サインもできる」と言って書かせたサインをみて、バンコランが「戦闘能力はともかく、国語能力には問題がありそうだな」と指摘してしまい、プラズマXが悩んでしまうなんてシーンもあった。それで、「○○能力はともかく××能力には問題がある」というフレーズを時折使ったりするのだが、今では誰も分かってくれない。

こういう小ネタが面白いので、テレビアニメになって「だーれが殺したコックロビン!」なんてシーンを見たら、かえってがっかりして読まなくなってしまったのだが、その後もしぶとく続いていたようだ。どこかに残っていれば、初期の作品を読み返してみたいものである。


青池保子はまだ若干名の女の子が登場するが、こちらの作品では主要登場人物に女の子はいません。みんなHOMO(いまはゲイっていうのか)。

[Jan 24, 2008]</p