813 三原順「われらはみだしっ子」 [Nov 17, 2005]

1975年より「花とゆめ」連載。短編連作のため正しくは「はみだしっ子シリーズ」というべきなのかもしれない。「われらはみだしっ子」は初回のタイトル。

少女マンガにもかかわらず、主人公は4人の少年。いずれもいろいろな事情により家を出て、いろいろあって4人で共同生活を送るようになる。最年長で優等生的なリーダーシップをとるグレアム、やや不良キャラ(家出少年だし)でグレアムに反発しつつ別の意味でのリーダーシップをとるアンジー、二人よりちょっと年下で屈託がなくのびのびしているサーニン、一番年下で甘ったれで末っ子キャラのマックスである。

始めの頃は絵柄も明るくて、4人が巻き起こす事件もドタバタ的なものである。出会った頃の設定も小学校低学年くらいだから本当はもっとおとぎ話的な作品だったと思う。だが、好評で続編を描き続けるうちに段々と絵柄も暗くなり展開もより内面的になっていく。4人の年齢も上がっていき、子供たちががんばって生きていくというよりは、青年たちがさまざまの悩みを抱えてそれらとどう折り合いをつけていくか、ということになる。

だから、熱烈な読者層というのは当時からいたし、今読んでもさほど古さを感じさせない作品ではあるが、一般的「花とゆめ」読者層からすると、後期の作品は特に、ちょっと難しかったのかもしれない。「花とゆめ」の当時の連載作品では、「ガラスの仮面」がご存知のようにいまだに語り草になる人気があるし、「スケバン刑事」はTVドラマ化されて作品名は相当知られている。三原順の作品はそれらと比べて絵も古臭くないしストーリーも洗練されているのだが、熱烈に支持する層とそうでもない層がいたような気がする(多かれ少なかれどの作品もそうですが)。

だからもう発表から30年近くたって、いまだにこの作品を覚えている人がいた、というのはちょっと驚きである。最近書評欄が「名作コミックス劇場」になってしまっているのだが、それはそれとして、それならもう少しマニアックな作品を選んでみようかな、と思っている。ちなみに、作者の三原順さんは10年ほど前にお亡くなりになっている(合掌)。


作者はちょっと前にお亡くなりになったそうです。合掌。

[Nov 17, 2005]