817 森下裕美「荒野のペンギン」 [Apr 23, 2014]

この間ホームページの過去記事を整理していたときのことである。「ちょびっツ」の記事を読み直したところ、ふとこの作品のことを思い出した。正確には覚えていないが1980年代前半の作品のはずである。

「荒野のペンギン」というのは短編シリーズで、中年のあっさりしたおじさんが主人公のものが多いが、そうではないシチュエーションの作品もある。ちょびっツで思い出したというのは(両方読んだ人には明らかですが)、人間型の家事ロボットが登場する作品である。ネットで調べたら、「少女時代」という作品のようである。そういう題名だったかもしれない。

未来のある時代のこと、家事ロボットが普及していて、主人公のおじさんも女子高生の家事ロボットを家に置いている。人間の奥さんはいないのだが、その時代にはロボットを連れて歩いている人の方が多くて、買い物をしているのもロボット。見た目は人間と見分けがつかないのである。(このあたりはちょびっツと似ている)

ところが、おじさんの女子高生ロボットは出始めのものだったので、もう耐用年数をオーバーしている。もう修理する部品もないので、おじさんの知り合いである修理屋さんのところで何とか直してもらっているが、歯車がきしんだり油が漏れたりしてしまう。修理屋さんは新製品への買い替えを進めるのだが、おじさんは彼女でなければダメと受け付けない。

ある日、女子高生ロボットが買い物の途中に盛大なオイル漏れを起こしてしまい、ひとりで修理屋さんのところに行ったところ、陰で自分のことを「今頃オイル漏れ起こしてるかもしれないなあ。あれだけ古いともうどうしようもないよ。あのロボットも、自分からスクラップになればいいのに」と言っているのを聞いてしまう。それを聞いた彼女は、自らスクラップ場に行くのだが、というストーリーである。

わずか20ページくらいの短編なのに、なぜか印象に残る作品であった。この作者はそのあと「少年アシベ」(ゴマアザラシの出てくる作品である)でブレイクしメジャーになってしまったが、個人的にはこの作品の方が強く印象に残っている。いまなお現役で活躍していて、毎日新聞に連載中である。(絵柄はちょっと昔と違う。そういえば毎日には西原も載せている)

今回Wikiを調べてみて分かったのだが、この作者のご主人は山科けいすけ氏だそうである。ともに、1980年代にヤングジャンプに連載していて、今日なお活躍しているというのは大したものである。亭主が朝日、女房が毎日というのは大手メディア独占という感じで、なかなかすごいことだなあと思う。ヤンジャンに載せてた当時は、こんなに長く活躍するとは思わなかったけれど。

ネットを探したら画像も出てきました。いまの画(毎日新聞)とは全然違います。

[Apr 23, 2014]